1/1
#0.プロローグ
わたしには大親友がいる。
小さい頃からの親友。
私は彼女に昔から嫉妬している。
彼女はなににおいても、完璧。
何が完璧って、美貌、性格、仕事も。
彼女は何もかも手に入れた天才とも言える
存在になってしまった。
小さい頃からの醜い嫉妬は
明らかに膨らんでいる。
それは小さな風船に少しずつ空気を入れるように。
大きくなっていく。
彼女は私のことをどう思っているのだろうか。
何事も語れる存在。
頼りになる親友、
果たしてそれとも…
わたしには心の中は読めない。
誰でも読めない。
読めるのならば、
真っ先に彼女の心を覗くだろう。
当たり前に育ちも好みも違うのに
何をそんなに嫉妬する必要があるのか。
でも、私はそんな彼女に嫉妬している。
私が彼女になれるのなら、
どんなに嬉しいものか。
今日もこの世に生まれたことをひどく
後悔する。