異世界と現実、過去と今が交錯する前代未聞の物語が幕を開く
諸君。転生と言われたらどんなことを想像するだろうか?最強能力?ハーレム?又は性転換だったり、スライムに転生していたりと頭に浮かんでいるのはないだろうか。
そう!それこそ異世界転生!今までにない常識を覆す日々、まさしくファンタジー!
しかし折角異世界に転生したのにまた現実に転生してしまったらどうなるか。諸君は知っているだろうか。
これは、そんな不幸な運命と波乱万丈な人生を巡るとある青年の物語である。
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まだ目を開けていないから分からないが、ここはどこだ?カツカツと軽快な音に、鼻にスンとくる木の匂い。ここは森か?
「おい」
森にしては全く木々のざわめきも鳥の鳴き声の一つ聞こえない。という事は違うのか?
「涼太」
一体ここは‥‥
「名簿番号30番三矢涼太!」
「はい!」
不意に自身の名をフルネームで呼ばれたため、つい潔い返事を返してしまった。
「ったくまた昼寝か?いい加減にしろよ」
周りには寝ていた自分を嘲笑する者たちが、寝ぼけ眼ながらうっすらと見えた。
「まだ一年とは言え腑抜けすぎだぞ。しっかりな」
「はい!すみませんでした‥‥‥じゃねえよ!!
なんで戻ってんの!?」
「おい涼太、お前なんだその態度」
「あ、いや、その」
「放課後、生徒指導室に来い、いいな」
「は、はい」
俺は涼太。三矢涼太だ。職業は冒険者で3人の仲間と一緒に順風満帆な日常を送っていた。
討伐モンスターのクエストがあれば狩りに、街にモンスターが襲来してきたら狩り、下衆な者たちに懸賞金が懸かってはその者たちを狩りと、狩り狩り狩り狩りと狩りばかりしていたらいつのまにかマスターハンター《無限に狩るもの》と呼ばれそこらの盗賊やモンスターたちにはすっごい嫌な顔をされるまでになった。
え?何厨二病拗らしてるんだって?冷たい事言わないでくれ、全部本当の話なんだ。
そんな他愛のない日常を過ごしてきた俺だがとある大事件の濡れ衣を着せられ、無期懲役の判決をくらった。
そして俺は悟った。こんな永久監獄の人生を過ごすのならもういっそ違う異世界に転生してやる!!
そして気がつくと俺は転生していた‥‥いや、気がつくとじゃないな。かなり祈ってたな。うん。
そして!
うん!転生はした!したけどー。これはー違う!ん?なぜって?だって諸君。転生だよ?
転生ときたら魔法が使えたり、能力があったりするじゃない?実際そうだったしね。
でもな、こうしてイスに座って中年じじいの説教を
聞いては頭をぺこぺこする。こんな無駄な時間を
過ごすために俺は転生したわけじゃ。
「聞いてんのか!?」
「ハ、ハイ!!」
俺をきつーい目で見つめてくるこの大層えっらそうなじじいの説教は何時になったら終わるんだ?という気持ちを悟られたのか、かなりでかい怒号を浴びさせられて1時間。
ようやく俺は解放されたのだ。
「はぁーやっと終わった‥あのじじい話なげーし、臭せぇーしめんどいわ〜まぁーでも”教師にじゃねえよ!”なんて言えばそりゃキレるわな」
先ほどの自分の発言にほんの少しだけ反省をしつつ周りを見渡した。
「さてとそんじゃどうするか。とりあえずここは日本‥でいいんだよな?‥はぁ」
異世界とは全く違った景色が、俺の周りに広がっているの見て、俺は軽く失望する。
「なんで戻るかなー?どっちかっていうとあっちの
系統の世界の方が楽しかったなー」
あんな”思い”するくらいなら。
「とりま今することは寝泊まりするとこと食料の確保だな。金〜金〜あった!」
そう言っていつもポケットに入れてる金貨を数枚手にもつ。
「ひーふーみー3万か。こんくらい有れば寝泊まりするところは確保できるし食べ物もーーーー」
あれ?そういえばこの金ここで使えるか?そもそもこの金の単位日本と一緒で円じゃないから、、、
「おっと‥?」
マジでやば、待て落ち着け、確か換金する店があるからそこでーーー無理だなというかそもそもこの金の単位はこの現実世界においてどこにも存在しないからできないわ
「さーてと、どうしますか!」
俺はこの絶望的な状況に開き直るしかなかった。
「寝る場所ーなし!食べ物ーなし!」
「え?おい?は?えーーと、うん!詰み!こんなことあるか!?転生したら普通あるよな?持ってるよな?最強装備とかスキルとか!これだから現実はダメだわ!現実世界には楽して何かを手に入れるという魔法やスキルが存在しないから現在の日本は&;?$£>£~$|€#%£%]>\ €~€~$|€~!.>$\」
こうして、三矢涼太の転生したら現実世界でホームレス学生だった件の始まり始まりである。
「始まってたまるか!!!!!!」