表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

9/18

第八話:人を見た目で判断するな


 始まりの町の隣の野原、そこには低級モンスターがよくわいている。

 そのスライムを狩るために、俺たち三人はやってきた。

 装備は、俺の短剣、ミルはリュックを持ち、そしてショコラは杖を持っている。


「ショコラは魔法が得意なのか?」

「いえ、全然ですよ」


 謙遜なのだろうか、真面目そうないい子だ。

 さて、歩いていると早速スライムを見つけた。


「よし、あのスライムを狩るぞ!」

「やります!」

「私はそこで見てるから頑張ってー」

「って、お前もなんかやれよ!!」


 ミルは、気づくとパラソルを開いて、その下で弁当と共にお茶していた。

 そのためのでかいリュックか。


「ミル、本当に大丈夫ですか?」

「あ、あぁあいつはここぞというとき担当なんだ。最終兵器的な」

「そうなんですね、とりあえずやっちゃいましょう!」


 スライムに向かって、短剣を構える。

 ショコラは杖をスライムに向けている。

 

「ロック、やらないんですか?」

「…………」


 やばい、足ががくがくしてる。

 そういえば、意気揚々と来たが、俺はモンスターと戦うことは試験を除けば初めてだ。

 スライム相手に震えてるとか、恥ずかしすぎる!


「よし、ショコラ、お前の実力を見せてくれ」

「……? わかりました、やりますよ!」


 ここは、それっぽく取り繕ってみた。

 後ろでミルが笑ってるのが腹立つ。

 

 ショコラは、杖を構え、そして体制をとる。

 いったいどんな魔法が見れるのか期待していると――――


「加速っ!!」


 ショコラがそういうと、足が少し早くなり、そして……


「おりゃあ!」


 杖でスライムをぶん殴った。

 文字通り、杖を鈍器として扱っているのだ。


「やりましたよ! 見ていましたか!」

「……お前、魔法使いじゃないのか?」

「……私は格闘家です」

「……」

「……」

「――――わかりづらすぎるだろ!! なんで杖持ってんだよ! なんで魔導士のローブ着てんだよ!!」

「いやー、魔法使いのほうがパーティに入りやすいかと思ってテヘペロ」

「テヘペロじゃねえよ!だまされたわ!」

「あ、解雇とかだめですからね! 終身雇用ですから! ちゃんと聞かなかったロックが悪いんですよ!」


 うーん、だけど正直俺も怒れる立場ではないことは確かだ。

 まあ、戦えるならそれでよし。そう思うとしよう。


「ぎ、ぎいやああああ!」

「ミル! どうした!」


 突如、後ろでお茶をしていたミルが悲鳴を上げる。

 急いでミルの元へ向かうと、何かから逃げ回っていた。


「スライムが! スライムが追ってくるぅうう!!」

「……」

「……あの、ミルは最終兵器なのでは?」

「うん……ほっとこうか」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ