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第三次異世界大戦  作者: ヴァーリ
世界騒乱編
9/46

P7 同時刻 露国

冬のシベリア、モスクワの名所である赤の広場では、世にも残忍な行為が行われようとしていた。


広場の中央に建てられた十字架には、何人もの人々が磔にされている。中には、成人にも満たない子供や老人の姿も見える。


そんな残虐な行為をしたのは、異世界の国ポトス王国の義勇兵たちである。正規兵が本国防衛のため少数しかいないのに対し、異世界の国を倒そうと集まった農民や平民が集まって義勇兵となった。ポトス王国のロシアに派兵された戦力の8割は民兵である。


「我々は悪の国家に対して宣戦を布告した!」


そう言うのは、何百と言う異世界人たちの視線の上に立つ男、自称天才の軍師クラカエルだ。彼は数百騎のみの騎兵だけで広場を制圧、彼らいわく悪の国家の民衆、ロシア国民を磔に処した。


「我々は正義の味方!悪の国家に味方するならこうして神罰を下す!」


十字架の脇に控えていた槍兵が、磔にされている人々の脇腹を槍で突く。人々は苦痛と悲鳴をあげて息絶える。


異世界人たちが歓喜する中、それを見る複数の人影がいた。


「同志デュミトレよ、一般市民を奇襲ごときで倒したぐらいで、奴ら完全に勝ったと思ってやがる」


「そうだな同志ヴァレリ。今なら最高のタイミングで奴らを殺し尽くせるぞ同志諸君!」


フードを脱いだ2人のロシア人は、銃剣を付けたAKを持ち、後ろにいた数百の人々は農具や武器を持っていた。


「軍が助けに来るにはまだ時間がいる!俺たちで奴らを倒すぞ!」


「うるぁ!!!」


物陰から飛び出した反抗軍は、デュミトレとヴァレリを先頭に赤の広場へ突入する。2人はAKを撃ちまくり、歓喜する異世界人たちは突然の攻撃に大騒動となる。


「Die!(死ねぇ)」


異世界人の喉元に銃剣を突き刺す。そして、とどめの一発として頭に小銃をぶっ放す。赤の広場はロシア人とポトス人達が全面衝突し、文字通り乱闘となった。


「貴様、何者だ!?」


「ただのロシア人さ、あんたが殺したあの中に、俺の娘がいる。死ぬか?」


「面白い!なら一騎打ちでもしてやろう!」


馬から降りたクラカエルは、金髪の髪をサラッと撫で下ろし、短刀を抜き取る。それを見ていたヴァレリはAKの銃剣を取り外す。


「スペツナズで鍛えた剣さばきを見せてやる」


銃剣を逆手に構えたヴァレリは、身を低くしてクラカエルに殴りかかる。そして、間髪入れずにクラカエルの喉に銃剣を刺す。


「大したことなかったな同志ヴァレリ」


「家柄だけでこうなったのだろう……どうやら助けが来たようだぞ同志デュミトレ」


彼らの上空をロシア空軍のMi-24が何機も飛んでくる。ロシアもアメリカ同様、自国に侵攻した報いとして異世界に侵攻することを発表した。

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