表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
福岡県民、方言丸出しで異世界に行ったら、言葉が通じらんかった件。 〜騎士団長に溺愛されとるのはよかけど、なんでか方言で話すごつゆわれます〜  作者: 笛路 @書籍・コミカライズ進行中
第一章:福岡県民、異世界へ行く。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

26/86

26:福岡県民、拝む。

 



 過去の大人な事情がバレた。

 団長は、私の首筋に顔を埋めて再起不能になっている。


「…………いやに、口づけが上手いと思った」

「そう?」


 上手いか下手かはよくわからない。まぁ、するの好きだけども。


「てか、団長の年で未経験って多いと?」

「うぐぅ…………」


 何かいけないボタンを強連打してしまったらしい。団長が息も絶え絶えになっている。


「話したくなかなら、無理に聞かんよ?」

「ん……いつか、勇気が出たら………………たぶん、話す」


 なかなか勇気は出ないらしい。


「あー…………仕事に行きたくない。ずっとこのまま抱きしめていたい」


 団長の本音ダダ漏れが面白くて、嬉しくて、クスクスと笑いながらも、早く着替えろと急かしておいた。




「何かの病気かと焦ったぞ」

「めんご」


 団長が渋々と動き出し、着替えると言ったので、ベッドに座ってそれをボーッと眺めていた。

 寝間着の上をバサリと脱いだ瞬間に首から胸元に現れた発赤。

 鏡を見て慌てふためく団長。

 勢い良く目を逸らす私。

 

 身体はとても素晴らしかった。

 ドンと張りのある雄っぱい、バキバキの腹筋と腹斜筋。

 拝むほどに美しかった。ごちそうさまでした。

 

「何してるんだ?」


 ベッドの上で正座していたら、団長に怪訝な顔をされた。


「いや、尊かなぁ、とね」

「皆こんなもんだぞ」

「えー? 副団長も⁉」


 思ったよりもワクワクとした声が出てしまっていたらしい。

 上半身裸のままの団長が、大きな歩幅で颯爽と近寄って来てた。


「俺の身体じゃ満足できないのか?」

「言い方っ!」


 ドフリとベッドに押し倒された。

 艶めかしく身体を触ってくる団長。

 不埒な手を必死に止めていたら、ムッとされてしまった。


「何故止める?」

「いや、朝やん」

「だから?」

「朝ご飯の席につかんと」

「ならば、煽るな」

「へぇい――――いたぁぁ!」


 首筋に顔を埋めてきたので、キスマークでも付けるんだろうと、そっと受け入れたのに。

 ガジリと噛まれた。

 絶対に歯型が付いたと思う。

 団長は楽しそうにクスクスと笑い、私の頬を撫でると、軽くキスしてきた。


「すまん」

「笑いながらゆっても、説得力がなか!」

「ふはははは! ん」


 何度も何度もバードキスをしては、微笑みながら「愛してる」と囁いてきた。

 何だか可愛いから許してやろう。




「おはようございます」


 予定よりかなり遅れて朝食の席に向かうと、既に義両親は食べ始めていた。

 

「おはよう。遅かったわねぇ、ローザリオ?」


 そういえば、名前の問題が残っていたなぁ、ということと、同室にした犯人はお前かぁ! と考えていたら、団長の地を這うような低い声が隣から聞こえてきた。


「その名で呼ばないでください。ニヤニヤとしないでください。もうちょっと思慮のある行動を願います」


 超絶不機嫌になってしまったようだ。

 空は昨日の雨が未だ続いており、室内もなんとなく薄暗かった。

 団長には、昨日の雷雨が戻って来てしまったらしい。




次話は、本日21時頃に投稿します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ