第七話:こんだけやってやっとクエスト受けるらしい
めっちゃちょろかった。
一瞬で口説き落とした。
このちょろい少女、ショコラを連れて、俺はギルドまで向かった。
ミルに会わせる前に、ギルドでショコラとの契約へ向かった。
「お姉さん、パーティメンバー登録に来たぞ」
「はい……って、ロックさん。ついにメンバー増えるんですね」
「ああ、終身雇用で頼む」
「本気ですか? まあいいですけど」
受付のお姉さんが驚きの表情を見せる。
そりゃそうだ。俺のパーティに入るなんて、相当気が狂わない限りあり得ないだろう。それも終身雇用だ。
ショコラは俺のことを知らなそうだし、黙ってるのが吉だな。嬉しそうにサインしてるし。
「はい、これで正式に受け付けました」
「やりました!ロック、これからよろしくです!」
「ああ、それじゃもう一人のメンバーのとこへ行くぞ」
そういって、隣の酒場で飲んだくれているミルのもとへ向かう。
「ミル、新しい仲間連れてきたぞ」
「はぁ~、寝言は寝て言い――――ほんとなの!?」
ぐだぐだと酒を飲んでいたミルが、一瞬でシラフになる。そして、隣のショコラを隅々までなめるように見回す。
「ショコラだ、元勇者パーティだぞ。こっちはミル、パーティメンバーだ」
「よろしくです!」
「ちょ、本気なの!?」
「おいミル、ちょっとこっちこい」
そういって、ミルを離れたとこへ連れていく。
「いいか、ついにEランク以上の冒険者だ。それも、勇者パーティにいたくらいだから実力はあるだろう。そんな人材、捨てられるか。俺たちがFランって知ったら逃げだす可能性あるだろ」
「あんた、ほんっとそういうとこ最低ね」
そういってミルを言いくるめ、ショコラの元へ戻る。
「悪かったな、よしじゃあ早速クエスト受けに行くか!」
「もちろんです! なんのクエストを受けましょうか」
「そういや、ショコラってランクいくつなんだ?」
「私は、Dランクです」
「あー……俺たちと同じだな」
内心では罪悪感を覚えながらも、うそをつく。
Dならやっと、モンスター討伐のクエストも受けれるはずだ。
俺は、さっそくDランクのクエストを受注した。
スライム十体狩るだけの簡単な仕事だ。だが、報酬は5000バル。土木作業がばからしく思える。
「よし、それじゃ行くぞ!」
「「おぉー!」」
これからが、俺の冒険者生活の始まりだ!!