表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/24

第14話 九条の暴走、そしてまた巻き込まれる

翌日の昼休み。

ユウは購買で買ったパンを持って、校舎裏のベンチに座っていた。


「……今日は静かだ……平和だ……このまま何も起きないで……」


ミナが隣に座る。


「ユウくん、今日は落ち着いてるね」


「落ち着いてるよ……何も起きてないから……」


ミナは微笑んだ。


「ずっとこうだといいね」


「ほんとに……」


そう言った瞬間だった。


校内放送が鳴った。


『天野ユウ、至急、研究棟へ。繰り返します──』


ユウは絶叫した。


「なんでぇぇぇぇぇぇ!! 俺、何もしてないのにぃぃ!!」


ミナが肩を叩く。


「大丈夫だよ。きっと大したことじゃないよ」


「大したことじゃないなら呼ばれないよ!!」


研究棟。

白い壁、無機質な空気、機械の音。


ユウは震えながら中に入った。


「……ここ、怖い……絶対ろくなことにならない……」


そこへ、白衣姿の九条カナメが現れた。


「来たか、天野くん」


「来たくなかったよ!!」


九条は淡々と続ける。


「君の“運の偏り”について、追加の検証をしたい」


「やだ!!」


「安心したまえ。痛いことはしない」


「痛くないなら……」


「精神的な負荷はあるかもしれないが」


「やっぱりやだぁぁぁ!!」


ミナがユウの後ろに立つ。


「九条さん、ユウくんは……その……研究とか苦手で……」


「苦手とかじゃなくて怖いんだよ!!」


九条は無視して、奥の部屋へ案内した。


部屋の中央には、

古い機械のようなものが置かれていた。


丸いような、丸くないような、

どこかで見たような模様が刻まれている。


ユウは震えた。


「なにこれ……絶対危ないやつだよ……」


九条は機械を撫でながら言った。


「これは“旧式スキル解析装置”だ。

 古い資料に載っていたものを復元した」


ミナが首をかしげる。


「古い……?」


「そうだ。だが性能は高いはずだ」


九条はスイッチを入れた。


ブゥゥゥゥゥン……


機械が低い音を立てて起動する。


ユウは後ずさった。


「やだやだやだ!! 絶対爆発する!!」


「爆発はしない」


九条は自信満々に言った。


その瞬間。


機械が、

バチッ!!

と火花を散らした。


「ほらぁぁぁぁ!! 言ったじゃん!!」


九条は眉ひとつ動かさない。


「問題ない。初期起動時にはよくあることだ」


「よくあっちゃダメだよ!!」


九条はユウに向き直る。


「天野くん。ここに立ってくれ」


「やだ!!」


「大丈夫だ。精神的な負荷は──」


「精神的な負荷がある時点で大丈夫じゃないよ!!」


ミナがユウの手を握る。


「ユウくん、私がそばにいるから」


「ミナぁぁぁ……」


ユウは震えながら機械の前に立った。


九条がスイッチを押す。


ブゥゥゥゥゥン……


機械が光り始める。


ユウは目をつぶった。


「うわぁぁぁぁ!! 死ぬぅぅぅ!!」


九条が呟く。


「……反応が……おかしいな」


ミナが不安そうに言う。


「え、どういう意味……?」


九条は機械のパネルを見つめた。


「通常なら“スキルの波形”が表示されるはずだが……

 天野くんの波形は……乱れている」


ユウは叫んだ。


「乱れてるってなに!? 俺、壊れてるの!? 人間として!!」


九条は首をかしげる。


「……いや、壊れているわけではない。

 ただ……“中心”が見えない」


ミナが息を呑む。


「中心……?」


九条は続ける。


「スキルには必ず“核”がある。

 だが天野くんのスキルには……核がない。

 まるで……“外側だけが存在している”ようだ」


ユウは絶叫した。


「外側だけってなに!? 俺、中身ないの!? 空っぽなの!? やだぁぁぁ!!」


九条は淡々と結論を述べた。


「……興味深い」


「興味深くないよ!!」


その瞬間。


機械が、

ドンッ!!

と大きな音を立てて揺れた。


九条が叫ぶ。


「まずい、暴走だ!!」


ユウは絶叫した。


「ほらぁぁぁぁ!! 絶対こうなると思ったぁぁ!!」


ミナがユウを抱き寄せる。


「ユウくん、伏せて!!」


機械が光を放ち、

部屋中に火花が散った。


そして──


ドォォォォォン!!


機械が爆発した。


煙が立ち込める。


九条は咳をしながら言った。


「……ふむ。やはり旧式は不安定だな」


ユウは泣きながら叫んだ。


「俺、なんで生きてるのぉぉぉ!!」


ミナはユウの背中を撫でた。


「ユウくん……大丈夫だよ。生きてるから」


「生きてるのが不思議なんだよ!!」


九条は壊れた機械の破片を拾い上げた。


「……この素材、どこかで見たような……」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ