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オーロラの秘密

「もぅッ! 何なの、あの人!」


 オーロラの村へ向かって歩きながらエレナはイライラした声を上げる。


「……まぁ、サイラスは癇に障る部分もある奴だな」


 オリヴァーさんはエレナを宥めようとはするが、あまり効果はないな……


「ディランのことを物知らずだなんて!」


「確かにディランはサインと聞いて名前を書いちゃったり……」


 ああ、あれは痛恨のミスだった……


「後、お金の種類を間違えちゃったたりしたけど!」


 確かにあれも有り得ないミス……あれ、確かに俺って周りから見れば物知らずか?


「それにちょっと繊細さに欠けると言うか……戸惑っているオーロラをいきなり質問攻めにしちゃったりとかするけど……」


 あ、うん。あれも悪かった……


(あれ……でも、これってサイラスに言われてないよな)


 ってことはエレナは俺のこと繊細さに欠けるって思ってるってことか……?


「エレナ、話がズレてるぞ。それにもう森の中だ。警戒も頼む」


「あっ……すみません」


 エレナは慌てて口をつぐんだ。俺達も周りを警戒しではいるが、獣人の血を引いているエレナが一番五感が鋭い。


(まぁ、サイラス達と別行動なだけマシか……)


 サイラス達は森の様子の確認──具体的には、一定時間森に滞在して出てくる魔物や数を方向する──で、俺達はオーロラを村へ届け、村からを情報を得ることが目的。そのため、向かう方向が違うのだ。


「こっちの方が近いよ」


 オーロラが指をさす。流石この森で暮らしているだけのことはあるな。


「オーロラの言う通りに行ってみよう」

「そうですね」「分かりました」


 俺達はオリヴァーさんの提案に頷くと、警戒しながら森を進んで行った。



「エレナじゃないか! 心配したぞ!」

「お兄ちゃん達に助けて貰ったの」

「おお、それは何とお礼を言ったらいいか」


 村に着くなり、俺達は村人達から手厚い歓迎を受けた。両親だけでなく、村人全員がエレナのことを心配していたようだ。


「ディランとエレナはオーロラと一緒に家に行って薬を飲ませてやってくれ。俺は村長から話を聞かせて貰う」


 そう言うとオリヴァーさんは村人に連れられて比較的大きな建物へと向かって行った。


「じゃ、行こっか。ギルドからお薬貰ってるし、オーロラのお父さん、お母さんに早く飲んで貰おう」


「うん! ありがとう」



 オーロラの両親に今までの経過の説明をし、薬を飲んで貰った後、俺達は村長の家に呼ばれた。質素ではあるが、心のこもったもてなしを受けながら話を聞いたが、残念ながらあまり核心に迫るような情報は得られなかった。


「……すみません、大したことが分かっていなくて」


「いえ。おかげ様でここに住んでいる皆さんが魔物が増えたと感じていること、それに出会う魔物の種類に明らかな変化があることが分かりました。これは貴重な情報です」


 頭を下げる村長にオリヴァーさんはそう言うのはただの社交辞令だけじゃない。魔物の数と種類の変化……これは一つの事実を導き出してくれる。


(他所からこのゴリドの森に魔物が移動してきたってことか……)


 理由は分からない。が、あのオーガや大量のゴブリン達は何らかの理由で元の住処を離れ、このゴリドの森にやって来たのだろう。


「とにかく今日は泊まっていって下され。今からナドゥに戻ると夜になりますからな」


「「「ありがとうございます」」」


 申し出に感謝しつつ、村長の家を出ると……


「お兄ちゃん達、冒険者なの!?」

「ゴブリンと戦うなんて凄い!」


 大人の話を聞きつけた子ども達が集まり、あっという間に囲まれてしまった。


「あ、いや。まあ、皆で協力してだが……な、ディラン?」


「ええ、そうですね。パーティでの連携が大切です」


 オリヴァーさんの唐突なフリにそんな曖昧な答えを返してこの場を乗り切ろうとしたのだが……


「俺、大きくなったら冒険者になる!」

「私も!」

「なあ、どうやったら強くなれるんだ?」


 こんな感じで次から次へ質問が飛んでくる。うーん、どれに答えたら良いんだ?


(あれ、オーロラ……?)


 答えに困って周りを見回すと、オーロラが俺達から離れて行くのが見えた。一体何処へ行くつもりなんだ?



「ごめんなさい。少ししか採れなくて」


「……! 森へ入ったのか。駄目だと言ったのに!」


 村の外にある洞窟の奥へ行ったオーロラをつけた後、俺はそっと聞き耳を立てた。オーロラが誰かと話してるのか?


「もう森には行っては行けないよ。村の外の結界はもう破られてしまったからね」


 結界……? 


(オーロラは一体誰と話してるんだ?)


 今いる場所からはオーロラの姿しか見えない。相手の姿を見ようと俺が少し身を乗り出した瞬間……


「誰だ、そこにいるのは!」


 ヤバッ! バレた!

オーロラからのお願い:

 そこにいるのは誰!? 

 ……あ、なんだ。あなただったのね。いつも読んでくれてありがとう。

 私の秘密、絶対にばれちゃいけなかったのにどうしよう…… もしあなたのブクマ&ポイントがあれば乗り切れるかも……ってしてくれたの? ありがとう! これであの子も元気になる!

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