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福岡県民、方言丸出しで異世界に行ったら、言葉が通じらんかった件。 〜騎士団長に溺愛されとるのはよかけど、なんでか方言で話すごつゆわれます〜  作者: 笛路 @書籍・コミカライズ進行中
第三章:福岡県民、子育てする。

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74:福岡県民、核心を突きたい。




 笑うロイにぷりぷりと小声で文句を言いつつ、お屋敷の玄関に向かった。

 入り口で家名を確認され、中に通された。

 大きな広間には既に五十人程の人たちがおり、思い思いに過ごしていた。


 出席者はかなり上の役職を得ている方々や騎士団関係者ばかりで、男性が多めだった。


「おほぉぅ。なかなかの著名なオジサマ方がお集まりぃ。ハゲしく(まばゆ)か。みんな油塗って磨いとるん?」

「ブフッ…………っ、カリナ! 小声で面白いことを言うな!」


 なんであんなにツヤツヤと光ってるんだろうか。ナニが、とは言わないが。


 ロイが肩を震わせながら歩いているが、沸点が低すぎやしないだろうか。挨拶時には吹き出すなよ? と注意しておいた。

 誰のせいだと怒られたけど、オジサマたちのせいだ。たぶん。




「カリナ、もう来ていましたの?」


 マルティーナの声が聞こえたので振り返ったら、吹き出すかと思った。

 マルティーナが左手でがっしりと副団長の手首を掴んで歩いてきている。歩いているというか引きずっているというかだけど。


「何してるの? マルティーナ」

「だって手を離すと逃げるんですもの」


 副団長は、完全に苦虫を噛み潰している顔だった。

 マルティーナは一切気にしていないが、これ大丈夫なんだろうか。


「マルティーナはこういうやつだ。人の話を何も聞かないし、配慮もしない」

「ロイは相変わらず厳しかねぇ」


 まぁ、マルティーナの自業自得だから別にいいけど。

 それよりも、副団長が気になる。

 嫌なら嫌とハッキリと言うし、来たくなかったら来ないタイプだ。

 国王陛下からの命令だとしても抜け道を必ず探すし、直談判しに行くくらいにはメンタルも強いし、話を聞いてもらえるほどに信頼も厚い。

 なのに、一緒にいるということは?


「副団長」

「なんですか?」

「素直になりーよ」

「…………なんのことです?」


 しらぁっとした顔で言われたけれど、眉間の皺が深まったので確定でいいと思う。


「副団長はさ、マル――――」

「やあ、皆さまお揃いで何やら楽しそうですな」


 副団長の核心ザクザクしてみようかと思っていたのに、眩いオジサマの一人に話しかけられてしまった。


 ――――チッ!




 真面目に社交しつつ、チラチラとマルティーナと副団長をガン見。

 流石に社交中はにこやかな対応をマルティーナにもしている。腰とか抱いちゃってるし。マルティーナは頬を染めていて可愛い。

 やっぱり間違いない! ……気がする!

 

「カリナ、なんでそんなにハンスを見つめている。俺だけを見てろ」


 耳元で、お腹の奥底がゾワゾワするほどの低い声で囁かれた。

 腰が砕けるかと思った。




次話は本日21時頃に投稿します。

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