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福岡県民、方言丸出しで異世界に行ったら、言葉が通じらんかった件。 〜騎士団長に溺愛されとるのはよかけど、なんでか方言で話すごつゆわれます〜  作者: 笛路 @書籍・コミカライズ進行中
第二章:福岡県民、異世界で結婚する。

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60:福岡県民、脳天チョップする。

 



 マルティーナが副団長の秘書兼雑務として初勤務する日、私も騎士団に出てきていた。


「では、こちらはまとめて王室管理局に提出ですわね」

「ああ」

「承知しました」


 副団長に仕事の確認をしつつ真面目にこなしていた。

 やるじゃないかマルティーナ。


 それに対して、ロイはマルティーナと副団長の方をチラチラと見て、全く仕事になっていない。

 何回か脳天にチョップを入れたけれど、効果はないようだ。


「集中できんのなら、演習場で指導しといで!」

「っ……ハイ」


 ロイがしょんぼり顔で、横に置いていた剣を腰に下げて執務室を出て行った。


「さて、二人ともちょっと休憩しよう?」


 三人分の淹れたての紅茶と、家から持ってきたクッキーを接客用のテーブルに用意した。

 マルティーナに仕事は大丈夫そうかと聞くと、ドヤ顔でドヤドヤされたので、彼女のお皿のクッキーを一枚横取りして食べた。


「ちょっとぉ⁉」

「あ、ごめん。なんかイラッときて」

「返しなさいよっ!」


 食べたプレーンを返そうとしたら、チョコクッキーの方がいいと言われたので、チョコをあげると、ニコニコ笑顔になった。


「マルティーナってほんとチョロカワイイのにね?」

「同意ですが、コレがやらかすと負の波及効果が酷いので、ロイも気が気ではないのでしょう」

「なるほどぉ。地位だけはあるお嬢様特有のヤツね」

「あのぉ、わたくし横にいるのですが?」


 マルティーナが頬を膨らませてプリプリしていたが、今のディスられ方でプリプリだけで済んでるんだから凄い。

 メンタルが強いのか、鈍感なのか。

 副団長いわく、どっちもらしい。


「とりあえず、ロイに認めてもらえるように頑張ってね」

「そこは『妻の私がなんとかします』とかじゃありませんの?」

「えー? 自分で撒いた種でしょ?」

「そうですが…………」


 マルティーナまでしょんぼりしだしたので、チョコクッキーをもう一枚分けてあげた。

 これだけでまた笑顔になるのだから、ほんとチョロカワイイ。




 ロイと帰宅後、食事をしながらマルティーナの事を軽く話した。

 今日一日見て、どう思ったのか聞いてみると、思いのほかプラスの意見が出た。


「行儀見習いに出ていただけあって、仕事はしっかりと出来るようだし、他の隊員への態度も申し分なかった」

「だよね? 今までは確かに酷かったし、ムカつきもしたやろうけど、一緒に働いていけるよね?」

「………………………………ん」


 ――――返事が遅っ!


「その……カリナの場所が奪われていくなと…………嫌だったんだ」


 何だそれかわいい! 撫でたい! と思ったけれど、ロイはテーブルの向かい側に座っているので撫でられなかった。

 家でのマナーもきちんとしようと言ったやつどいつだ!

 ……私だけども。


 今日は、かわいいロイがいっぱい見られて、明日からの貴族の勉強も頑張れそうだ。




次話は、明日の朝7時に更新します。

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