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最狂魔法剣士の創記伝  作者: 豚キムチ丼
第一章 退屈の終わり
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05話『正常?』

「お兄ちゃん、村燃えちゃってるよ〜?」

「言ってる場合か!村に戻るぞ!」


 なんて言っちまったが...どうする?

 ここから村まで約10〜15分ぐらいはかかる。


「クイナ村にお戻りになさるのでしたら、送りますよ。」

「...どうやって?」

「驚かないで下さいね?」


 エルゼはそう言うと、天に祈りを捧げるように手を合わせ、ブツブツと何かを唱え始めた。すると、エルゼの体は体長約10メートル程の白い鳥になり、頭には2つの角が生え、白いオーラを纏い始める。


「でっか」

「...綺麗、ペットにしたいなぁ」


 アリサ君? さっきから能天気すぎやしないか?


「さぁ、行きますよ」


 樹木のような足の趾で俺とアリサを鷲掴みにした後、クイナ村に向けて勢いよく飛び去って行く。

 ...流石に怖いんだが。


「お兄ちゃ〜ん!怖いよ〜!!!」

「風の音で聞こえねぇよ!!!」


 ーーあの場所から飛び去って30秒くらい経ったか?あっという間にクイナ村


「あ...ありが......と...な、エル...ゼ...」


 吐きそう...。


「はい!でも次は冒険者になってから挑戦しに来て下さいね?約束ですよ?」

「ああ、約束だーー」


 エルゼが、森に帰っていくのを見送った後、アリサの方を見る。「お...兄ちゃん、行こ......う...」と涙目で口を押さえていた。気分が悪いのだろう。まぁ無視するけど。


 改めて村の方を見てみると、俺はあることに気づいた。村が静かすぎるのだ...。ただの火事なら皆が大声をあげて騒いでるはず。なのに聞こえてくるのは、パチパチと燃え盛る炎の音だけ。


「どうする...か」

「取り敢えず、炎が収まるまで待とうよ」

「そうすっか」


 ...普通の人なら、こういう時どうするんだろうな。

 俺とアリサはこの村に思い出が無さすぎる。だからなのか。こんなに平常で、いられるのは。

 例え、この村が無くなろうが俺達は......あぁ、でも...メイは...どうなったんだろうか。死んだかな? それとも運良く助かったか。


 しばらく待っていると、炎の勢いも弱くなっていた。そろそろ良いだろう。


「行くぞアリサ」

「はぁ〜い」


 村に入ると、嗅ぎ慣れない異臭が漂ってくる。


「うっ!...なんだこの匂いは...!?」


 鼻が曲がりそうな異臭に思わず吐いてしまった。にも関わらずアリサは平然としている。「お兄ちゃん、大丈夫?」と言って来るぐらいだ。


「何だ...この臭いは......!?」


 煙のせいで、よく見えていなかったが、周りをよく見てみると、そこら中に人が倒れているのが見える。駆け寄って、「大丈夫か?」と話しかけようとした時。心臓が止まった様な感覚に襲われる。


 そいつは...首から上が無かった。

 肌は氷のように冷たく、首から滴り落ちた血は水溜りのように溜まっており、争った痕跡が無い。恐らく、森ですれ違った奴らの仕業で間違いない。


「...生きてる人を探すぞ」

「なんで?」

「ここで何があったか聞くためにだよ」


 取り敢えず、生き残っている人を探す。

 この村自体はどうでも良いが、ここで何があったのか...。それが気になる。


「探すなら教会からが良いんじゃないかな?立て籠もるなら最適でしょ?」

「なるほどな。んじゃ、教会から行くか」


 そういえば俺、教会に入ったことなかったな。

 まぁ、どうでも良いけど。仮に教会の中で敵意むき出しの奴が襲い掛かってきたら.........殺すしかないよな。包丁しかないけど。

 あんまやりたくないんだけれど...拷問ってやつも試してみたいし。まぁ、そんな奴が〝いるなら〟の話だけどな。

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