それでも幼女は美しい。
もうそろそろ、設定資料集いりますかね?
モモと約束してから、俺は忙しくなった。まあ、暇だったからいいけどね。
本来なら英梨菜には一切関係を持たないようにしたが、本人が
「昔にずっと怯えてたらだめ。私はもっと強くなりたいんだ。」
そう言って一緒に花いっぱいの庭作りを始めた。
そしてやっと芽がで始めて、一部は蕾にまでなっていた。
その度にモモはキラキラした目で育てていく姿は微笑ましくこちらも優しい気持ちになれた。
「あともうちょっとだな。」
「…はい。」
なにやら元気がないようだ。疲れているのかフラフラしているし顔色もよろしくない。
「大丈夫?水やりやっとくよ?」
「大丈夫です。やらせてください。」
元気に振舞っているがその姿は余計に心配させた。
俺はジョウロを持ち隅の方から水を与え、何分かたったころ。
バタン。
?今なんの音?
「おーい。モモちゃん?今なんの音かな?」
シーン。
おい、返事こないんだけど。
「モモちゃんー?」
シーン。
急いで反対側まで向かうとそこには。
「モモちゃん!」
モモは地面で寝ていた…。
・・・
・・・
・・・
「痴女先生ーー!!」
「だれが痴女だ!だれが!」
モモを抱え急いで保健室のドアを開け放つ。
「だってこの前襲ってきたじゃないですか。」
「なによ。少し男に飢えていただけじゃない。」
「あ、やっぱ痴女ですね。わかります。」
「おいこら、犯すぞ。」
この先生。長いストレートロングの紺色の髪の毛、そして女優さんと匹敵する容姿を持つ先生。未華は保健室の女の先生。同時に痴女だ。
「そんなことよりモモちゃんが!」
「あ、モモちゃん?」
先生はジーと俺に抱えられているモモちゃんをみて、なぜか儚げな目をした。
「そうか…。ついにやってしまったか…。いつかやると思ってたんだ。」
「ちげーよ!誘拐じゃねーよ!急に倒れたから運んだんだよ!」
「とかいって、運んで来る際にボディータッチは済ませたのだろう?」
「ふ!当然!」
あ…。墓穴掘った。
「すいません。警察ですか?いまー」
「やめてーーーー!!」
そんなこんなで事情説明。
「つまり、君はロリコンってわけだな。」
「いや、どこからその結論に至った。」
「だって小学生の為に無償で働いていたわけだろう?」
「そうですけど…。ロリコンじゃないです。」
うん。ここ大事。
「まあ、それで。モモちゃんは大丈夫なんですか?」
そう。こんな痴女なんてどうでもいい。幼女心配。
「今失礼なこと考えなかったか?」
「いや、考えてねっす。」
「本当かー?嘘なら犯すぞ。」
「すんません!考えました!」
俺は童貞を貫く。これはもう決定だ。
「そ、そんな即答するなよ。ないちゃうぞ。」
声は震えポタポタと涙を流す。
ちくしょー。可愛いじゃねーか。
「ぐす!こんな美人に迫られて一体なにが不服なのだね。」
なんとか涙を堪える先生。不服。不服ねー。正直ない。自分で美人だとか言っていたけどそれも本当だし、いつも下ネタ飛ばしてるけど本当は誰よりも生徒のことを心配する優しい先生。俺も昔からお世話になったのだし。だが。
「前も言ったかもしれませんが俺は誰も愛すことができません。」
これだけは代われそうにない。
先生は真面目な顔に戻り悲しそうな顔で俺をみる。
「君は…。まだあのときのことをー。」
「やめてください。そんなのじゃないです。」
先生の言葉を遮り少し強く言ってしまった。いかんな。感情的になりすぎた。
「そうだな。すまない。話を戻そう。」
先生は手元にあった缶コーヒーを口にいれる。
「モモはそうだね。あの子は元々体力がないのだよ。君の話を聞く限り、この子はかなり無茶をしたようだね。」
無茶。確かに一生懸命だったが一つ疑問がある。なぜ体調に異変を起こすまで庭に花をいっぱいにしようとしたのか。
「いままでの疲れが溜まり倒れてしまったんだろう。」
よかった。病気とかじゃないらしい。それだけで俺は胸をなでおろした。とても安心した。
「そろそろモモちゃんも起きるだろうから隣にいてあげます。一人じゃ不安でしょう。」
奏は椅子から腰をあげ扉を開いた。
「君がいつまでもあのことを思っているなら、いつになってもいい。だが決して逃げるな。辛いことをいうかもしれんが現実はいつも非情だ。大丈夫。君にはきっと君を見てくれる人が現れる。本当の意味でね。」
その言葉を最後に奏は扉をしめた。
「よっす。」
「 英梨菜か。どうした。」
「ん?モモちゃんが倒れたと聞いて駆けつけたんだよ。」
トコトコ歩く奏の隣に英梨菜は自然に肩を並べた。
保健室はあくまでも先生から病代を聞くところであり患者はその隣の部屋で寝かされる。
そして奏は扉を開けると夕日に照らされるモモの寝顔を見た。なんかとても美しい。
感想はそんなものだ。
モモが寝るベッドの隣に椅子を持ってきて座る。
そう。幼女は美しい。汚れを知らないその姿を見るだけで眩しく感じる。
もう、「それでも幼女は美しい。」とかアニメやってもおかしくない。
奏はモモの顔を見ているとモモはうっすらと目を開けた。
「あれ?変態さんですか?ってここは…。は!!」
辺りを見合わせた後にパッチリと目を開ける。
「み、水やり!」
「いや、やっといたから落ち着け。」
・・・
・・・
・・・
「少し取り乱しました。」
少しねー。
「それで、変態さんと乙咲さんはどうしてここに?」
俺、あくまでも変態さんなんだな。
「どうしたって。そりゃーモモちゃんが倒れちゃったから。」
「それは、ご迷惑をおかけしました。」
ぺこり。礼儀正しいな。
だが、子供の頃からこれは良くない。甘えることを知らないのだろうか?
「でも、ダメだよー。体調崩すまで頑張っちゃ。自分の体が第一だからね。」
メ!と英梨菜は注意する。
「それにしても、なんで体調崩すまで頑張ったんだ?確かに庭をお花でいっぱいにするのは素敵だが、英梨菜のいったとうり体が大事だぞ?」
これがずっと気になっていた。
質問するとモモは気まず気に口を開く。
「い、言わなきゃダメですか?」
「無理にとは言わないけど教えてくれると嬉しい。」
「そだね。教えてほしいな。」
モモちゃんは恥ずかしそうに語りだす。
「そうですね。流石にここまで手伝ってもらって事情を説明しないのは申し訳ないですから。」
コホンと咳払いをする。
「実は私にはお姉ちゃんがいるのですが、体が生まれつき弱くて入院を繰り返してるのです。お姉ちゃんはいつも一人なのに私の前ではいつも笑ってくれました。入院が続いてるのでお姉ちゃんに友達はいません。だから私が毎日お見舞いに行っていました。寂しくないように。
それでも本当に笑ってくれないお姉ちゃんに自分が悔しくなり怒ってしまったんです。それから気まずくなって謝ることができませんでした。
だから私は成績を積んで私の庭をもらって、お姉ちゃんが本当の笑顔になれる場所を作ろうとしていたんです。」
それをおとなしく聞いていた二人は。
「「ああもう!可愛いなー!!」」
ついつい、二人でモモに抱きついた。なにこの子?いい子すぎだろ。姉の為に成績を残して頑張ってくれていたのだから。
「ふぇ?へ?ちょ!恥ずかしいです!やめてください!」
顔を真っ赤にして体を引き離すモモが可愛いかった。
でもこれで、モモが如何に真剣なのか伝わった。ならば。
「絶対に。絶対に庭を完成させような。」
その言葉にまた顔を赤くして。
「はいです。」
美しく笑った。
・・・
・・・
・・・
それからは俺は本当に働きまくった。全ては美しい姉妹のため。
その結果なんとか庭は完成したのだ。
そして今日はモモのお姉さんがくる当日なのだ。
「お姉ちゃん!!」
モモはお姉さんに抱きついていく。
「モモ。怒ってないの?」
抱きついてきたモモの頭を優しくなでている姉の姿はモモによく似てとても美しい女性だ。女性といっても中学生くらいだろうが、とても大人びている。
「お姉ちゃん。あのときはごめんなさい。今日はお姉ちゃんに仲直りの印に見てもらいたいものがあるんだ。目隠ししてね。」
「本当に寂しい思いをさせてごめんなさい。」
「もう。本当に大丈夫だから。目瞑って。」
「うん。」
目を瞑ってゆっくりモモに先導される。
「いいよ!お姉ちゃん!」
姉はゆっくりと目を開いた。
「まあ!!」
そこには花の楽園。美しい花の世界が待っていた。一面に咲き乱れる花たちは二人の姉妹を歓迎するように揺れていた。
姉は目を見開き感激している。
「…お姉ちゃんはさ。いつも私に笑顔をくれるけど、そういう気は使わずにね?本当の顔で笑ってほしいな。」
モジモジして言うモモの姿はあまりにも可愛いらしく写真に収めたがったが、もう俺の仕事は終わりだ。徹夜でもう眠い。よし寝よう。目をこすりながら日向ぼっこへと向かった。
「ありがとう。モモ。いつも心配かけてごめんね?」
姉はモモに抱きつき笑顔で微笑む。
この姉妹は世界で一番美しく見えたのだった。
・・・
・・・
・・・
俺はゆっくりと目を開ける。
もう夕方になっていたのか。
「おきましたね。」
半開きの目をを向けた。そこにはモモの顔がすぐあった。というか真上にあった。
ん?あれ?俺枕持参したっけ?ってかこんなに気持ちいい枕あんの?
そう思ったがそれは膝枕だった。
「うお!」
インパクトが強すぎて跳ね起きる。
まだよく状況が理解できていないが。
「ありがとうございました。」
頬を染め口を開く。
「おかげさまで姉と楽しく過ごせたですよ。」
「そうか。まあよかったな。」
「はい。」
沈黙。え?どうしよう?俺から会話繋げないとダメだよね?
「それで、あの、お礼がしたいのですけど…。」
先に口を開いたのはモモだ。
「お礼だなんていらないよ。姉妹が仲良くできたんだから。」
「い、いえ!私一人じゃどうしようもできませんでした。だからお礼させてください。」
礼儀正しいなー。もっと子供っぽくていいのではないか?
「でも、俺はなにもいらないから、そっちで決めていいよ。」
「ふぇ!わ、わかりました…。」
チュ。
へ?
「こ、これが今私のできる最大限のお礼です。」
モモもそうだが俺も顔は真っ赤に違いない。っていかんいかん。相手は小学生だ。なにトキメイてんだ俺。俺は紳士。決してロリコンなどではない。
だがなぜか?とてもドキドキしている。
「これからも。仲良くしてください。」
あのときの様に素敵な向日葵のような笑顔を向けた。
・・・
・・・
・・・
その後。
モモと仲良くなり、よく庭に来る様になった。そのときにはメルもグミも一緒でみんなでお昼を一緒にするのが日課だ。もうこの三人は最強の幼女コンビだなと確信している。
だが今回は授業中抜け出してきて一人でモモの庭がある洋風建物の中に入っていた。もちろんモモからも了承済みで鍵をもらっている。
今日やってきたのは理由がある。
「これか。」
洋風の建物の中にあった古いクローゼット。
この建物には白い机と椅子そして隅にはこの建物には似合わない異様なクローゼットがあったのだが、なぜかこのクローゼットには良いものを感じない。
クローゼットを動かそうと思ったが全く動かない。中にはなにも無いというのに。
まるで固定されているような。そこで一つヒラメいた。
クローゼットの中から壁越しにおもいっきり蹴飛ばす。
「お。ビンゴ。」
なかには道が続いおり進むとそこには小さな部屋があったそこには。
solitude princess
壁に殴り書きしたようにこの文字が掘られていた。
やはり。この学校にはなにかある。この学校はどこか、気持ち悪い。
そう確信したのだった。
モモちゃん終了。
疲れたです。昨日は寝落ちしてしまい更新が遅れて申し訳ありません。