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福岡県民、方言丸出しで異世界に行ったら、言葉が通じらんかった件。 〜騎士団長に溺愛されとるのはよかけど、なんでか方言で話すごつゆわれます〜  作者: 笛路 @書籍・コミカライズ進行中
第二章:福岡県民、異世界で結婚する。

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56:福岡県民、賛成する。




 マルティーナを雑用係として雇うことに関して、ケンカ?

 なぜに?


「アレと一緒に働きたくない」

「ポンコツだから?」


 見た感じ、たぶん、ポンコツ。


「一応、仕事は出来るのですよ。王城で行儀見習いもしていましたし」

「ほへー。知らなかった」


 行儀見習いは、あれだな。あれ……上級侍女とかで、王族に仕えたりしつつ、玉の輿狙いのやーつ。

 思ったことをポロリと零したら、ハッキリと言い過ぎだと怒られた。


「めんご!」


 しかしまぁ、仕事できる子ならいいじゃんよ? と思ったのだけれど、ロイ的にはやっぱり婚約者時代のあれやこれやがネックらしい。

 あと、未だに私たちの間を認めておらず、何かと邪魔してくるのも。  


「えー? でもアレはパフォーマンスだから、スルーでいいんじゃない?」

「パフォーマンス?」


 どうやら、ロイは気づいていなかったらしい。

 ロイが鈍感なのか、マルティーナの演技がとても上手いのか……。

 でも、私と副団長は気づいてるしなぁ。

 やっぱりロイが鈍感なパターンだろう。


「私は賛成だよ」

「私もマルティーナを推奨します」


 そこでふと気になった。

 なぜに副団長はマルティーナ推しなんだ? と。

 だって、あの子の扱い、わりと面倒そうにしているのに。


「何かをやらかした時、叱りやすいので。基本的に、命令しやすいですし」


 ドSな理由だった。

 さすが副団長!


「あぁ?」


 ものっそい睨まれた。




 新雑用係問題は二人にお任せして、私は屋敷に逃げ……げふんげふん。あれだ、進捗が気になるから、屋敷に戻ったのだ。


「おかえりなさいませ! ジャムの下準備、もうできてますよー」


 エマちゃんがとびきりの笑顔で迎えてくれた。ひしっと抱きついて癒やされた。

 手を洗って手伝えとか、苦しいとか、なんか色々言われたけどスルーで。


 タルトやフルーツサンドに使ったオレンジの皮を無駄にしないため、マーマレードを作ることにしたのだ。

 皮だけだと苦味が強くなりすぎて味気ないので、普通に果肉がついているオレンジも五玉使う。

 皮からワタを取ってもらったり、皮だけ煮沸してもらったり、細切りにしてもらったりと、下準備をお願いしていた。


「じゃあ、あとは重さを計って、砂糖はそれの半分よりちょい少なめくらいね」


 分量が雑だと言われたけど、それで覚えちゃっているものだから、なんとも言えない。

 砂糖を分割して入れたり、グツグツと煮込んだりで、水分がなくなったら完成。


 フルーツサンド作りで出たパンの耳をグラタン皿に敷き詰め、フレンチトーストに使うような卵液を作って流し込む。

 半日程度寝かせてから翌朝に焼いてもらってマーマレードと一緒に食べるのだ。


「ぬふふふ。大量大量。まだまだ余ってるねぇ」


 明日は何を作ろうかなぁと思いつつ、いちごをこそっとつまみ食いした。

 エマちゃんの口にも突っ込んで、共犯者作りは忘れずに。




次話は本日19時頃に投稿します。

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