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ショタが(男の娘も)好き。  作者: 鳴実 僧吉
10/10

女装とバスケと期待

 今は、5:30ってすごい早起きだな。

 なんかめっちゃいい目覚めだし、久しぶりに近くの汚い川の近くにでも散歩に行こうかな〜。ボールも持って行ってゴールがある公園寄って遊んで帰ってくる…良さそうだな。

 とりあえず服着替えていくか。ボール片手に5:30に散歩だなんてとってもVlogぽくていいじゃん。

 この早朝だとまだ太陽が上がりきってないなあ…まあ気にしなくてもいいか。そう思って家出たら想像以上に寒くてちょっとびっくりしたぜ…でもこれしきのことで外出るのを躊躇うのは敗北感あるし気にせず行こうかな!!上着一枚だけ追加で着て準備ばっちり。

 まだ春とはいえ太陽が出てないとこんなに冷えるんだな…まるで希望が無くなって絶望しかない時の魔法の世界の空みたいに空が真っ黒だ。隣で人が光るヒビを走らせながら倒れてても違和感ないよな。

 でもこれぐらいのときのちょっと朝日が滲みだす空が1番気持ちがうるうるしてすこなんだよなあ。

 こんだけ色々考えて時間たってもまだ太陽ちょっとしか顔出してないし、でも歩き続けてたからもうそろそろ公園着きそうだな〜今歩いてる川沿いの河川敷も朝日出てきたらeye of tig○r流しながらランニングしたくなるぐらい興奮しそうだ。

 そんなん考えてたらもう公園が見えてきた。持ってきたボールで遊ぶの久々だなあと思っていたら、公園には先客がいた。もともとこの公園はコンクリートの地面になってるバスケの半面コートと遊具が置いてある砂場が一緒にあることでたくさんの人が遊んでいたから早朝にしか静かに遊べなかった。だから散歩ついでに遊びにきたのだが、どうやら今現在大体朝の6時前に黙々とドリブルをつく人がいた。所々ミスったりボールが飛んでいっても表情ひとつ変えずただ前を見て、時折シュートを打ったり休憩したり、とにかく見てて目を奪われる練習風景だった。

 なんとなくその人から一番遠いベンチに腰掛け、ただずっと見ていた。身長があまり高いわけでもなく、シュートだって全部入ってるわけではないしドリブルがマジシャンのように自由自在に手に吸い付くぐらい上手いってわけでもない。ただバスケをあんまりしない僕でもわかるほどに練習へ真っ直ぐと向き合っていた。それはまるで練習の鬼と言われた"ブラック・マンバ"ことKobe B○an Bry○ntのようだった。

 1人で勝手に思い耽っていたら、休憩中のまるでKobeさんと目が合った。これで4,5回目だ。僕と目が合う度に僕の持っているバスケットボールに少し目を移し、すぐにまた練習しだす。

 もしかしたら僕がバスケットボールを持っていながらコートを使わないことを気にしてくれてるのかな?

 僕の勝手な思い込みかもしれないが、これだけこっちをチラ見して何も言わないんだからきっとコートに行っても怒られることなんかないだろ。

 ずっと座りっぱなしで固くなってた体を軽くほぐしてからコートに入る。ドリブルとか、シュートとか、とりあえず動画で見たことある動きを思い出しながら頑張ってしようとしても若干わかるけど傍目から見たら初心者の猿真似なんだよな…まあやってる分には見た目以上に楽しいからいいんだけど。

 そういえばまるでKobeさんがさっきからコート使ってないのが引っ掛かってるんだよなあ、さっきっていうか僕が使い始めてからだしより一層気になる…

 さっきまでまるでKobeさんがいたベンチのところを見たらなんかカメラっぽいものをいじってるしさっきの練習風景とか撮ってたのかな?だとすれば僕ってまあまあ邪魔になってるのかもしれん…まあなんか言ってきたりはないから大丈夫かな。

 しかし久しぶりにこんなにバスケっぽいバスケする気がする、最近は運動も痩せるダンスと友達と一緒に行ったスポーツセンターぐらいだし、バスケに関してはもう動画しか見てないしなあ。ぐだぐだな動きでもバスケは楽しいものって身をもって実感できる。

 何よりただ暑くて汗をかくより明らかに運動してかいた汗の方がいい汗だと思えるし、実際そうだろうから運動はやめられない。唯一運動の欠点を挙げるとしたら場所選びかな?こんな感じで遊べるところが最近は特に減ってきてるってよく言われてるし、場所選びというか選べる場所すらないって感じだな。せめて周りに家のない公園ができて欲しいと思ってるのは僕だけじゃないはず。まあその代わりじゃないけど屋内の運動できる場所、スポーツセンターとかが増えたのはある。でも屋内だとお金かかるし何より

「ねえねえ君ちょっといい?」

 …?咄嗟に振り返ってしまったけど声の主は誰かはすぐにわかる。さっきのまるでKobeさんだ。知らない大人の人に外で一対一で話しかけられることなんてなかったからちょっと怖いけど、返事をしない方が怖い。

「え?はい」

「いやさっきからなんか見たことある動きしてるからさ、君ってNBAって結構見てるの?」

「まあ2,3年前ぐらいから…」

「おおー!やっぱり!いやーなんか見覚えのある動きがたくさんだったから声かけちゃったよ。」

「そうなんですか」

「そうだよ!今何年生?」

「今新中1です。」

「へーじゃあ部活とかもう決めたの?やっぱりバスケ部?」

「そうですね、男バスに入ると思います。」

「いいねーバスケは楽しいからいいんじゃない?あとはまあ、友達も増えるし。それより好きな選手っているの?」

「好きな選手は…Derrick R○seとか、Vince C○rterとかですかね。」

「へえー!ロマン溢れるねえ。」

「お兄さんはKobe B○yantとか好きなんですか?」

「うーんそうだなあ、憧れてる人で言うとそうだけど、好きな選手はAIかなあ。あの自由奔放なところが好きなんだよね。」

「AIもロマンありますね。」

「いやあこんなに近場にNBA語れる人がいるとは思わなかったよ。たまには公園のコートにも来るもんだね。」

「お兄さんは公園にはあまり来ないんですか?」

「いや僕の家からだと同じくらいの距離にもう一つコートがあってね、そっちに結構行ってるんだ。ここは川沿いの近くで散歩する人とかここ使う子供とかがいてこっちよりもう一つの方がしやすいんだ。動画も撮るしね。」

「動画撮るって、練習見返してフォームをチェックとかするんですか?」

「それもあるけどもう一つはネットにあげるために、かな。」

「ネット?てことはSNSしてるんですか?」

「してるよー意外とフォロワーいるんだよこれが。なんなら今教えてあげようか?」

「ほんとですか、知りたいです」

「ちょっと待ってね、スマホとってくるから」

 お兄さんがスマホをとりに行った。ちょっと流れが早すぎて考える隙もなかったけど、全然いい人でよかったー。あんな初対面の人に話せる人がいたのがびっくりしたけど、NBAが好きで良かった。

「待たせたねーこれだよ僕のアカウント。」

「これ…お兄さん前テレビ出てました?」

「おーよく知ってるね。もしかして僕のファンだったりする?」

「ファン…いやぁまあ」

「冗談だよーもしファンだったらきっと会った時に僕のことわかるし。」

「そうですよね、僕前にテレビで見た時に印象が強くて名前が抜けたままだったんですよ。」

「一目見てイメージだけでも今の今まで覚えてもらってるなんて嬉しいよ。」

「いやだってかっこよくてあんなに可愛い人中々忘れることないですよ。」

「褒められると照れちゃうでしょー。」

「というか僕はアカウントを見ないと分からないほどの変わり様がびっくりしました。」

「あーそれは化粧と努力の結晶だよ。自分でもあれは凄いって思ってる。そりゃ他人になりすませるメイクがあっても驚かないよ。」

「でも最近はあまり女装がなくて自主練メインなんですね。」

「それにはまあ理由があってねえ、長くなるから端的に言うと、君って仮面○イダーって見る?」

「平成のものなら大体わかります。」

「なら大丈夫だ。例えるならば、僕はある日突然力関係が崩れて変身を続けられなくなったダ○ルみたいに、『あれ?あんまり似合ってなくない?』とか『なんか違うけどわからないなあ。』とかいろいろな違和感とおかしさを確実に感じていたんだ。ここら辺の投稿が大体その時のやつだね。」

「でもお兄さんこの時も変わらず可愛いじゃないですか。」

「これを言ったみんなにはそう言われるんだけど、だからこそ怖くなったんだよね。ほら、みんなから見ると変わんないのに僕からは違和感しかないなんてなんか怖くない?」

「それは…確かにゾッとしそうですね。」

「まあそんなこんなで今じゃバスケとたまに過去の写真とほんっとにこれで行けるって思った写真だけ撮ってあげてるんだ。」

「そんなに壮絶なことがあったんですか、大変だったんですね。」

「そりゃ大変だったよーさっきのとかで一時期鬱で薬たっくさん飲んでた時もあるし、仕事も元のやつはダメになってしょうがなく学生時代以来の就職で苦労したんだよ。」

「それって今は大丈夫なんですか?」

「正直鬱は自分でもあんまわからんかったし、仕事は別に悪くないから今んとこは意外と快適だね。」

「いやー凄いですね。なんか話の内容が濃すぎて1人のスポーツ選手のキャリア一気に見たぐらい情報量多くてびっくりしました。」

「そう言ってもらうと嬉しいかも。ていうか結構喋っちゃったね。もう6時40分超えてるよ。」

「もうそんなに経ってたんですか、話が濃くて時間感じませんでしたよ。」

「嬉しいこと言ってくれるねー。じゃあ僕はもうそろそろ仕事に行くから帰るね。お話付き合ってくれてありがと。」

「いえいえこちらこそ楽しかったです。会えたらまた話したいです。」

「会えるかな…まあ会えたらもっと色々語ろうな。じゃあね。」

「ありがとうございました。」

 帰り際に手を振りながら「ちゃんとフォローしといてね!」と言って帰っていった。なんかこのまま曲が流れてフェードアウトしようものなら今日が終わりそうなほどに綺麗に帰って行った。

 初めて会ったのにこんなに話してくれたのはこの人生で二度目だ。僕から話しかけるなんて元からできっこないし、話してても受け身にしかならず相槌しか打たない僕とたくさん話すなんて人は少しやらかして周りの人が冷たくなってしまった時のムードメーカーとか友達ぐらいしかいないし。

 とても突然で新鮮すぎる体験ができて少しまだ夢見心地だが、ここに来たのは絶対に正解だった。全部は運命で繋がってるとはよく言ったもんだ。

 まだ朝は早いし少し遊んで帰るか、元々はそれが理由でこんな早朝に外出たんだし。

 周りに人いないかな…ちょっと見渡したけど散歩中の人が河川敷歩いて行くぐらいで人はいなさそうだな。

 どうせなら人がいない時にかっこいいプレイの真似して動画に撮ってみたいよね。ベンチにスマホを置いて、撮る直前にも周り見渡して、誰もいない!スマホの録画ボタンを押して、やっぱり真似するならたっかいフローターとか、ワンハンドの片足上げフェイダウェイシュートとか、入るかは別として真似するだけで面白いし楽しい。

 あとは簡単なダブルクラッチとか、ステップバックからの高弾道シュート。ひとしきり楽しんだし動画を確認して見たら形すらあんまり綺麗じゃないけど楽しそうにやってて良いな。顔があんまり写ってないところもぐっとだ。

 もう7:00か、汗もかいたし帰ろうかな。

 帰る道すがら、まるでKobeさんもとい女装バスケさんのことを考えていた。SNSの名前奇抜すぎないか?と思ったが、本人は自慢気に話してたし気に入ってるのかもしれないな。

 しかし投稿してる動画とか見たら意外といい笑顔して写ってるし人の心の中はなかなかわからないもんだな。もし僕が女装バスケさんの一ファンとして動画見てたら楽しそうにしか見えない。

 話を聞いた後の僕から見てもそんなネガティブな感じが伝わらないからほんとすごいな。

 もうそろそろ家着くし朝ごはん考えとかないとなー。カップ麺でも良いしざるうどんとかもいいか…やっぱりカップ麺だな。

 なんて考えてたら少しずつ雨が降り出して来た。まだ目に見えないほど細かいけどいずれ強くなってびしょ濡れにでもなったらかなりめんどいから走るか。さっきまでまあまあ運動をしてあったまっていた体が、歩き続けてたからかクールダウンを終えてすっかりガチガチだ。なんなら昨日のスポセンと今日のバスケで疲れが溜まって筋肉が張ってるし、小走りで行くしかないな。

 でも思ったより降る事なく小気味良い小雨の音を横にすぐに家に着いた。意外とかいていた汗と雨で服が張り付いてきて気持ち悪い、そそくさと浴室に行き、シャワーを浴びて服を着替えた。

 シャワーも浴びてスッキリしたしカップ麺を準備してニチアサの仮面○イダーを見ると、平成最後の仮面○イダーがやっていた。色々な歴代のライダーが出てくるお祭り作品のようなものだが、懐かしかったり好きなライダーが出てくるのは胸熱だから結構好きなんだよなあ。

 テレビに気を取られすぎてカップ麺を準備してた事を思い出し、少しだけ伸びたカップ麺を啜り、食べ終えた頃には仮面○イダーが終わっていた。することがないから食洗機の中身を取り出して箸だけ入れておいた。これで今日のすることは夕方ぐらいに食洗機を回すことぐらいか。暇な時の家事ほどやり切った感は半端じゃないな。

 自分の部屋に行きFPSをしていたらいつのまにか14時だ。まったくゲームは恐ろしい。昼ごはんを食べたくなるほどはお腹も空いてないからリビングに行ってシンクに置かれた食器を食洗機に入れて洗剤を入れて食洗機を回したらもう自由だ。

 自分の部屋に戻り、一つ気になった事を試してみる。SNSで僕がいる中学の名前で検索をかけたらまあまあ出て来た事だ。つまり組と学年を入れればあの子のSNSがわかるかも知れないって魂胆って事だなあ。

 善は急げ、早速調べたら出て来なかった…そりゃプロフィールに書かない人もいるし、なんならやってない人だっているんだから絶対見つかるわけではなかったか。

 少し悲しみを感じながらゲームに戻る。そしていつのまにか夜ご飯の時間でお母さんが作ってくれたご飯をみんなで食べて、痩せるダンスをしてシャワーを浴びたらもう寝れる。

 明日から学校だが、確か自己紹介の紙は掲示されるはずだったからあの子のやつも見れるじゃん。これはドキドキがムネムネだ。とりあえず明日の僕へのプレゼントとして少しでも早く寝ておくか、それぐらいしか今日の僕ができることはないかな。

 ちょっと期待しすぎてまだ寝れないけど不安はない。きっと起きた時には清々しい寝起きをかますだろう。

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