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第四章3 『routeM 3』
家に帰ると、花音がおばあちゃんとテレビを観ていた。
そういえば言ってなかったかもしれないけど、うちにはおばあちゃんがいるのだ。おじいちゃんは俺が中学一年生のときに他界したので、現在は五人家族だ。
「お兄ちゃん、おかえり」
「ただいま」
おばあちゃんもいるし、お母さんがまだ帰ってなくても問題はなかったようだ。花音もおとなしくしていたみたいだし、俺もお風呂に入って休ませもらおう。
湯舟に浸かって、凪のことを考えた。
あいつは、本当に犯人ではないのかな……?
いや、いま考えても仕方ない。明日は郷ちゃんが久しぶりにうちに遊びに来るんだ。そのことだけ考えよう。