表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/24

第7話 ミナの決意

翌朝。

ユウは学校の昇降口で、靴箱の前にしゃがみ込んでいた。


「……はぁ……今日も学校か……」


靴箱を開けると、靴の上に紙切れが乗っていた。


『天野ユウへ

 お前の存在は危険だ。

 今日中に退学しろ。

         シェイド』


ユウは震えた。


「……なんでモンスターから手紙もらってんの俺……?」


ミナが後ろから覗き込む。


「ユウくん、どうしたの?」


「ミナぁぁぁぁ!! 俺、モンスターに退学勧告されたぁぁぁ!!」


ミナは紙を受け取り、さらっと読んだ。


「……字、きれいだね」


「そこじゃないよ!!」


ミナはくすっと笑った。


「大丈夫だよ。こんなの気にしなくていいよ」


「気にするよ!? めちゃくちゃ気にするよ!!」


ミナはユウの肩に手を置いた。


「ユウくん。昨日の影のこと、覚えてる?」


「覚えてるよ……俺、影に嫌われてた……」


「嫌われてたんじゃなくて……なんか、触れなかったよね」


「触れなかったってなに!? 俺、影に避けられる体質なの!? 怖いよ!!」


ミナは少しだけ考えるように目を伏せた。


「……ユウくん、もしかしたら……」


「もしかしたら……?」


ミナは言葉を飲み込んだ。


「……ううん、なんでもない。とにかく、ユウくんは大丈夫だよ」


「なんでそんな自信あるの……?」


ミナは笑った。


「だって、ユウくんはいつも生き残ってるから」


「それは……偶然で……」


「偶然でも、生きてるよ」


ユウは言葉に詰まった。


ミナは靴箱を閉め、ユウの手を引いた。


「ね、今日の放課後、ちょっと付き合ってほしいんだ」


「え? なに……?」


「ユウくんを守るために、私も強くなりたいの」


ユウは驚いた。


「ミナ……」


「だから、一緒に訓練してほしいの」


「俺、弱いよ……?」


「うん。知ってるよ」


「知ってるんだ……」


ミナは笑った。


「でも、ユウくんがそばにいてくれると、私、頑張れるから」


ユウは胸が熱くなった。


放課後。

ミナは訓練場の片隅で、光の魔法陣を展開していた。


「《ヒールライト》……!」


柔らかな光が広がり、空気が温かくなる。


ユウはその光を見つめながら、ぽつりと言った。


「……ミナって、すごいよね」


「え?」


「俺なんか……逃げることしかできないのに……ミナは、誰かを守れるじゃん」


ミナは首を振った。


「守れるよ。でも……ユウくんがいないと、私、怖いよ」


「え、なんで……?」


ミナは少しだけ頬を赤くした。


「ユウくんがいるとね……なんか、安心するの」


「俺、何もしてないよ……?」


「ううん。ユウくんは……ユウくんだから」


ユウは照れくさくて目をそらした。


その時だった。


訓練場の隅に置かれた古い装置が、

カチッ、と小さな音を立てた。


ユウは気づかない。

ミナも気づかない。


ただ、夕日が差し込んだだけのように見える。


装置の表面に刻まれた、

どこかで見たような“丸い模様”が、

ほんの一瞬だけ光った。


ユウはその前を通り過ぎ、

何も気にせずミナの隣に座った。


「……俺、ミナのために何かできるかな……」


ミナは微笑んだ。


「できるよ。ユウくんは……生きててくれるだけでいいの」


ユウは顔を赤くした。


「……なんか、恥ずかしい……」


ミナは笑った。


「じゃあ、明日も一緒に頑張ろうね」


「うん……」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ