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緊急クエスト

(緊急クエスト……か) 


 オリヴァーさんの話を聞いた後、俺とエレナは話し合い、今日は早めに休むことにした。だが、今日は色んなことがあり過ぎてベッドの中に入っても中々寝られないな……


(オーロラの住んでいる村の近くにヤバい魔物が潜んでいる可能性があるなら退治してやりたいが……)


 実はギルドの分析の結果、ゴリドの森には強力な魔物が住み着いている可能性が高いとのことだった。何でもゴブリンやオーガと遭遇したのもそのせいだとか……引っ越しの最中だったのかな。


(強力な魔物が住み着いた場所は他の魔物の活動も活発になるって聞いたけど……)


 近くに強力な魔物が住み着いたとなればナドゥにも無関係な話じゃない。ということで、この件はギルドが冒険者達に依頼を出す”緊急クエスト”となり、C級冒険者であるオリヴァーさんが任されたらしい。まあ、ここまでは誰でも納得だと思う。だが、問題はここからだ。


(オリヴァーさんのサポート……俺達に務まるのかな)


 実は今、冒険者ギルドには例の闘技大会のせいで目ぼしい人材がいないらしいのだ。いくらオリヴァーさんがC級冒険者でも一人ではこの不確定な情報が多い状況では危険過ぎる。ということで、オリヴァーさんは俺達に声をかけてくれたらしい。


(けど、緊急クエストをクリアするのはD級冒険者への最短ルート。なら受けるしかない!)


 心配なのはエレナを危険にさらしてしまうことだ。今回のクエストの目的は調査であって退治じゃない。それでもあのオーガがうろつく森だから調査だけでも大きな危険が伴うだろう。あのオーガ、半端ない強さだったからな……


(でも、やらなきゃシャーロットは……いや、でもエレナが……)


 意識は覚醒していたが、やはり体は疲れていたのだろう。そんなことを延々と考えている内に俺はいつの間にか眠りに着いた。



 次の日、俺達はオリヴァーさんと共に緊急クエストに向かった。ちなみに俺の悶々とした思いはエレナによってあっさりと却下された。


“もう……嬉しいけど、今はシャーロットさんのことを第一に考えてあげなきゃ!”


 思っていることを素直に話すとこんなふうにエレナに言われてしまった。


”それにお母さんを探すと決めた時に危険な目に遭うことは覚悟してるし“


 加えてエレナにそう言われると何だか俺の覚悟が不足していた気がしてきた。


(そう考えると、本当にエレナのお父さんは凄いな……)


 邪神に身と心を蝕まれながら、エレナを魔物から守り、さらには一人で旅が出来るようにエレナに力をつけさせたのだ。


(……アンドリューもそうだったな。俺に色んな経験をさせてくれた)


 俺がすべきなのはエレナを危険から遠ざけるのではなく、危険な場面を一緒に切り抜けることなのかも知れないな。


「ディラン、やっと吹っ切れたみたいだね」


 オーロラを連れてゴリドの森へ向かう道中、そんなことを考えていると、エレナがそう声をかけてきた。


「ああ。ありがとう、エレナ」


 俺達は旅をする仲間だ。仲間に対する気遣いは必要だが、信用することもまた大事だ。だって、俺達は互いに背中を預ける対等な存在なんだから。


「気持ちはわからないでもないが……あんまり気張るなよ、ディラン。とりあえずはオーロラを村まで送って情報収集するだけだからな」


「LVも上がったし大丈夫だよ、ディラン」


 LV……俺も上がってたっけ?


(ステータス、もう一度確認しておくか) 


 “ステータスの確認は冒険者の嗜み”ってオリヴァーさんからも教わったしな。


◆◆◆


エドワード Lv9(剣士Lv3)

力   18(+5)

防御  17(+5)

魔力  10

精神  11

素早さ 17


スキル

〈剣の道〉

〈ダブルスラッシュ〉

〈パリィ〉


◆◆◆


 やっぱりゴブリンと戦ったおかげでレベルが一上がっている。


(他には変化はなしか……)


 まあ、確実に強くなっているってのはいい情報だな……


エレナからのお願い:

 もう……ディランは変なとこで真面目なんだから。心配してくれるのは嬉しいけどね。

 いよいよ次話から緊急クエスト! ゴリドの森で一体何が起こってるのかが気になるけど、とにかくオーロラをちゃんと村に帰してあげないとね。私も頑張るから、もしブクマとかが未だの人はポチッとして応援してくれると嬉しいな。

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