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四重奏カタルシス  作者: 竜矢 崎森
第壱章 四人の探索者
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プロローグ

新プロローグです。


4月の頃の自分の未熟さが痛く分かりました(泣)

◎プロローグ


7月15日 朝


夏の暑さがまだまだ厳しい日の朝、一件の家から慌ただしい叫び声が響いた。


「やっばい、遅刻だ~!」


ドタドタと転げ落ちていくように少女は家の階段を降りていた。


彼女の名前は時雨(しぐれ) 飛鳥(あすか)、近所の学校に通う、ごくごく普通の女子高校生だ。

歳は16歳、体型はちんまりとしていて、まだ幼い部分はたくさんあるが、明るくて活発的なところがある。

頭に付けている白い小さなリボンはお気に入りのもので、いつも身に付けている。 それが彼女のチャームポイントでもあったりする。


そんな彼女が大慌てで玄関を飛び出そうとした時、リビングの方から声が聞こえた。


「飛鳥~、そんなに慌ててどうしたの? まだ登校時間には早すぎると思うけど?」


と、声の主はリビングのドアからひょっこりと顔を出していた。 それに飛鳥は驚いた表情を作り、尋ねた。


「あれ、お姉ちゃん? どしてまだ家にいるの? もう学校に行く時間になってるよ?」


お姉ちゃんと呼ばれている人物は時雨(しぐれ) 弥生(やよい)、飛鳥より一歳年上の姉だ。

体格は飛鳥と比べ、平均的で性格は物静かな方だ。


「なに言ってんの? まだ朝の7時になったばっかだよ。 寝ぼけてるの?」


飛鳥の質問に弥生は呆れた顔をして答えた。 すると飛鳥は首をブンブンと振り、寝ぼけている訳じゃないと訴えた。


「違うよ~。 飛鳥の部屋の時計は確かに8時をお知らせしてくれたんだよ」


弥生は一瞬、自分が間違ってるのではと不安に思い、テレビを見たがその時計は確かに7時を示していた。

少しの間、二人は首を傾げていたが、ふと弥生が昨夜の事を思いだす。


「そう言えば、アンタ昨日、朝寝坊しないために何か良いアイデアが思い付いたとか言ってなかったっけ?」


「あっ、そう言えば言った気がする」


飛鳥はポンと手を打ち、昨日の自分のすんばらしいアイデアを掘り返していた。


「そうだ! 寝る前に自分の部屋の時計を少し弄ったんだっけ」


「へぇ、また何でそんなことを?」


眉をつり上げ、興味深そうに尋ねる弥生に飛鳥は得意気に語った。


「昨日、ふと思ったんだ。 飛鳥にはちょっと危機能力が無さすぎるのでは? と。 それで少し緊張感のある生活を送ろうと考えた」


「それはまた飛鳥さんも成長したもので……」


話のオチが見えたのか弥生は棒読み口調で応える。 そんな弥生の反応など知らずに飛鳥は飄々と話を続けていた。


「それで考えに考え付いた策が名付けて『時計の時間を少しだけ早めてやろう作戦』なのだ~!」


もう聞くのに飽きたのか弥生はさっさと結論を述べた。


「つまり言えば、それを実行したのはいいものの、アンタは寝ぼけていたから時間を一気に進め過ぎちゃったって事でしょ」


「アッタリィ~♪ 流石お姉ちゃん!」


これが普段の飛鳥の姿である。 そのハイテンションぷりは、今日も弥生の体力を奪っていくのだった。 とりあえずその疲れを感じさせないために弥生はポジティブシンキングに切り替えた。


「はぁ…… まっ、それはそれで今日は遅刻することが絶対に無くなったから良しとしますか。 じゃあもう少しでご飯出来るからそれまでテレビでも見てな」


「はーい」


そう言い、弥生はキッチンの方へ向かい、飛鳥も鞄を置いてリビングへ向かった。


時雨家は飛鳥と弥生の子ども二人と母親の三人家族だ。 父親は飛鳥が生まれた直後に他界してしまい、母親が女手一つで二人を育ててきた。

母親は基本、家にはあまり帰らず、仕事場で寝食共にしているが月に2、3回家に戻ってきたりする。

そのため家事は姉妹で協力する……はずだったのだが、飛鳥があまりにも出来なさすぎたため、常に弥生が行っていた。


飛鳥はテレビのチャンネルを回しながら、料理中の弥生に話しかけた。


「最近のニュースって何処もかしくもみんな『あの事件』で取り上げられてるよね。連続誘拐事件……」


「そりゃあ、一昨日また近辺で事件が起きたんだしねぇ…… 本当に世の中物騒になったものよね……」


飛鳥達が住まうこの夜雲町(やくもちょう)ではここ数ヵ月不穏な事件が起きていた。 それがこの『連続誘拐事件』である。


何故、このような事件が起こったのか発端は誰にも分かっておらず、犯人も単独犯か複数犯なのかすらも分かっていない。

被害者は性別、年齢問わず様々な人が狙われている。 被害にあった人達は未だ行方が知れておらず、近隣の住人達はずっと不安を胸に抱えていた。

警察の方も全力で犯人と被害者の捜索を行っているが、未だ芳しい成果は挙がっていない。

だが、そんな謎に包まれている事件にも幾つかの噂が立っていた。


「ねぇ、お姉ちゃん。 やっぱり、今回の事件も……」


飛鳥の言葉を弥生はピシャリと遮る。


「言うんじゃない。 『それ』はこの町では言ってはいけないタブーよ」


弥生の威圧的な視線に飛鳥はただ黙っていることしか出来なかった。


「分かった?」


「う、うん……」


そう飛鳥が答えると弥生は険しい表情からいつもの柔らかな表情にもどった。


「さっ、そろそろご飯にしようか」


「そうだね」


そうして、二人はテレビのニュースを見ながら朝食を済ませた。 その後、食器を二人で協力して終わらせ(ちなみに飛鳥は食器運び)、互いに他愛のない話をしながら家を出た。




その時、彼女達は知らなかった。 この事件が二人の運命を大きく左右するものになろうことなど…………

どうも、初めましての方は初めまして。前から読んでいただいている方はお(ひさ)です。竜崎です。


いや~、四重奏カタルシスの冒頭を見てたらあまりにも文章の書き方がヘッタクソで泣けてきたので改めて修正を入れました(笑)


そして、チョイとこれからは新エピソードも追加していきます。ただし、現在の物語に影響することはない話です。(少しずつ変更していきますが)


それと、私の友人某Cさんに『お前の物語と似ている奴、見たことがあるぞ』と言われました(泣)


まぁ、それも今回の修正の理由の一つです。


それでは、次回第一章 新一話前編で会いましょう!

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