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エクソダス

 床に広がった紫の光……それに驚いた俺達だったが、続けて更に驚くことになった!


「これは邪印!?」


 エレナのお父さんやオーガの体に浮かんだあの邪印が床一面に広がっている!


 フッ……


 突然現れた邪印に呆気に取られていた俺達だったが、それは現れた時と同様、一瞬で消える。そして……


 ゴゴゴ……


 地響きと共に床が壁が揺れる。さらには……


 ピキッ……ピキピキ……


 あちらこちらに小さなヒビが入り始めた。これはまさかこのアーティファクトが崩壊し始めているのか!?


「やばい、みんな出口に走れ!」


 エレナがヘイゼルに肩を貸し、俺達は階段へと走る。が、出口の階段だけは何故か崩壊のスピードが早い!


「くそっ! まだ時間は残ってるはずだろ!」


 オリヴァーさんがそう怒鳴る通り、時間はまだ十分以上残ってる。が、目の前の出口はもう五分と持ちそうにない!


「恐らくあの邪印のせいじゃ! あれが本来の機能と関係なく、アーティファクトの自壊を進めておる!」


 ヘイゼルには魔力の流れが見えるから分かるのだろう。でも……


(このままじゃ間に合わない……!)


 出口の崩壊スピードはどんどん早まっている。もし、今までの出口と同じような長さならとてもじゃないが、間に合わない──


「カイセキしゅうリョウ! エクソダスモードをはつどうシマス」


 スリープモードにしていたマシンGが俺の懐から飛び出して階段にくっつく。すると、亀裂が入り続けていた出口の崩壊が止まった!


「ジカイしたブブンをワタシのぼでぃでオギナイ、ホウカイをオクラセます。おイソギクダサイ、エドワードサマ!」


「急げ、いかにGとて長くは保たんぞ!」


 ヘイゼルが叫ぶ。そうだ、急がないと!


(もうちょっと、もうちょっとだ!)


 最後の階段は今までよりも長い。マシンGが時間稼ぎをしてくれなかったら、到底間に合わなっただろう。


(これが出口、か?)


 階段を登った先にあったのは円盤のようなものだ。これに乗ったら良いのだろうか。


「ソレにおノリクダサイ、エドワードサマ。ワタシが……ガッ!」


「マシンG!?」


 マシンGが階段と同化している部分に紫電が走る。まさか、これは邪印!?


「急ぐのじゃ、ディラン!」


 俺はヘイゼルに手を引っ張られて円盤に乗る。すると、円盤はゆっくりと上昇し始めた。


「ガッ……%&‰#$@!」

「マシンG!」


 紫電が走るたびに上げるマシンGの悲鳴に俺は思わず声をかけるが、返事はない。このままじゃ、マシンGが……


 バチッ!


「ガガガッ……マモル」


 バチッバチッ!


「……エドワードさまをマモル」


 バチッバチッバチッ!


「ソレがワタシのシメイ……」


 バチッバチッバチッ!


「ソレがワタシのイシ。ワタシのココロ!」


 バチッバチッバチッ!


 紫電が階段のあちらこちらを焼く。俺達の乗っている円盤にも幾筋もの紫電が飛んで──


 ブンッ!


 突然光の壁が現れ、紫電から俺達を守ってくれた。これはまさかマシンGが?


「ダレだろうと……ダレだろうと、エドワードさまをキズつけることはユルサナイィィィ!」


 ドォォン!


 マシンGの叫びと共に階段を蹂躙していた紫電が消し飛んだ! 


 ギュン! 


 俺達の乗った円盤がどんどん上昇する。すると、辺りが白い光に覆われていく……


「マシンG、もういい! 戻って来い!」

「‰$@%……$#‰@」


 マシンGからは言葉にならない声しかかえって来ない。駄目だ、もう限界だ!


「っ! ディラン、何をする!」

「マシンGを迎えに行かないと!」


 ヘイゼルが円盤から飛び降りようとした俺の右腕を掴む。叫びながら振り払おうとするが、ビクともしない。


「ディラン……気持ちは分かるが」

「ディラン、行かないで……」


 いつの間にか左腕はオリヴァーさんとエレナにがっちりと掴まれている。全力で飛ぼうとしているのに身動き一つ取れないのはそのせいだ。


(分かってる……分かってるけど!)


 でもマシンGは俺のことをずっと助けてくれた。俺の盾となり、目となり、剣となって尽くしてくれたんだ。なのに……なのに、こんな別れ方は酷いじゃないか!


「エ……ドワードさま……」


 マシンG!


「マシンG! 今迎えに──」


「マエへおススミください、エドワードさま。ワタシがオトモデキるのはココマデです」


 なっ!


「ミジかいアイダでシタが、おツカエできてシアワセでしタ」

 

「マシンG、俺は……」


 その時、再び白い光が辺りに迸った!

筆者の呟き :

 マシンGファンの皆さん、ごめんない! あ、待って! でも、彼(?)の物語はここで終わりではありません! 復活といって良いか分かりませんが、構想の中にはまだ色々あります。連載が続けば日の目を見る機会もあると思うのでどうか読むのを止めないで(泣) 


 彼(?)はエレナと同じくらい思い入れがあるキャラなので今はちょっと気分が複雑です。実は後一話分引っ張るつもりだったけど、それは流石に長すぎだろうと涙を飲んだことも今は懐かしい思い出です……ブクマやポイントがまだの方はよろしければ哀悼の意を込めてポチッとお願いしますm(_ _)m

 

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