P4 ターミナルでの死闘
渋谷駅奪還作戦は始まり、陸上自衛隊は駅の奪還を9割終了させることに成功した。
「なぜだ!なぜこうも簡単に蛮族ごときにやられるんだ!?」
帝国異世界派遣軍の指揮官は焦っていた。彼はこの世界の科学力に驚かされながらも、街を一つ占領できた。しかし、異世界軍である自衛隊の反撃を受け、拠点としている渋谷駅の保持が難しくなった。
「彼らは見たことがない武器を使っています。重装歩兵の鎧を貫く武器を使われているのが苦戦の原因かと……」
「そんなことはどうでもいい!!お前たちには帝国魂がないのか!?」
その時、上空を爆音と共に空自のF-15Jが飛び去った。F-15Jは飛行していたドラゴンにミサイルを発射して撃墜すると、次の獲物に向けて飛び去った。
「ッ!?ドラゴンまで殺られた!?」
「亜人部隊に通達、ディアウルフ部隊は敵の本陣に突撃しろ」
「なっ!?幾ら何でもそれでは無駄死にです!」
「亜人など幾ら死んでも構わん!命令だ!」
「了解しました。魔道通信開け」
帝国軍本隊から突撃命令を受けたのは、亜人と呼ばれる亜種な人間たちだった。亜人とは、人と姿は似ているが何か違う特徴を持った者たちのことである。獣人や魚人、竜人などの総称である。
「本隊から命令が下された。我々に突撃命令がでた」
狼人部隊の指揮官はため息をつく。彼らは狼人の中でも特に上位の種族であるディアウルフで、他の狼人に比べて凄まじい戦闘力を誇る。
彼らは好き望んで帝国軍に加わったわけではない。祖国が蹂躙され、家族や仲間を人質にされた。
「やるしかない、祖国の命運が俺たちの手に掛かってるんだ」
「それ以外の選択肢は……ないのか?」
「反逆したと知られれば、即行で同胞が殺される。ならば……異世界軍に勝って無事に戻ろうじゃないか!」
指揮官であるディアウルフの声に呼応して、ディアウルフたちが雄叫びを上げる。そして、陸上自衛隊が陣を張る渋谷駅へと向かった。
「何だあれは?」
渋谷駅ロータリーのMGバンカーに配置していた陸自隊員が、駅に向けて突撃してくる異形の集団を見つけた。
「敵襲!!12時方向から敵多数接近!」
「撃ち方はじめ!」
隊員たちが手持ちの銃の引き金を引く。しかし、何人かには当たったが、ほとんどは銃弾を器用に躱している。そして、白のたてがみが特徴的な異形の生物、ディアウルフが陸自隊員たちに襲いかかる。
「ギャア!?」
「防衛戦を突破された!近接攻撃に備えろ!」
「噛まれた!お、俺の腕が!?」
ディアウルフたちは銃弾を受けながらも、陸自隊員の喉元に噛みつき、四肢を引きちぎり、鉤爪で切り裂いて行く。
「行け!敵の本陣へ!」
ディアウルフたちは陸自のロータリー防衛戦を突破しようとするが、突如投げ込まれたあるものによって倒れ伏せる。
「ば、爆弾だと!?」
投げ込まれたのは陸上自衛隊で採用されているM26手榴弾であった。爆発した手榴弾は破片を撒き散らし、ディアウルフたちの体を引きちぎる。
「ッ!?ここまでか……」
指揮官のディアウルフは破片を体に食らい倒れる。白い体毛が自分の血で赤く染まっていた。
「この犬っころめ、殺しまくりやがって……」
彼の目の前に、緑の斑迷彩服を着た陸自隊員が立つ。そして89式小銃の銃床で殴られたディアウルフは、視界をブラックアウトさせる。
こんな駄作を評価してくださった皆様、ありがとうございました。