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俺だけのスキル【ガチャ】が世界を救う  作者: 渡琉兎


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第44話:邂逅③

 恭介と石田たちの戦闘は激しい剣戟音を沼地に響き渡らせているが、モンスターの大移動のせいで竜胆には届いていなかった。


「はっ! 最初の攻撃だけで、今はそうでもないじゃないか!」

「ひ、ひひっ! 驚かせやがって!」


 取り巻きと石田の連携攻撃によって、恭介はやや劣勢の立場に追い込まれていた。


(最初の脅しで引いてくれればよかったんだけどな……さすがに、古傷が痛むか)


 恭介が本調子であれば、石田たちを相手にしても問題なく勝つことはできただろう。

 しかし、いまだ古傷が痛む中、さらに戦闘勘も現役だった頃から比べるとだいぶ劣っている。

 ギリギリのところで踏みとどまってはいるが、一瞬でも気を抜けば一気にやられてしまうだろうと恭介は考えていた。


(せめてあと一人だけでも倒すことができれば、古傷を庇いながらでも戦えるはずだ!)


 木魔法で飛んできた葉っぱを切り裂きながら、恭介は再びスキルを発動させた。


「また白い光が現れたぞ!」

「は、早く倒さなきゃ!」


 白い光が湯気のように現れた途端、石田たちは防御態勢を固めてしまう。

 恭介のスキル【戦意高揚】は冷静な判断力を僅かに失うものの、身体能力が大幅に上昇するというもの。

 とはいえ、あくまでも上昇するのは身体能力だけであって、肉体が上昇した身体能力の動きに耐えられるかどうかは本人次第だ。

 現状、古傷の膝が耐えられなくなってきており、無理をすれば上級ポーションでも治せなくなる可能性が高くなっていた。


「ふぅぅぅぅ……いくぞ」


 恭介がスキル発動時に出てしまう普段の言葉遣いとは異なり、強気なセリフと共に姿を消した。


「石田!」

「リーフトラップ!」


 周囲の枯れ葉に魔力を注ぎ込み、石田は接近してきた相手を攻撃するトラップ魔法を発動させた。

 どれだけ動きが早くても、接近しなければ攻撃はできない。そう考えてのトラップ魔法だったが、その動きを恭介は現役時代に培った戦闘知識で先読みしていた。


 ――ドドドドッ!


 一ヶ所めがけて殺到する葉っぱの刃。近くの地面や木に突き刺さっているが、そこに恭介の姿はない。


「おい! どうなってんだ!」

「た、確かに、そこで何かが動いたんだ!」

「じゃあなんでいないんだよ!」

「ぼ、ぼぼ、僕に聞くなよ!」


 いまだに姿が見えない恭介を警戒してか、石田たちはお互いに言い合いを始めてしまう。


「戦闘中によそ見とは、余裕だな」

「肉体硬――がはっ!?」


 取り巻きがスキルを発動させる前に、恭介の剣が胸を貫いた。

 躊躇いのない一撃に、取り巻きは吐血しながら地面に倒れる。


「ひ、ひいいいいっ!?」


 悲鳴をあげる石田だったが、自分たちがやってしまった行いの結果であり、恭介は慈悲を与えるつもりなど毛頭なかった。


「モンスターも厄介だが、最も厄介なのは人間……いいや、プレイヤーだからな」


 これが竜胆だったならためらいが出てしまったことだろう。モンスターを斬るのと人間を斬るのとでは、持つべき覚悟の質が変わってくるからだ。

 過去の経験からプレイヤー同士の争いを経験していた恭介だからこそ、一切の躊躇いもなく人間を相手に剣を振るえていた。


「こ、この、人殺し!」

「どの口が言っているのか分からないな」


 握る剣を鋭く振って血を払った恭介は、その剣先を石田に向ける。


「……石田君、どうしてこんなことをしたんだい?」


 この時点で恭介のスキルは解除されている。

 冷静な判断力が戻ってきており、口調も普段のものに戻っていた。


「ぼ、僕はお前が嫌いだ! さっきも言っただろう!」


 一方で石田は体を震わせながらも恭介の問い掛けに答えていく。


「僕のことを理解しているつもりなのか知らないけど、気安く話し掛けてくるな! 僕は、そんなお前が嫌いなんだ!」

「だけど私は君を一人にする方が寂しいのではないかと――」

「僕がいつ寂しいなんて言ったんだ! 僕は一人が好きなんだ、最初からほっといてくれれば、こんなことにならなかったんだよ!」


 恭介と石田では根本的な考え方が異なっている。

 どれだけお互いが言葉を重ねたとしても、行きつく先に同意を得る結果はあり得なかった。


「お前の考えを僕に押し付けるな! 僕は――お前が嫌いだああああっ!!」


 そう叫んだ石田は、自身の全魔力を使った強力な木魔法を発動させた。


「ウッドゴーレム! あいつを踏みつぶせええええっ!!」


 植物が絡み合ってできた巨大なウッドゴーレムが、恭介へ大きな拳を振り下ろしていく。


「石田君!」


 大きく飛び退いて回避したものの、恭介の表情は大きく歪む。


(くっ! ダメだ、これ以上動けば古傷が!)


 着地と同時に片膝を地面に付けた恭介を見て、石田はニヤリと笑う。


「な、なんだ、満身創痍じゃないか! ひひ、ひひひひっ! これで僕の、勝ちだああああっ!!」


 植物を伸ばし、鞭のようにしならせながら、離れた場所にいる恭介めがけてさらに強烈な拳が振り下ろされた。

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