異世界救世主伝説~おにぎりおじさん篇~
送ったものの選ばれなかった作品です。
――曰く、そのおじさんに食べ物を求められれば、拒んではいけない。
――曰く、そのおじさんが食べ物をどう評価しようと、怒ってはいけない。
――曰く、そのおじさんを怒らせれば、その世界を救ってはもらえない。
数多くの異世界で語られる、謎の都市伝説ならぬ異界伝説【おにぎりおじさん】とはいったい何者なのか。
これまで多くの異世界を取材してきた那楼出版が、ついにその謎に迫る!!?
「え、ボクが誰かって? う~ん……来訪チートって感じの来訪者なのかなぁ? いやでも、チートなのは体質と、いろんな世界を渡れる能力、それとその世界での食費を手にできる程度の金運くらいで、他は別に大した能力は持ってないよ? 体力は元の世界のそれだし。え、体質部分を聞きたい? 実はボク、どの世界のどんな食べ物を食べても〝異世界病〟にはならないんだ。で、ボクはその能力を応用して、肉体の一部のみを、救いを求めている異世界人の肉体に変えて、その住民が食べても大丈夫な異世界の食べ物の探求を……あ、言い忘れていたけど、ボクは来訪させてくれた神様に、飢餓で苦しんでいる異世界の人が食べても大丈夫な、異世界の食べ物を探してくれって頼まれているんだ。そんでもって、大丈夫な食べ物を、飢餓で苦しんでいる世界に運んでいるってワケ。でも……今までいろんな食べ物を食べてきたけど……やっぱり元の世界のおにぎりが、一番だなぁ」
――那楼出版刊『異世界救世主伝説~おにぎりおじさん篇~』裏表紙に書かれたあらすじより