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再会

 視点が変わってアンドリュー&シャーロット組は今……


(アンドリュー視点)


「傷は大分良くなりましたね、アンドリュー」


「シャーロット様のお陰です。感謝しております」


 そうだ、感謝せねば。シャーロット様はこの老骨のために毎日治療をして下さっているのだから。


(なのに、くぅ……傷の治りが恨めしい!)


 私の傷が治るということはシャーロット様が結婚を延期する理由が一つ減るということ。なのにこのお方は私はを全力で治療して下さるのだ。


「そんな他人行儀なことを言うのはやめてください。貴方は私達の家族になるんですから」


「勿体ないお言葉です……」


 そう言って微笑むシャーロット様は本当にお美しいの。ああ、本当に身も心も天使のようなお方だ。


(この大恩、返さずして死ぬわけにはいかぬ!)


 今、シャーロット様は大きな危機に瀕しておられる。というのも、あのアレクサンダー王子がとんでもなく恥知らずな方法で結婚を推し進めようとしているからだ。


(あのマザコン王子が……っ!)


 おっと。心の中とはいえ、流石に不敬過ぎたか。ほっほっほ。


(しかし、シャーロット様を追い詰めるためにこのような搦め手を使うなど……男の風上にも置けぬ!)


 闘技大会を開いて優勝することで国内の雰囲気を高めて結婚を拒否出来なくするとは……全くあの王子の性根は腐っておるな!


「どうかしましたか、アンドリュー?」


「いえ、シャーロット様のお美しさとお優しさに心を打たれておりました」


「アンドリュー、からかうのはやめて下さい!」


 そう言って少し頬を赤らめるシャーロット様はお美しくも可愛らしい。早くエドワード様と並ぶお姿が見たいものだ。


(そのためには今、出来ることをせねば……)


 傷の治りを嘆いている場合ではない。相手は新たな一手を打ってきているのだ。こちらも何か考えなくては。


「大丈夫ですよ、シャーロット様。エドワード様は必ず貴方様を迎えに来てくださいます」


「アンドリュー……」


 元気づけようとしたその言葉は逆にシャーロット様の顔に影を落としてしまった……


「勿論、信じております。が……あの予選は正に大会にエドワード様に参加させないためのもののような……」


 シャーロット様が心配されているのは闘技大会の予選だ。二週間後の本選に出るにはこの予選をクリアせねばならないのだが、その内容は何と本選で使う剣を用意すること。しかも剣なら何でも良いわけではなく、基準を満たす業物でなければならないのだ。


(単なる力比べならなら何の問題もないのだが……)


 エドワード様にお渡ししたマジックポーチには旅に必要なものはあるが、武具は最低限しか入ってない。金品はお入れしているが、高価な武器を買うには伝手がいる。


(冒険者のように魔物の素材や鉱石を得て工房に持ち込めば……だが、それも知識やノウハウが必要。とても二週間では不可能だ)


 巷では高額な報酬目当ての冒険者がギルドの依頼そっちのけで剣の作成に必要な材料集めにいそしんでいるらしいこともよりハードルを上げている。今のエドワード様にとって名剣を得ることは高ランクの冒険者に勝つことより困難であろう。


「ご心配には及びません。この程度の賢しい策略に屈するエドワード様ではごさいません」


「ええ……ええ、勿論です」


 シャーロット様はぎこちない笑みを浮かべて私の言葉に頷かれている……くっ、私の力が及ばないばかりに!


(私の力……そうだ!)


 回復した今だから出来ることがある……まだ残っていた!


「大丈夫ですよ、シャーロット様。私めには秘策がありますからな」


「秘策……ですか?」


 シャーロット様の目が驚きで大きく見開かれる。我が家に伝わる至宝の一つ……今こそそれをエドワード様にお捧げすべき時だろう。


(ディラン視点)


 俺達はゴリドの森へ入る寸前、別のパーティに出くわした。


(こいつは確か……)


 緊急クエストはその危険性から複数のパーティが受注することもあるとオリヴァーさんから聞いていたから別のパーティに出会ったこと自体に驚きはない。驚いたのはその中に何処かで見た顔があったからだ。


「お前はッ……」


 仲間と共にいたのは確かサイラスとか言う冒険者。初日に俺達に絡んで来た奴だ。


「お前みたいな物知らずの素人が緊急クエストを!? 物知らずもここまで来ると逆にすげーな!」


 な、何ぃ!?


「サイラス、この二人は俺が誘ったんだ。言いがかりをつけるのは許さないぞ」


 俺が何かを言う前にオリヴァーさんが前に出た。


「おい、もう止めとけよ」

「……分かってる」


 サイラスは仲間とそんなやり取りをすると舌打ちをしながら森へと入っていった。



アンドリューからのお願い:

 エドワード様にあのような暴言……サイラスとか言う冒険者、許せませんな。我が剣の錆にしてくれるッ!

 ……申し訳ありません。取り乱しました。あのマザコン王子といい、最近性根を叩き直さねばならない輩が多過ぎですな!

 さて、本編だけでなく後書きまで読んで下さる貴方様に限ってないとは思うのですが、ブクマ&ポイントはお済みですかな? 忘れていた方は是非! 迷っていた方も是非! この先も見逃せない展開が続きますぞ! 



 

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