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福岡県民、方言丸出しで異世界に行ったら、言葉が通じらんかった件。 〜騎士団長に溺愛されとるのはよかけど、なんでか方言で話すごつゆわれます〜  作者: 笛路 @書籍・コミカライズ進行中
第二章:福岡県民、異世界で結婚する。

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53:福岡県民、おねだりする。

 



 どうにかロイの膝上から抜け出し、馬車から飛び出した。

 執事のフランクさんにジロリと睨まれたが、ハネムーンということもあり、怒らないでいてくれた。

 後ろから不機嫌顔のロイが、のっそりと降りてくる。


「旦那様、頬が赤くなっておりますが?」

「…………蚊が止まっていたらしい」

「なるほど?」


 フランクさんはなんとなく納得していない顔だったが、やっぱりスルーしてくれた。


「お腹減った!」

「ん」


 スルリと横に来て、手を繋がれた。

 腕をぐねぐねと動かしても外れなかったので、諦めることにした。

 ゆったりと町中を歩き、レストランへと向かう。

 なーんか手が痛いのは気のせいにしとくとして、ビッタリとくっついてくるのは歩き辛い。

 

「ロイ、せからしかってば!」

「カリナのバカ」

「はいはい」


 ぷちぷち言うロイは可愛いのでよしよししたいが、身長が高すぎて届かない。


「むむっ……可愛くない」

「何がだ?」

「ロイの背が高すぎる」

「…………どうしようもないんだが?」


 それはそうなんだけどもね。

 繋いだ左手を少し持ち上げて、右手でロイの手を撫でたら重低音で「キスしたい」と呟かれた。

 スルーでいいと判断したので、スルー。




 のんびりとお昼を食べて、町中をウインドウショッピング。

 眺めるだけでも楽しい。

 特産品は果物類だった。

 とくにいちごが有名らしい。


「んむむーっ! 甘いぃ」

「どうですか奥様」


 奥様⁉ 奥様って身内以外から呼ばれるの、ちょっと違和感。


「ロイ、いっぱい買ってもい?」


 秘技、ロイの袖口ツンツン引張り、かーらーのー、上目遣い!


「っあ………………フランク、買い占めろ!」


 ――――おぉ、効果絶大!


 ロイがちょっと俯き加減になり、両手で顔を押さえていた。

 悶え苦しんでいるらしい。

 因みにフランクさんは笑顔で却下し、店員さんはションボリした。


「まぁ、カリナ様がお菓子など作ってくださるのであれば、五キロほどは購入しますが?」

「作る作る! みんなで食べよ?」

「では、店主、いちごを五キロお願い致します」

「ありがとー、フランクさん!」


 フランクさんにお礼を言っていたら、ロイが自分には言わないのか、フランクに笑顔を見せるなとか、なんかブチブチと呟いていた。

 これもスルーでいいと判断したので、スルー。




 この日は夕方近くまで果物の買い物というよりは、仕入れをした。

 屋敷に帰ったら、いっぱいお菓子を作ろう!




次話は明日のお昼頃に投稿します。

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