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福岡県民、方言丸出しで異世界に行ったら、言葉が通じらんかった件。 〜騎士団長に溺愛されとるのはよかけど、なんでか方言で話すごつゆわれます〜  作者: 笛路 @書籍・コミカライズ進行中
第二章:福岡県民、異世界で結婚する。

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48/86

48:福岡県民、ヤブをつつく。

 



 ボートに乗って、海の上をゆったり移動。

 私はゆったりだけど。

 ロイは、わりと忙しそうだ。

 腕と胸筋と腹筋と………………。


「筋肉まみれめ」


 自分の横腹と下腹の贅沢なお肉を思い出して、軽くイラッとしてしまった。


 二時間ほど海上を楽しんだあと、砂浜に戻り水分補給と軽食にサンドウィッチを食べた。

 到着したのがお昼を随分と過ぎていたので、既に夕日が沈みつつあった。


「きれいやねぇ。太陽はどこの世界でも太陽なんやかぁ」


 なんとなく思ったことをポソリと呟いただけだった。

 なのに、ロイがとても焦った顔をする。

 私が消えそうだと。


「消えんばってん?」

「ん。なんとなくな…………」


 すなはまに座り、後ろ抱きにされて、沈む夕陽を二人で眺め続けた。




 肌寒くなったのでホテルに帰った。

 レストランでは、お腹がはち切れそうなほど海産物を食べ、幸せいっぱいだ。

 お風呂はもちろん一人で入った。

 一人で入るお風呂は、控えめに言っても、最高である。


「新婚旅行じゃなかったか?」

「新婚旅行で毎夜致すと思うな!」

「――――⁉」


 ロイが、ここ一番の驚愕顔をしていたが、まさかの毎夜エロエロタイムになると思っていたのか?

 どんだけスタミナあるんだ。


「二時間くらい、ボート漕いでたよね?」

「ん。楽しかったなぁ。明日も行くか?」

「いくー! ……じゃなくて!」


 しんどいとか、腕が……とか、腰が……とかないのだろうか?

 え? ないの? すこぶる元気?

 …………すこぶる元気なのぉ。よかったですね。


「何故、そんなに残念そうなんだ」

「……き、きのせいやと思うよ!」


 本気で残念に思ったなんて言えない。

 あれだ、エロエロより、寄り添って他愛もない話をしながら眠る、心の距離を近付けたいのだ。

 ……半分ちょっとは。


 様々な思惑を誤魔化しつつ、しどろもどろに説明したら、ロイがありえないほど感動した。

 抱きしめられ、何度も何度も柔らかいキス。

 そして、愛の言葉の数々。


「んー、もう、しつこかってば…………」

「カリナが眠るまで囁やき続ける」

「ロイって、ストーカーの一歩手前な気がする」

「ストーカー?」


 どうやらこの世界には、ストーカーという概念もなかったらしい。

 ベッドの上で、なぜか、正座をさせられて説明と謝罪を繰り返した。

 そして、どういった被害があるのか、犯罪者の行動や事件はどんなことがあり、統計的に多いのは、罪状などはどうなるかなど、事細かに聞かれた。


 聞かれても罪状とかはよくわからないから、結構適当に言ったけど。

 ロイはとても満足そうだった。


「何が面白かったんね?」

「つきまとい行為はどの世界でも一緒なのだなぁとな。あとはカリナの世界での犯罪と罪などの重さを知ることは、こちらの世界の発展に役立つだろう?」


 ロイが驚くほどに真面目だった。

 なんか、色々とエロエロ大魔神扱いして申し訳なかった。


「カーリーナー?」


 思いっきり、口が滑った。

 驚くほどに、ヤブヘビだった。




次話は、明日のお昼頃に投稿します。

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