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第9話 1年3組の初陣

いよいよ始まるスキル調査。


 和真や竜平など友人と言える人が周りにいなかったため、なるべく目立たない隅のほうで立ちつくしていたら、入り口の方が何やら騒がしくなっていた。


「なにあの可愛い子!あんな子分校にいた!?」


「バーカ。制服を見ろよ。俺たちと色が違う。本校の連中、紅桜高校だ」


 確か分校の制服は赤色で本校は分校より濃い赤色と桃色によって彩色されていて、桜の校章が胸元に刺繍されている制服とホームページに書いてあったな。


「あの集団が本校の奴らか、それにしても顔面偏差値の高すぎね?というかあの女の子はなんなんだよ!可愛いすぎじゃね!?」


男子生徒が指した先にいるその女の子は李亜とはまた違った種類の美少女だ。


 艶のある長く赤い髪を中央でまとめて左右に分けている。簡単に言えばツインテールだ。


「おい、貴様」


 黒髪ポニーテールの髪型をした背の高い女性が指した男に向かってその眼光だけで殺せそうな目で睨んでいる。


「お、俺!?」


 先ほど指を指した男が本校の女子生徒に指を指し返されている。


「先ほど美桜様に指を指したな?」

 

「ここに在らせられるのは日本三大名家がひとつ、紅葉家の直系にしてあの剣帝、紅葉武蔵様の妹君、紅葉美桜さまであるぞ!お前のような分校の分際で指をさすとは!無礼極まりないぞ!」

 

「紅葉家!?」


「日本が誇る三大勢力の一つじゃねえか!」


「しかも剣帝の血筋かよ」


「貴様。今すぐ自らの武器で自決し死んで詫びるがいい」


「え、いや‥‥俺は」


 男は顔を青くし、腰を抜かしてしまっている。


「貴様が自決しないので有れば私が」


「やめなさい!」


「み、美桜様!?」


 喝の入った声で従者らしき黒髪を、美桜様と敬称で呼ばれた女子生徒が制止した。


「紅葉家であるとか分校であるとかそれ以前に私たちは同じ生徒。共に勉学を学び、武を競いあう。そこに優劣はあれど、身分に差がある高校とは認識してないし、そんな学校を私は知らない。」

 

「この子が迷惑をかけてしまいごめんなさい。貴方もここで試験を受けるのよね?共に切磋琢磨し、頑張りましょ」


 その子は男の前に歩み寄り、男に手を差し伸べた。

 

「貴方も謝りなさい。沙織」


 赤髪の美少女は沙織という女子生徒を睨みつけると、行動を促した。


「すまなかった。謝罪を受け入れて欲しい」


「い、いやそんな、とんでもないです!」


 紅葉美桜、覚えておくか。いずれは戦うにせよ。今、1年3組と相対されたら俺以外の全員で挑んでも確実に敗北させられるだろうな。

 俺は強さを見なくても。沙織という女子も含めあの取り巻きに絶対に負ける気はしない、があいつは別格だな。

 涼太は自らの「スキル」を使い、紅葉美桜を強敵と見做していた。


「ではこれより、Aグループのスキル調査を開始する。この体育館を二つの区画に分け、試合を行ってもらう。尚舞台にはハーフエネルギーエリアを展開してあるため、絶対に死ぬことはない。今までの成果を十分に発揮して戦うといい。」

 

 ハーフエネルギーエリア?一体どんなスキルだ?いや、見たほうが早いな。


 先生はポケットから手のひらサイズの正方形の機械を取り出すと、そこから青い光が天井に差し込んだ。

 その光は四つの光に分裂し、体育館の四角に照準を落として行った。


 結界?ハーフエネルギー‥そうか。ハーフエネルギーとは文字通り半分の体力の意。つまりこの中にいれば自分の体力がこの中では半分に制限されるってことか。

 それで半分の体力しか使われないから死ぬことがない。佐賀が言っていたことはこれのことだったのか。


「ではまず、A区画に赤木高校1年2組田中舞、紅桜高校1年1組柳空乃。B区画に赤木高校1年4組納谷宗弥、紅桜高校1年4組美空楓」


 俺は1番近くのA区画の試合を見ることにした。

 

 これから初めて見るスキルの戦闘。胸が高鳴って

しょうがないな。

 まるで前に異世界に転生した時に初めて魔法を見た時と同じものを感じる。


「双方、構え!———————試合開始!」


一瞬の静寂の後に発せられる勇ましい声、それと同時に分校の女子生徒がスキルを発動した。


「はぁっ!!!」


分校の女子生徒は手のひらから三日月の形をした風の刃を解き放つ。


 しかし俺は本校と分校の圧倒的なまでの差を目の当たりにした。


 本校の生徒はハエを手で払うようにして技をかき消した。


「へ、うそ」


「そんなスキルじゃ、私を倒せないっつの!」


 そういうと同時に本校の女子生徒は瞬間移動

したかのように分校の女子生徒の後ろに周り、首を手刀で叩いた。


「勝者!紅桜高校 1年1組 柳 空!」


 俺は石ころと銅像を分校と本校に表した和真のことを思い出していた。


あの表現は間違い何一つないものだったと深く実感していた。



 

   


 

 

 


 







 

 

 


  



























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