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君の鳴き声
聞こえる。
君の声がいつもの草原が真っ暗闇になって、
なにもかも分からなくて、
だけれど誰かの声が聞こえるんだ。
掠れそうなその声が、
泣き出す前の不穏な空気と共に、
僕の耳に入るんだ。
君はどうしてそう鳴くの。
僕は声を出そうとして、
あれ出せない…。
声が出なかった、なにもなにも出せなかった。
嘆きも歓喜もなにもかも、
自分で自分によって出せなかった。
そこで気づいたんだ。
この声は自分だったんだって、
なにも言えず、なにも得られない
哀れんでいたのは自分で、
哀れまれていたのはこれまた自分で、
そのときはじめて滑稽と言う意味を知った。