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福岡県民、方言丸出しで異世界に行ったら、言葉が通じらんかった件。 〜騎士団長に溺愛されとるのはよかけど、なんでか方言で話すごつゆわれます〜  作者: 笛路 @書籍・コミカライズ進行中
第二章:福岡県民、異世界で結婚する。

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45/86

45:福岡県民、驚く。




 湖畔の別荘でゆっくりと朝食を取り、ハネムーンの旅を再開した。


「おぉぉけつがぁぁぁ」

「んはは。膝に座るか?」

「すわらんっ!」


 馬車道が少し悪い場所で、ガタガタな振動によって尾てい骨に激しめの衝撃。


「いっ、あうっっっ、んあっ! もうっ! 腰に来るっ」

「……俺の腰に来た…………」


 ロイが軽々と私を持ち上げ、膝の上に乗せてしまった。

 ギュムムムムっと抱きついてくる。

 変態か。変態なのか。


「なんば考えとるとね?」

「いや、ちょっと、な?」


 『な?』とか、同意を求められても困るというものだ。が、しかし、ロイの膝上にいると、腰とお尻に来る衝撃が和らぎはした。

 不埒な動きをする手は、軽くスルーしておいてあげよう。




 大きな町に着き、レストランで昼食を取る。

 旅先では基本的に特産品を食べるようにしている。


「まだ内陸なのに、海産物が多いんやね」

「隣の領地が海に面してるからな。領主同士が仲がよく、取引が盛んなんだ」


 ほうほうと聞きながらブリッブリのエビを食べる。


「んーっ。こんなに肉厚なの、久しぶり食べた!」

「ん? カリナはエビが好きなのか?」

「うん! すっごいすき!」

「…………なるほど」


 ロイがなぜか俯き加減でニヤリと笑っていた。

 どう見ても顔が悪役なのだけれど、なんとなく触れてはいけない気がした。


「美味しいもの食べると、幸せやねえ」

「うむ。それは確かにな」

 

 にこにことニヤニヤとで見つめ合いながら、ゆっくりと豪華な海産物に舌鼓を打った。




 町中を少し散策して、ウインドウショッピングのつもりが、ロイに色々と買われつつ、今日宿泊するホテルへと向かった。


「ふぁぁ、楽しかった!」

「ん。熊に慌てるカリナ、可愛かった」

「うるさかよ!」


 どふりとベッドに身体を投げ出して、軽く休憩をしていると、ロイがお茶を入れながらクスクスと笑い出した。


 さっき立ち寄った蚤の市みたいなところで、熊使いがいたのだ。どうやらこちらでは普通らしく、みんな気にもしていなかったのだが、二メートル近い熊なんて、間近で見たことがなくて。

 ましてや重低音の鳴き声というか雄叫びというかなんて、聞いたこともなく………………見事に「ひぎゃっ!」と叫んでしまった。


 ロイは、隣でずっと笑っていた。

 なんだかムカついたので、脇腹にチョップしたのだが、私の指が痛いし、ロイは擽ったいと更に笑うしで、余計にモヤモヤだった。


「カリナ、ほら茶が入ったぞ」

「むー! ありがと」

「ん」


 出来る男は紅茶も淹れられるらしい。


「あぁぁ、おいしい! ロイが憎たらしい!」

「ぶふふふっ!」


 この日、部屋にはロイの笑い声がいつまでも響いていた。




遅くなりました。

次話は、本日21時頃に投稿します。

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