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第五章1   『routeM 4』

 翌日。

 約束の午後一時、郷ちゃんが来た。

 花音は友達と遊ぶ予定があるとのことで、お昼ご飯を食べたらすぐに出かけてしまった。どうせ郷ちゃんのことは覚えていないだろうからちょうどよかったのかもしれない。

 玄関のチャイムが鳴ると、待ち侘びたように母が出た。久しぶりに見る郷ちゃんがなつかしいのだろう、俺が玄関に行く頃には、うれしそうにおしゃべりしていた。

 今日の郷ちゃんは制服を着用している。校則に書いてあるからだろうな、と思っていると、いつも黒く長い髪を後ろでひとつにまとめている白いリボンが、切れているというか、傷んでいることに気がついた。どうせ、部活で矢の先にでも引っかけてしまったのだろう。

「まずは上がって」

 母が促して居間に行く。コタツに入って、お茶を出した。

 なつかしい、綺麗になった、大きくなった、背が伸びた、と母は郷ちゃんの成長を褒めた。しばらく三人で話していたが、おもむろに郷ちゃんが言った。

「わたしは、開の部屋が見たい」

「じゃあ、おやつでも用意するから、二人は部屋にいて」

「そうするのだ」

 にっと郷ちゃんが笑みを浮かべた。

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