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エッセイ

人は知らぬうちに様々なものに影響を受けるなと感じた時の話

作者: 赤月 朔夜


 最近、雨やら曇りやらで涼しかったので今日もそこまでは暑くないだろうと買い出しへと出かけた。

 先に用事を済ませてからスーパーへ行ったところ、暑さにやられたのかしんどくなってしまった。

 幸い大きなスーパーで休憩用のイスやソファーがあったので休憩してから買い出しを始める。


 しかし休憩が不十分だったのか立っているだけでもしんどく、人のいない商品棚の間でしゃがみ込んでしまう。

 しゃがんでいる間は楽なのだが、立ち上がるとめまいが起こり視界もチカチカする。その時になってようやく私は軽い熱中症になっているのではないかと気が付いた。

 もっと休憩するべきだと思ったものの、すでに買い物カゴには複数の商品が入っている。


 しゃがんでいくらか休んでから、軽いめまいがした状態で残りの買い物を済ませてレジへと向かう。

 さっさと買い物を終わらせて帰って休んだ方がいいと思ったからだ。


 お姉さんがレジ打ちをしてくれている間もレジの先で手をついて休憩する。


「大丈夫ですか? あちらにイスもあるので休憩してくださいね」


 レジ打ちが終わった時、お姉さんが私にそう声をかけてくれた。

 お姉さんにお礼を言った後、商品をエコバッグに詰めつつお姉さんの心遣いをありがたく感じた。




 そしてふと思い出す。

 思い違いをしているかもしれないが、何かのエッセイで『レジ打ちをしていた作者さんが『お客様の声』で褒められて嬉しかった』というようなことが書かれたものがあったことを。

 『お客様の声』とは要望や意見などを紙に書いてボックスに投函出来るシステムのことだ。


 このスーパーにも『お客様の声』があったなと思い、お姉さんに気遣って頂いて嬉しかったと感謝の気持ちを書いて投函した。



 その後自宅へ自転車をこぎつつ、『お客様の声』を投函するきっかけになったエッセイを思い浮かべる。

 細かいところは覚えておらず、自分としては何気ない気持ちで読んだエッセイの一つだった。

 にもかかわらず私はそのエッセイに影響を受けて行動をした。


 たかがエッセイ、されどエッセイ。


 人は思いもよらないところで他者から影響を受けているものだ。

 そのことを私は改めて感じた。


 当たり前と言えば当たり前の話ではある。

 けれどより強くそのことを実感した体験だった。



 誰が為に鐘は鳴る。



 とはよく言ったものだ。



 私もしがない物書きの一人として、名前も顔も知らない誰かに良い影響を与えられたらいいな。

 そう思いながら私は今日も筆を走らせる。

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