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福岡県民、方言丸出しで異世界に行ったら、言葉が通じらんかった件。 〜騎士団長に溺愛されとるのはよかけど、なんでか方言で話すごつゆわれます〜  作者: 笛路 @書籍・コミカライズ進行中
第二章:福岡県民、異世界で結婚する。

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39/86

39:福岡県民、令嬢を利用する。

 



 式のあとは、チャペル併設の庭園で立食パーティー。

 会場内をロイと練り歩き。

 なぜ、練り歩きか? それは、しずしずと歩かされているから。


「閣下、おめでとうございます」

「ああ。ありがとう」


 閣下って聞くとニヤニヤとしてしまうのは、日本人のサガ。仕方ない。


「若くて美しい奥様で、実に羨ましい」

「……ははは」

「まぁ! お褒めいただき、ありがとうございます」


 褒められた気はしないけども。

 とにかく、若いと褒められるが、それ以外言うことがないのだろうか。

 あれか、平面な顔立ちの呪いかな?


「ちょこんとした可愛らしい鼻、小さくてぷるんとした唇、黒くて艷やかな髪、どれをとっても魅力的だぞ?」


 練り歩きつつ、小声でプチプチと言っていたら、むちゅーっと頬にキスされた。

 辺りから黄色い歓声が飛んできた。

 ロイが甘々な姿が珍しいらしい。

 

 ――――いつも甘々なんやけどなぁ?


「しゅっ、出席してあげましたわよ! 感謝なさい!」


 ぽやーっと考え事をしていたら、ズザザザザッと派手派手しい女性が目の前に飛び出して来た。

 目に刺さるような鮮やかなオレンジ色のドレスを着たマルティーナ嬢。


「マルティーナ、ありがとー」


 雑に返事をしたら、更に照れてツンとそっぽを向いた。

 この子、完全にツンデレだ。

 だがしかし、この世界では『ツンデレ』という概念がないらしく、ただのドギツい性格の女性という扱いになるらしい。

 どんまい。


「マルティーナ、料理とかスイーツとかは食べた?」

「へ? 食べてませんが?」

「私の考えたものがいっぱいあるから食べてみてね」


 まぁ、『私が考えた』は語弊があるけど、たぶんバレないしいいだろう。というズルい考えのもと、知名度上げにマルティーナ嬢を利用してみる。

 この子、わりと影響力を持っている。


「そっ、そこまで言うなら、しかと味の批評をして差し上げますわ! 覚悟なさい!」


 マルティーナ嬢が立ち去り際に小声で「お二人の人生にとって最良のこの日を心よりお慶び申し上げます」と呟いた。


「真面目やねぇ」

「何しに来たんだろうな?」


 ――――いや、招待状出したからなんやけど?


 ロイ的には招待したくなかったらしい。が、私は友達のつもりなので、とりあえず送ってみた。たぶん来てくれるだろうなぁとは思っていた。


「つもりで、とりあえず、なのに友達なのか……」

「そこはあれ、特殊な関係なので」

「特殊な関係は、俺とだけ築けばいいと思うが?」


 今度は唇にねちっこいキス。

 マルティーナ嬢に嫉妬するロイ。

 ロイはやっぱり可愛らしい。


 先程よりも大きめの黄色い歓声を浴びながら、イジけているガタイも見た目も良い男の頭を撫で撫でしておいた。




次話は、本日21時頃に投稿します。



活動報告に、カリナ、ロイ、ハンスのイメージを投げています。気になられる方はちらっと覗いてみてね(*´ω`*)

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 最後のほう、ロイのことを「偉丈夫」って表現してあるけど、ここは「美丈夫」のほうが良いっちゃないかなーと。 偉丈夫って言葉は「体が大きく逞しい男」のことで、騎士団長だから間違っちゃおらん…
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