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福岡県民、方言丸出しで異世界に行ったら、言葉が通じらんかった件。 〜騎士団長に溺愛されとるのはよかけど、なんでか方言で話すごつゆわれます〜  作者: 笛路 @書籍・コミカライズ進行中
第二章:福岡県民、異世界で結婚する。

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68/86

68:福岡県民、名前を決める。




 スポンと産まれた赤ちゃんは男の子だった。

 頭のてっぺんだけに生えたくりくり金髪と、これまたくりくりの空色の瞳。

 産まれたばかりの赤ちゃんで、まだまだ顔とかハッキリとしないはずなのに、なぜかロイにそっくりになりそうな予感。


 胎盤排出も無事終わり、満身創痍だけど興奮状態でもあり、何だかハイテンション。


「イケメン! うあー、かわいかぁ!」


 先程からドアがコンコンコンコンとうるさいが、私は息子を愛でたい。

 ぷにぷにのほっぺをツンツンしたりと忙しいのだ。


「カリナ様、そろそろロイ様を……」

「ん? あ、入れていいよー」


 エマちゃんが小走りでドアを開けに行くと、同時にロイが飛び込んできた。


「カリナ――――っ⁉ その子がっ?」

「男の子だったよー」

「っ! …………ありがとう」


 ロイがベッドサイドに膝を付き、王族に忠誠を誓うときのような最敬礼をした。

 ウルッとした瞳で見上げてくる。

 なんかちょっとエロい。


「ロイ、抱っこする?」

「あぁ、ぜひ!」


 息子をロイにそっと渡すと、危なげなく抱いた。

 そういえば、ハンス副団長のお世話とかもしてたって言っていた。何年経っても身についたままのスキルらしい。


「ロイ、これからいっぱい教えてね!」

「ん? あぁ、任せろ」


 なんと頼もしい旦那様だろうか。

 ハイスペックなイケメンだ。




 息子にお乳を与えつつ、名前の相談をしていたが、一向に決まらない。

 理由は、ロイがどうやっても私の名字も使いたいからとかいう、謎の拘りを言い出したから。

 顔を見てから決めようと言っていたけど、先に候補くらいは出しておけばよかった。


「やだよ! ミドルネームがタナカって、なんか変だって!」

「そうか? 『タナカ』って可愛い響きだが」


 可愛くない。何も、可愛くない。

 全国で五つの指に入れるほどに多い苗字である。

 可愛さなど欠片もない。

 

「やだ!」

「んむ…………エリアス」

「エリアス!」


 爽やかな男の子みたいなイメージのいい名前だ。


「気に入ったか?」

「うん!」


 やっとこさ決まった名前を、息子――エリアスに呼びかける。

 産まれたばかりで、分かるわけはないけれど、それでも名前を呼んでしまう。


 ――――いっぱい呼ぶからね。


 エリアスの頬にキスをすると、ロイも同じようにキスをした。

 二人、ゆっくりと共に歩んで、いい親になろう。

 エリアスが楽しく幸せに暮らせるように、いっぱい頑張ろうと誓った。

 



次話は、明日の朝8時頃に投稿します。

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― 新着の感想 ―
[一言] とても面白くて一気見しましたー 更新楽しみにしてますので頑張って下さいー
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