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第1章

⎯⎯高校デビューとは

誰しもがなんとなく成功していっている、所謂入学式でアピール出るか否か…と言ったところだろう。

だがしかし、俺のような田舎からでてきた且つ若干根暗で、人見知りな俗にいう陰キャな奴には厳しいものがある。もちろん、俺、要藍も成功したとは言い難い。それでもまだ一日が終わっただけだ。心配することは無い…と信じたい。中学でもそれなりに恋愛も人間関係もやってきたし、大丈夫だ、と言い聞かせる。

さあ、俺の高校ライフどうなることか…


入学式翌日。田舎からでてきた俺にとって、1-5とは信じ難いクラス数であるが、最後尾から一個前の席に座り鞄から最近買ったラノベを取り出し、しおりをはさんだページを開いた。中学の頃から自他ともに認める文学少年だったので学校ではラノベを永遠と読んでいた。しばらくすると後ろの席の女子─桐谷朱夏が教室に入ってきた。彼女は容姿端麗で俺の好みな感じ…髪を靡かせ華麗に入ってくる姿はまさにモテ女…

もちろん挨拶とかもするはずなく、読んでた行に目を移した。

まあ何時になっても関わりはないんだろうな…

え、そんな事ないだろって?

バカ言わないでくれ。あったところで困るんだよ…

そんなことを考えていたら後ろから紙をめくる音が聞こえてきた。


(本読んでんのか…?)


どんな本を読んでいるのか気になった俺は、離席するフリをして覗くことにした。すると文豪を象徴してるかのような難しい本を読んでいた。机の上にはその他にも俺の読んだことあるラノベや、20巻ほど続くような本もあった。それも全て恋愛系で、なんか…いいな、と思った自分がいた。


(うわ、スーパー文豪ネキじゃん…)


その本のオーラに怯えながらも、もう一度席に座り直すと、後ろから肩を叩かれた。心臓が飛び上がり、止まりかけたが、何とか耐え後ろを振り返った。

「ねぇ、なんの本読んでるの?」

久しぶりに女性の声を聞き、焦っているところ、彼女は続けた。

「え、その本!?私も読んだことある!!」

美少女な見た目とは裏腹に、興奮した様子であった。

「うん…もしかして君もラノベ好き?」

「うーん、まぁラノベに限らないけど本はなんでも好きだねー!君も?」

「まあ、文学少年と呼ばれたくらいには…」

変な自慢を交えオドオドしながら喋っていた。さらに彼女のテンションについていけず心臓が高鳴る。春休み明けで人と話してないと俺はこうもなってしまうのか…と気恥ずかしくなった。やっと落ち着いてきた心臓を撫で下ろしつつ、ふいに本を読んでいる彼女を見た。いや、見つめていた…のかもしてない。急に彼女が顔を上げたので咄嗟に目を逸らした。

「そー言えばさ、君、文学同好会?的なのには興味ある?」

「まぁそれなりには…」

ダイヤモンドのような瞳を輝かせ、こちらを覗いてきたので目を合わせられなくなるもしれっと答えた。

するとすかさず、

「ほんとに!?いやー1人だとなかなか入りづらくて…友達と行けたらなって思ってたの!」

俺は"友達"と言われ驚き、つい言ってしまった。

「友達…?俺が?」

カタコトのロボットのような喋り方になり、しまった、と心で後悔するも、直ぐに彼女は口を開いた。

「え?友達じゃなかった?」

「…」

俯き首を傾げる。

「じゃあ今友達になればいいじゃん!」

と太陽のような笑顔で手を差し伸べてきた。

「私は桐谷朱夏。よろしくね!」

「…要、藍です。よろしく」

彼女の眩しい笑顔に圧倒され詰まりながらも返答した。


(あーあ。フラグ回収早すぎるって…)


なんて思った。


(桐谷朱夏…かわいい。いいかも…)


と本音がダダ漏れた胸を押さえた。


しばらくして朝のHRが始まってもさっきの笑顔が頭から離れない。朝とは全く気持ちが違うことが分かる、まだ胸が高鳴っている、俺は周りに聞こえていないか心配で仕方なかった。

───俺はどうやら太陽のような彼女に惹かれてしまっていたようだ。



──「高校デビュー成功…かもな」

人物紹介


・要 (かなめらん)

・桐谷 朱夏(きりたにしゅか)

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