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激突

「さあ、いよいよ最終戦です!」


 観客席がわっと沸く。サポートを含めた四人の勝敗で争うって言うルールがいつの間にか変わっていることは誰も気にしてないみたいだ。


(それにしてもアレクサンダーは一体何を考えてるんだ?)


 言うことをコロコロ変えて……一体何が目的なんだ? こんな訳の分からないことをして一体何のメリットがあるんだ?


(もしかしてそもそも時間稼ぎがしたかっただけか?)


 だとしたら、こんなギリギリまで奴は一体何をしてたんだ?


「いやー、いよいよですね!」 


「剣聖エドワード殿下の超人的な剣技、見ものです!」


「私達のためにも、観客席の皆様のためにもディラン選手にはあっさり倒されたりしないで欲しいですね!」


 相変わらずムカつく解説を聞きながら俺はゆっくりと闘技場へと登る。長かった……本当に長かった。


(だが、これで終わりだ、アレクサンダー!)


 目の前にはかつて俺が使っていた装備を身に着けたアレクサンダーが立っている。俺から名を奪い、居場所を奪った男……


「義兄さん、いやディラン。ようやく復讐の時だ」


「復讐だと?」


「俺はいつもお前と比べられ、いつも認められなかった。“エドワードを見習いなさい”、“エドワードのようにやりなさい”……ってね」   


 それは前にも聞いたことがある。城を出ようとする俺の前に立ちはだかったアレクサンダーはそう言って俺への憎しみを露わにした。


「けど、それは過去の話……今は俺がエドワード。皆が俺を認め、讃えてくれる。だからあんたは邪魔なんだ!」


 邪魔……確かにそうかもな。


(俺にとってもお前は邪魔だ、アレクサンダー!)


 俺の大切な人を傷つけ、奪っていくお前は絶対に許せない!


「ようやく手に入れた自分の人生、みすみす奪わせはしないぞ!」


「お前が奪った俺の人生、返してもらうぞ!」


 試合開始の合図と共に俺達は互いに剣を構えて向き合う。同じ構えで睨み合う俺達……恐らく狙いも同じだろう。


(アレクサンダーのスキル、〈光速剣〉は俺の〈バーストレイジ〉と同じで遠近両用の万能スキル。まずはそれを軸に間合いを詰めてくるはず……)


 だが、以前俺は〈バーストレイジ〉で〈光速剣〉に押し勝った。なら……


「〈光速剣〉!」


 来た!


「〈バーストレイジ〉!」


 光の剣撃と闇の剣撃がぶつかり合う! そして……


 ザクッ!


 〈バーストレイジ〉が消え、俺の頬に切り傷が出来る。まさか俺の〈バーストレイジ〉が押し負けたのか!?


「ふははは! 驚いたか、ディラン! 俺はもう以前の俺じゃない! なんたって今の俺のレベルは50! あんたとはパラメーターに差がありすぎるのさ!」


 レベル50だって! この短期間にまさかそこまでレベルアップしているとは!


(スキルの威力はパラメーターの影響を受ける。つまりそれだけパラメーターに差があるってことか)


 レベル50と言えば、俺のレベルの三倍以上だ。パラメーターにそれだけ差があってもおかしくはない。


「パラメーターだけじゃないぞ!」


 アレクサンダーが突進してくる! だが……


(隙だらけだ!)


 俺は後ろに下がしながら〈ダブルシュート〉を放──


「〈縮地〉!」


 突然アレクサンダーが目の前に現れ、俺に剣を振るう。クソッ……間に合わないっ!


 ザクッ!


 体を捻って何とか急所は避けたものの、アレクサンダーの剣が俺の体を袈裟斬りにする!


(くっ……距離を取らないと!)


 俺はオリヴァーさんに渡されたものを──


 カッ!


 地面に落とした閃光玉が光を放つ。俺は目を閉じながらその場を飛び退いた。


(“常に地形を把握しておくべし”アレックスに教わった通りだな)


 おかげで目を閉じていても安全な場所へと離脱することが出来た。しかし……


(ピンチには変わりないな……)


 今だに圧倒的なレベル差に加え、新スキルまで習得しているアレクサンダー。しかも奴はまだ無傷なのに俺はかなりダメージを負っている。さて、どうしたものか……

無もなき解説者の実況 :

「圧倒的なエドワード王子の剣技! いや〜凄い! 凄すぎる! ディラン選手は手も足も出ないのか!」 


「まあ、仕方ありませんね。エドワード王子の実力は圧倒的ですからね」


「次話では早くも決着か! ブクマとポイントがまだの方は今のうちに是非!」


「大事なことですね。もし気が乗ればレビューを書くのもありですね。筆者が狂喜乱舞することでしょう」


「では皆さん、また明日の更新でお会いしましょう!」

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