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真夜中に……

 新しいスキルはどうやら〈ダブルシュート〉の熟練度が上がって覚えたスキルらしい。ちなみに説明文はこんな感じ。


◆◆◆


〈集中〉

 集中することで次の攻撃の命中率とクリティカル発生率を上げる。時間をかけるほど効果が上がる(上限は十秒)


◆◆◆


 溜めがいるスキルか。一人だと使いにくいけど今はエレナがいてくれるからな。使い方を考えてみよう。



 それから数日、俺達は午前中は門番と対戦して課題を見つけ、午後は個々に鍛錬して動きを改善、次の日の朝にはまた対戦して……という一日を繰り返した。おかげでスキルの習熟度やクラスレベルがかなり上がった。


◆◆◆


ディラン(エドワード) Lv1(レンジャーLv3)

力   9

防御  8

魔力  6

精神  7

素早さ 8(+10)


スキル

〈弓の道〉

〈ダブルシュート〉

〈集中〉

〈鑑定:素材〉new!


◆◆◆


 ちなみに剣士バージョンはこちら!


◆◆◆


ディラン(エドワード) Lv1(剣士Lv3)

力   9(+5)

防御  8(+5)

魔力  6

精神  7

素早さ 8


スキル

〈剣の道〉

〈ダブルスラッシュ〉

〈ヘビーエッジ〉new!

〈パリィ〉new!


◆◆◆


ちなみに新スキルの〈ヘビーエッジ〉は強力な一撃を与える攻撃系スキルで〈パリィ〉は相手の攻撃を弾くためのスキルだ。


(これなら明日はもう少し粘ってみてもいいかな)


 今は午後。一人で鍛錬しながら新スキルを組み入れた戦い方を試してみたのだが、結構良いところまで行けそうな気がする。


「ディラン、調子はどう?」

「悪くないな。新しいスキルもいい感じだ」


 ちなみに彼女も新スキルを覚えている。どんなスキルかというと……


「じゃあ、明日はいつもよりギリギリまで戦ってみない? 何かそろそろ門番を倒せそうな気がするんだよね」


 エレナもか!


「実は俺もそう思ってたところだ」


「良かった。じゃあ、組み手しよ! ディランの新スキルも見てみたいし」


「よし、やろう!」


 という訳で組み手を始めるとすぐに日が暮れだし、夜になった。


(後は寝るだけなんだけどな……)


 明日のことを考えると気が昂るというか、ワクワクするというか……


(初めてアンドリューから一本を取ることに燃えていた頃みたいだな)


 そんなことを思い出した途端、アンドリューやシャーロットのことが心配になってきた。


(駄目だ、駄目だ!) 


 俺は余計なことは考えずに出来ることをすると決めたんだ!


(“王族たるもの、焦らず驕らず着実に”、“王族たるもの、焦らず驕らず着実に”、“王族たるもの……)


 気持ちを落ち着かせるためにまるで呪文のように唱えていると、いつの間にか眠気が吹き飛んでしまった……


(……ちょっと散歩するか)


 俺は隣のテントで寝ているエレナを起こさないように気をつけながら外へ出た。考え事をしている内にうつらうつらしていたのか、時間はもう夜中をかなり回ってるっぽいな。


(しかし静かな森だよな。夜でも魔物が出ないなんて、まるで街中みた──)


 キン……


 ん? 何の音だ?


 キン! カン! ドサッ!


 誰かが……戦ってる?


(こんな時間に一体誰が……)


 俺はそっと音のする方へと向かう。しかし、一体誰が何と戦ってるというんだ? ここには俺とエレナ以外だれもいないはずなのに……


 キン! カン! ドサッ!


 なおも続く戦闘音……その現場を目の辺りにした俺は思わず声を上げた!


「なっ……」


 眼の前にいたのは、多数のゴブリンと門番。何とこの森の出口(俺達にとってはだが)から押し寄せて来るゴブリンを門番が手当たり次第に叩き潰しているのだ。


(一体何で……)


 同士討ち? いや、しかし何かが違う。上手く言葉には出来ないが。しかし、今はとにかく……


(助けないと!)


 自分達の道を塞いでいる門番を何故助けるのか……正直自分でもその理由が分からない。けど、ゴブリンの数はあまりに多く、門番は一体倒す間に数撃食らってしまう。それを見ていたら居ても立っても居られなくなったのだ。


「……〈集中〉」


 俺は腰から投擲用ダガーを取ると、スキルを発動した。〈集中〉は命中率を上げるスキル。門番の標的にならないために遠距離での援護しか出来ない。が、間違って門番に当たったら元もこもないからな。


「〈ダブルシュート〉!」


 小声でスキルを発動させ、投擲用ダガーを投げる。スキルで強化されたダガーは狙い通りゴブリンの頭に当たった。


(倒した……急所に当たったみたいだな)


 実はさっき使った〈集中〉は命中率に加えて、クリティカル率も上がるスキルなのだ。


 シュッ! バタ シュッ! バタ……


 クールタイムの間に移動しながら一体一体ゴブリンを仕留めていく。勿論、その間に門番もゴブリンを倒しているから、奴らの数はどんどん減り始めた。


(よし、後はあいつを……)


 門番の後ろにいるゴブリン。あいつで最後だ!


「〈集中〉」


 俺がスキルを発動した瞬間、突然門番が俺の方を向いた!


(しまった! 近づきすぎたか!?)

 


ディランの備忘録:

〈ヘビーエッジ〉

 強力な一撃を放つソードスキル。特別な追加効果はないが、クールタイムが短い割に攻撃力が高く、使いやすい。

*〈ダブルスラッシュ〉の熟練度が上がったことにより習得しています。


〈パリィ〉

 動体視力に加え、相手の攻撃を弾くための動きが強化されるソードスキル。熟練すると、相手の攻撃を予測することも出来る。クールタイムが短い。

*『剣士』のクラスレベル上昇により習得しています


ゴブリンの亡霊からの遺言:

 ギギ! ギキギッ! ギギギギ…… 

 ギギギギギ、ギギ! ギギッ!


(ゴブリン語のため要領を得ないが、ブクマをしていたら死なずに済んだかもと後悔しているようだ。そして、生きている私達に向けてブクマ&ポイントをポチッとすることを勧めると言っているように思える)

 



 

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― 新着の感想 ―
スキルも増えてきたエドワード。 発見したのは門番の戦闘でしたか。 彼の直感は何を暗示しているのか、門番とは何者かがわかるのでしょうか?
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