ファイル6:これからの選択(チョイス)
【謎の音:記録時間——2031年1月11日——夜——11時半。】
木の香りが漂う医館。ベッドで倒れるように眠っていたヴォイドは、微かに瞼を開ける。
朦朧とした視線の先に見えたのは、見知らぬ金色の色彩。少女は両手をヴォイドの胸に当てており、その手からは緑色の粒子が放たれていた。
しばらくして、異能全開による過負荷状態が回復し、ヴォイドは再び眠りにつく。
約三日が過ぎた頃。
病室の中、微かな朝の光が窓を通してヴォイドの顔に当たる。顔に熱を感じたヴォイドはそっと目を開け、ベッドの上で目を覚ました。
カメロゲンと一戦した後の記憶は欠落しておらず、脳内情報は少し乱れかつ曖昧だったが、彼はまず環境を観察、分析し、自分の立ち位置を確認した。
その後、装備をすべて剥ぎ取られ、シャツとズボンだけの『素体』になった自分を目の当たりにした時、彼は突如として「欠けているもの」の正体に思い至った。
病床の右側のテーブルに視線を落とす。平らな木目の上には、針と糸で補修された跡が生々しい、薄汚れたボロ袋がポツンと置かれていた。
それはヴォイドが片時も手放さず、常に持ち続けていた大切な袋だ。
彼は急いで袋を開け、中に手を入れて中身を確認した。そして彼は長方形らしき物を掴んで取り出した。
彼がそこまで慌てて探していた欠けた『一片』――それはコーヒーの染みが混ざった古い本だった。
本のタイトルページには『ヴォイド』の名が刻まれている。
この時、病室の外から誰かが近づく足音が伝わってきた。ヴォイドはそれに気づき、素早くその本を袋に戻し、サイドテーブルの上に置き直すと、自分を目覚めたばかりの状態へ調整した。
足音はヴォイドの病室に着いた段階で完全に止まった。暫くして、正気で力強く、かつ礼儀正しい声がノック音と同時に響いた。
挨拶が済み、声の主はドアを開けて病室に入ってきた。ドアが開いた瞬間、ヴォイドはその容姿をはっきりと認識したが、心の波紋は大して起きなかった。なぜなら、目の前にいる人物は彼にとってすでに面識のある知り合い、『騎士団長ガラハッド・アリストアル』であるからだ。
「どうやら……目が覚めたか。なら話を手短に済ませよう。まずこれらを受け取れ」
騎士団長は病室のドアを開けた後、ヴォイドが既に目覚めていることに気づいていた。ヴォイドへの関心を含め、騎士団長は喋りながらヴォイドの側へゆっくりと歩き、鎧の中から一通の手紙と丸められた証明書をヴォイドに渡した。
ヴォイドは手を伸ばして騎士団長から手紙と証明書を受け取り、中身を確認した。手紙の中には領主からの招待状と領主屋敷へ通じる地図。証明書には宿屋メイティの経営復帰と書かれている。
「これは『招待状』と、宿屋メイティの『経営権復帰』の証明書類だ」
「自己紹介が遅れたな、私はアリストアル騎士団の団長ガラハッド。この書類は本来三日前、君に渡すべきはずの『勝者の賞品』だ。だが三日前であれほどの事件が発生したため、現場の状況を迅速かつ厳密に対処するため、これらを渡し損ねた。また先日の騒動の発生源であるカメロンとローゲンについては残念な知らせがある……」
「俺たちが意識を失ってる間に何かあったのか?」
「カメロンとローゲン両名は死亡。正確に言うとあの腫れ物が爆発した時すでに死んでいた。意識はおろか異能の波動さえ感じ取れなかった」
「そっか、死んだのか……」
一瞬の間、カメロゲンと一戦した記憶データは余韻として、ヴォイドの脳内で再生された。
「なお、あの腫れ物の原因について、こちらも調査中なので……さらに詳しいことは君が退院したその日まで一旦保留とする。退院したら必ず領主様の屋敷まで顔を出してくれ、領主様には君へのメッセージがあるそうだ」
説明が大体済んだところで、ガラハッドは窓の外の空の色を見て面会時間は十分だと判断し、踵を返して去ろうとした。
「わかった、これからの予定の一つとして記録するよ」
「そう言えば……縁之介の今の様子はどうなってる?」
「医師たちによると、彼が負った傷はいつ死んでもおかしくない状態なのだそうだ」
「それは一体……」
いきなり縁之介が余命僅かと宣言されて驚いたヴォイドだが、何かを察したように急に言葉を途切れてしまった。
「詳しいことまでは分からない。もし疑問があるなら、彼に直接聞いた方が良い。では私はこれで失礼する」
ドアを閉じて、ガラハッドは医館から去ってしまい。病室には沈黙するヴォイドしか残されている。
退院当日、朝10時。
ヴォイドはベッドの隣の机で再び古い本を取り出し、ページをめくって、空白のページに書き始めた。その本はヴォイドの日記だ。
(※以下、日記の内容)
今思い返せば、復讐と言うその言葉は、すでに何度も頭の中で浮かんでいたかもしれない。それは間違っていることだと分かっていたけど、でもあの時、考えずにはいられなかった。
だって大切な家族が目の前で殺されて死んだんだ。何もできなかった。ただ無力なまま、すでに起こった出来事を野放しにすることしかできなかった。
どうしてだろう、あの時あんな気持ちになったのは。今になっても、依然として不明のままだ。
なぁ、シェラウド? あなた様が死んだあの時から、一体どれくらいの時間が過ぎたのかな?
それから犯人を突き止める考えもあったけど、でも諦めた。いえ、吹っ切れた、と言うべきか。
なぜなら俺は知ってるさ。例え復讐と言う行為が実現したとしても、そのあとはどうなる?
過ぎた過去はもう戻らない。
そうさ、もう戻らないよ。記憶にあるかつての、あの暖かくて、時には楽しい、時には厳しい、それでも平凡で充実した幸せの日々。今から見たら、あれは過去の残影に過ぎない。
だから過去にこだわるより、むしろ視線を更なる、そして遙かな、未来と言う前方の道に向かった方がいいんだ。
その先には過去、今とまったく別々な選択がある道、そして知りたい答えが見つかるかも。
俺には欲がない、そしてわからない。自分がこの世界にいる立ち位置と、するべきことは何なのか。
だから俺は選んだ。風に乗って、どんどん更なる先へ流れて行くと。
探して、理解して、そして味わう。できるだけのことをするよ。これもきっとあなた様が、その目で見たかった、俺に望んだ、俺が選ぶ道だろう?
(※日記終了)
日記を書き終え、ヴォイドは日記を閉じた。病室で身だしなみを整えて、医務室を後にした。
●
退院したヴォイドは、まずその足で領主の屋敷へ真っ直ぐと向かった。道中、彼は手元の地図と周囲の景色を幾度も照らし合わせ、慎重に足を進めていく。
路地裏を抜け、真っ先に目に映るのは色とりどりの花が満開の鮮やかな庭園。芳醇な香りが庭園の周りに漂っており、ヴォイドも思わず香りの甘さに浸り、酔ってしまう。
庭園を横切ると、視界が急に開けた。平原の緑の中に佇んでいたのは、素朴な佇まいながらも豪華絢爛な気品が溢れる豪邸。それこそが、領主ガードの屋敷であった。
風に乗り、平原を歩いてヴォイドも遂に領主の屋敷に到着した。
騎士団長は既に騎士団のメンバーを連れて、雲を突くほど高い大門の前で静かにヴォイドの到着を待っていた。
ヴォイドが手の中の招待状を門衛に見せると、すぐに門衛は確認を終え、大門を開けてヴォイドを中へ通した。
ヴォイドが入ると、騎士団のメンバーは左右に整列した。その後、中央にいた騎士団長ガラハッドがヴォイドを連れ、領主の執務室へと向かった。
「欲なき男ヴォイドか……とんでもない物が送られてきたなぁ」
領主の屋敷内、空を見上げている領主ガード。その時、執務室の外で騎士団長がドアをノックした。
「君がヴォイド…」
領主はヴォイドと対面した後、自己紹介も挨拶もせず、ただ直接ヴォイドの全身を上から下まで値踏みするように眺めた。その後、いきなりヴォイドの服を捲り上げ、ヴォイドの白くしなやかな筋肉を目の前で晒させた。
「あの?なにしてるの?」
領主の奇妙な行為に困惑したヴォイドは、顔中に疑問符を浮かべていた。
ヴォイドは領主が自分に向かって行う意味不明な挙動を見て、疑惑を重ねて迷惑を感じていた。
「領主様、客に対する態度はいささか失礼ではないか」
領主が客に心理的なハラスメントを与えていると察知したガラハッドは、大きく、しかし少し自制した咳払いを通じて、領主の越権行為を警告した。
隣にいる騎士団長は一咳を通じて領主の迷惑行為を抑えて警告したのだ。
「すまんすまん。私としたことが、つい興が乗ってしまってな。反省、反省だ」
領主は咳払いを聞くと、すぐに自分の行為が行き過ぎたと理解した。そして、その不敵かつ好奇心に満ちた態度を引き締め、椅子に座り直してヴォイドに招待した理由を説明し始めた。
「事情の大体はすでにガラハッドから聞いているだろうから、ざっと言うと。ヴォイド・シェラウド、君に手伝ってほしい」
「手伝い……? それはカメロゲンの異能暴走の件についてか?」
「暴走……いいね、その名称。まあ、カメロゲンの腫瘍が暴走に関わるものか? 確かにカメロゲンの暴走により各部署の建物が壊滅した、それは一つの原因だがそれだけじゃない。実を言うとね、これからも同じ事が起こる可能性は高いと断言する」
「カメロゲンの異能暴走、および徹底的な制御不能により発生した腫瘍は、異能の上限を増幅させるだけでなく、死をもたらす」
「これらに関して我々はまだ端緒しか触れていない。何しろこの類の事件は初めてだ。過去にも異能が増幅された事件が存在したが、幸いなのは早い段階で発見され、本来起きるはずの災害をゆりかごの中で押し殺せたことだ」
ガラハッドは記憶にある、かつて警備局と共同で執行した捕獲任務を思い出した。ある逃亡犯の様子が奇妙だった。目が充血して赤くなり、体の筋肉が痙攣し、その後、理性を失った野獣のようにガラハッドに襲いかかったが、ガラハッドの異能によって捕らえられた。
「これらの事件には一つの共通点がある、それはウィッシュバトルの参加者もしくは申請者であること。何かしらの形で異能が変異する。君がくれた名称、以後これらの事件を『異能暴走』と呼称する。」
「とにかく我々は今、異能暴走の根源へ至る人物を調査する人員を必要としている。だが処理すべき事件が多すぎて、我々の人手はすでに不足している。だから、君が我々の調査員として、シティの修復と『異能暴走』の原因調査に協力してくれないか?」
「なるほど。だが一つ問題がある、給料……付くのか?」
ヴォイドは少し考えた後、ただ領主に一言そう尋ねた。
「ぶはっははは!!!」
「何かおかしいのか?」
「いやいや、ただそんな素朴な要求を頼まれるなんて思いもしなかっただけだ」
領主は吹き出した。ヴォイドがまさかこれほど素朴かつ現実的な要求を口にするとは思わなかったからだ。
「その口ぶりからすると、受けるつもりだな。理由を聞かせてもらってもいいか?」
「一週間前の『カメロゲン暴走事件』を経験した後、決めたんだ……ここに残って、もっと他人に接触し、そして彼らの願いを知ることを…」
「ここに残っていると決めた以上、ますますウォクとリリィに迷惑をかけるべきではない。ましてや居候なんて…」
「だから俺の『目標』を達成するついでに金が稼げる仕事が必要なんだ。あんたの『提案』が、たまたま俺の目標と一致しているから」
縁之介の悲劇的な過去を知り、カメロゲンの異能暴走事件を経験した後、様々な思考と選択の末、彼はより多くの人と接触し、彼らの願いを理解することを決めた。
そして彼にとって、ここに残ることを選んだ以上、メイド兄妹に迷惑はかけられないし、ただ飯ぐらいにはなりたくない。だから彼は、その目標を達成でき、かつ生活費を補える仕事が急務だと分析した。領主の提案は、ちょうど最適な選択だったのだ。
「いいだろう、その要求は君が依頼を完了した際の報酬とする」
「これは私のサインとハンコが記入された通行パスだ。これを責任者に見せれば、どこでも通れる。アリストアル・シティの中限定だけどね」
領主は机の三段目の引き出しから一枚の白紙を取り出し内容を書き、署名した後、一段目の引き出しから『印鑑』を取り出して紙に押した。領主認証の『通行証』がこうして作成され、領主はそれをヴォイドに渡した。ヴォイドはそれを受け取り、領主の屋敷を後にした。
窓越しにヴォイドが徐々に離れていくのを見送る領主は、先ほどの陽気さとは全く異なる厳粛な表情を浮かべていた。そんな領主に対し、ガラハッドはその気圧に耐えきれず、領主の目的を尋ねた。
「これで十分なのですか……領主様。一体何を企んでおられるのですか?」
「ガラハッド、仮に私が本当に何かを企んでいたとして、それを聞いてどうするつもりだ?」
「私も分かりません。ですが、もしその件がこの都市の民、およびあの青年に関わることならば、この都市を守る騎士団長として座視することはできません。ましてや、民を傷つけること自体、領主様ご自身の信条に反します。」
「まあ……少しだけ君になら話しても構わんがね。あの少年『ヴォイド』が曝け出す異質感は、遥かに世界の法則そのものを超えている。彼の存在は世界に大いなる改革と変化をもたらす。だが変化の結果は、生か死か、計算できない。いつか、君も立ち向かう時が来る。我が息子、ガラハッドよ」
領主ガードは、時折笑顔を見せ、時折厳粛になる。滑らかに切り替わる表情は、彼が今何を考えているのかを推測させない。その意味深長な表情は、ヴォイドの身に隠された謎と、まだ探索されていない深い深淵を暗示していた。
●
夕方6時、ヴォイドは民宿メイティに戻った。ドアに入ろうとした時、目の前でメイティ兄妹がヴォイドの帰りを待っていた。ヴォイドの帰還を見た二人は、すぐにヴォイドに抱きついた。彼らは無意識に、ヴォイドがまた去ってしまうと思っていたからだ。ヴォイドは一瞬、驚きを感じた。
「やっぱり、去るつもりなのか? 分かっていたけど、やっぱり寂しいよ」
「ヴォイド兄ちゃんがウチらの家族になればいいのに、けどそんな妄想はもう叶うはずない……」
「ウォク、リリィ……俺はここに残るさ」
「えっ……えっっえっっ!!!」
「だとしたら、どうして? こんな遅くまで帰ってこないから、てっきり最後の挨拶に来たのかと」
「領主ガードに用事があって、彼に会っていたからだ。それと、これ……」
ヴォイドは袋から民宿メイティの経営権復帰の証明書を取り出し、ウォクに渡した。
「これは、経営権復帰の証明!」
「俺はしばらくの間、ここに残ると決めた。より良く彼らを観察して願いを理解するために。でも、俺のわがままで君たちに迷惑をかけてはいけない。経営権が戻った今、これからはきっと忙しくなるから。居候なんかにならないためにも、適した仕事が必要だ。」
「なんだ、そういうことか……それなら先に相談してくれれば良いのに……」ヴォイドの本心を聞いて、ほっとしたウォクが呟いた。
「ウチは別に気にしてないよ、ヴォイド兄さんが居候でも。」
「リリィ、男が覚悟を決めてる時に、そんな言葉を言っちゃダメだ」ウォクがリリィに注意するように話した。
夜、ヴォイドは裏庭へ縁之介の姿を探しに行った。
裏庭に出ると、上半身裸で剣を振るう練習をしている縁之介が見えた。痩せているように見えた縁之介だが、服を脱ぐと意外にも引き締まった八つの腹筋が露わになっていた。
だが唯一美しくない点は、縁之介の体の各所に深さの異なる刀傷があり、それらが癒えることのない呪いのように体に刻まれていることだった。
「縁之介、お前はここに居たのか……」
「ヴォイドか……」
剣を振ることに集中していた縁之介は、ヴォイドの声を聞いて動作を止め、振り返って真っ直ぐ自分を見ているヴォイドを見た。
「お前に聞きたい事がある。医師が話した、お前の寿命が残り少ないってこと、残り約一年程度か。それは一体どういうことだ、お前の古傷と関係あるのか? 理由を答えてくれないか?」
「はぁ……お前は本当にお節介だな。まぁいい、俺も大して変わらないけと、教えてやってもいい」
縁之介は手に持っていた剣を見て、その剣をヴォイドの目の前に平らに構えた。縁之介が目を閉じて深呼吸すると、手に持った剣は徐々に温度を上げ、灼熱の気圧を放ち始めた。間もなく、剣の色は銀白色から夕陽のような橙紅色へと変わった。
「試しに指一本、この刀に触れてみろ」
ヴォイドは慎重に一本の指を煮えたぎるような刀身に近づけた。ほんの一瞬触れただけで、その泥をも溶かすような熱さにヴォイドは素早く指を引っ込めた。幸い触れた時間はわずか一秒だったため、ヴォイドの指は小面積の火傷と黒い煙が出る程度で済んだ。
「熱い。……これはどういう原理なんだ?」
「これが俺の異能『煉獄』だ。俺の異能は自身を中心に沸点まで温度上昇させ、それをあらゆる物品に付魔する。付魔された物品はどんな物質でも、人の体でさえも切れる。これは強大な力だが、同時に『諸刃の剣』だ。物体を断ち切るたびに、斬られた物体と同じ刀傷が、鮮血を伴って俺の体にも現れ、永遠に残る。」
(『異能=願い』ってのは、やっぱり不完全で不可解なものなのか?)
「なぁ、縁之介、俺に剣術とやらを教えてくれないか?」
「学んで、何にするつもりだ?」
「俺はもっと願いを知りたい。でもこれからカメローゲンみたいな事件が再び起きるかもしれない。もっと効率よく目標に近づくために、もっと攻撃手段が必要だ。」
「先に言っておくと、俺の方法はかなり『地獄』だぞ。歯を食いしばって、覚悟決めろよ。」
わざと凄んでみせた縁之介だが、その本心はヴォイドの身を案じてのものだった。だが不器用な彼はそれを口には出さず、ただ静かにヴォイドの肩を叩き、彼に覚悟を決めるための時間を与えた。
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青白い光で照らされている、ある地下空間。牢獄の中から子供たちの泣き声が伝わってくる。
その中心の広場には数人、青い軽装まるで殺し屋な女性たちが集まって、何かを企んでいる。
「我らは主の使者『メタトロン』。我々が行うのは、主の代わりに世に『救済』をもたらす『儀式』だ。ミッションが終わったら、主の祝福を君たちを救済することを約束する。」
リーダー格らしき女性は、陶酔しきった声で部下たちと共にその狂気じみた宣誓を繰り返していた。
一陣の風が吹き、一人の女殺し屋の顔を隠していたベールが捲られた。
金髪の女殺し屋は、病んだ、かつ殺気溢れる目付きで睨み返した。
最初と最後に出てくる金髪の女性とは何者。敵が味方が?
主の使者『メタトロン』が宣言した救済儀式、それ実体とは何か、子供と関係するものなのか?
次回、ファイル7:白き天使の使者
自由と偽りの救済を願う少女。彼女の狂気は、観測者ヴォイドの虚無に、いかなる火花を散らすのか——。
これから注目するべき『ポイント』はヴォイド選択にあり。『無欲な人間?』がいかに『人間』らしいことを知る、『真の魂』とは……
次回更新5月11日。
追記ウィッシュコレクター活動報告2にぜひご注目、これからのシナリオ予定に関するもの。




