ママとのおやくそく
楽しい携帯ゲームは、子どもだって遊びたい。ママとのおやくそくはわかってるけど…やっぱり楽しすぎておやくそくを守れなくなっちゃうときもあるよね!
「ママ、ケータイでゲームしたい!」
ようちえんからかえってくると、すぐにケータイをほしがるのは4さいのとしきくん。
「ねぇ~ケータイ、ケータイ!」
「ケータイはよるごはんをたべてからでしょ!」
ママにおこられちゃった。
でも、はやくあそびたいとしきくんは…ママのケータイをこっそりもってきた。そして、ママとおなじようにばんごうをおしてみる…
「7…3…0…う~んと…これかなぁ…2…」
すると…。
「あ!やった。へへへ」
ケータイがつかえるようになった。いつもどおりにこっそりゲームをはじめようとすると…としきくんはケータイのなかにはいってしまった!
《あれあれ》
《ここはどこだ?》
《ママぁ~どこぉ~》
としきくんがなきそうになっていると、どこからかこえがきこえてきた。
【また、やくそくをまもらないこどもがまよいこんできたのかなー?】
《だれ?ママはどこ?》
【こどもがかってにケータイをひらくと、みんなこのゲームのなかにすいこまれるぞ~。さいごまでクリアしないとママのところへはもどれないぞ~】
《ママのところへいきたいよー。え~ん…》
【さぁ~ぼうけんのはじまりだ!】
としきくんは、なきながらあるきだした。すると…
【おれさまは、ジャンケンまんだ】
【おれさまは、ぱーをだす。おれさまにかつにはどれをだす?】
《えっと…えっと…チョキだ!》
としきくんはチョキをだした。
【せいかいだ!さきにすすめるぞ~】
《やった!》
としきくんはまたあるきだした。すると…
【わたしは、パズルちゃんで~す】
【こんどはパズルでしょうぶよ!】
パズルちゃんは、もっていたパズルを1つとしきくんにわたした。
《ぼくはパズル、とくいだもん!まけないぞ》
ヨーイドン!
ふたりは、まるやさんかくのパズルをはじめた。
《まるは…まるに。さんかくはここで…できた!》
【わたしのまけだわ~】
パズルちゃんはどこかへいってしまった。
《なんだかたのしくなってきた!》
としきくんはまたあるきだした。すると…
【わしはすごろくじぃだ!】
【わしとすごろくでしょうぶするぞ~】
《すごろく…こないだ、ねぇねとあそんだやつだ》
《ぼくはまけないぞ!》
【さきにゴールしたほうがかち。まけたらもうママのところへはいけんぞ~。いっひっひ…】
【わしからサイコロふるぞ~、それっ。6だぞ~】
《つぎはぼくのばん。それっ…あ、2かぁ》
【よし、それっ。3だぞ~】
ふたりはじゅんばんにすすんでいった。もうすぐゴールがみえてきた。
《ママにあいたい。ねぇねとあそびたい!それっ…》
【わしはあと3がでたらクリアじゃー。それっ】
《だめだめだめ…3だめーっ》
【2じゃ。あとすこしじゃ】
《ゴールするのは、ぼくだ!えいっ…6だ》
…1、2、3、4、5、ろくぅー!
《やったー!ゴールだぁ》
としきくんはりょうてをあげてよろこんだそのとき、ころんでしまった。
「いてっ」
りょうてがどこかにぶつかった。
「なにしてるの?とっくん」
ねぇねがきいてきた。そして、としきくんのケータイをみると…
「あー!ずるーい、ケータイであそんでるー」
すると、ママがかおをのぞきこんだ。
「こら!かってにゲームやったでしょう」
「よるごはんたべてからっておやくそくよ!」
「ごめんなさい…ママ」
「でもね、ぼくね、ゲームしてないの。ジャンケンとパズルとすごろくしかしてないよ!」
「なにいってるの?とっくん。ずっとケータイもってたじゃん」
ねぇねにいわれて、としきくんはゲームのなかにいってぼうけんしてたことをおもいだした。
「とっくん、ゆいちゃん。ふたりともそろそろごはんよー。てをあらってきてね」
「はぁーい」
ふたりは、てをあらいにいった。
(ぼく、いねむりしてたのかな…)
そうおもったとしきくんがてをみると…ころんだときのよごれがのこっていた。
(ま、いいか…ゴシゴシ…)
「ねぇね!ごはんたべたら、いっしょにすごろくやろうよ!」
「いいよ!」
「ママもいっしょだよ!」