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You must match with the suitable murder for you in this world

「ねぇ?知ってる。殺人鬼を紹介してくれるアプリがあるんだって。」

「知ってる。それMurder Matchingってやつでしょ。でもそれただの都市伝説でしょ。」

「隣のクラスの岡崎さんそれでなくなったらしいよ。」

「まじで?」

「そんなことあるわけないじゃん。でも死んだのは本当。自殺だって話よ。自分で子宮をえぐったって。」

「なにそれ、こわ。」


「なんでだよ!お前!俺はこんなにお前のことが!」

俺を憤る。でもそれは見せ掛けの怒り。俺は彼女を怒ることなんてできない。

「わたしあんたの愛が怖いの。あなたのことは好きだけど、死にたくもないし、殺したくもない。」

「そんな事ねぇよ。俺はただお前が好きで、、、、」


俺は失恋のショックから立ち直れず、ふて寝を決め込んでいた。

「そういえばクラスの女子たちが噂してたマッチングアプリがあったな。」

あなたの願い叶えます。MURDER MATCHING。

「ふざけたアプリだ。暇つぶしにはなるかな。どうせ殺人鬼なんて出てきやしないさ。」


-ようこそあなたは4609人目の来場者です-

「古臭いシステムだ。」

Murder Macthing-あなたにピッタリな殺人鬼をご用意できるマッチングアプリ-

「登録料今なら無料ねぇ。殺人鬼一名ご案内サービスまでついてる。」


「あれ?ここはどこだ。」

「ようこそいらっしゃいました。志願者瀬戸ミノル様。わたしはキューピッドの天理マリ。あなたの望む死に方を提供できる殺人鬼とマッチングさせて上げます。」

そこに立っていたのは、天使のような服装をしている女性だ。髪は長く美しい。

「ふざけてるのか?そんなアプリあるわけないだろ。」

そうだあるはずがない。そんなものが現実に存在して言い訳がない。

「でもあなたがここにいるということは、あなたが普通の死を望んでいないと言うこと。」

「そんなことあるわけ…」

「一度考え直して見てください。いつでも退会することはできますので。殺されるのを望んでいる方と繋がることもできますので、一度話されてはいかがですか?」

「はぁ…」

困れば、退会すればいい。折角無料だったし、暇潰しにはなるだろうしな。

「では、一度瀬戸様のご希望をお調べするため、アンケートにご記入をお願いいたします。アンケートを基にグループ分けとお相手のご案内をさせていただいております。」


現実に戻って来た。これはゲームの世界的なものなのだろうか。

「アンケートは割と普通だな。」

よくネットにある性格診断みたいだな。こんなんで本当に測れるのだろうか。一応答えては見たが、いまいち信用できない。


ご希望の方法を-情愛-と計測しました。

グループは赤

翌営業日マッチング相手をお送りいたします。


ほんとにパチもんだな。うそっぱちなアプリだった。

まぁ、でも嘘のほうがいいか。


翌日本当に相手の資料が届いた。

桜井ミサキ(27)

Role 殺人鬼

Character 愛憎

Profile -SECRET-

※殺人鬼側の詳細は、秘匿されております。

「高校生にアラサー紹介するってどうなってんだよ。でもきれいな人だ。どうせ偽物か加工だけど。」

パコン!

「SE独特だな、これ。って、この人志願者だ。一回話してみるのもありか。でも違うグループだなこの人。青か。」


津島 ツルギ(29)

Role 志願者

Character 快楽

Profile 趣味は料理、運動。身長185cm。アラサーの営業マンです。彼女には内緒でやってます。いろんな方とつながりたいので、男の子も女の子は連絡待ってます。


「うまくいってそうなのに、なんでこのアプリを」

俺は俄然興味が湧いたので、一度連絡を取ってみることにした。


あれよあれよという間に、実際に会いにいくことになってしまった。まぁ、あの世界の中でだが。


「は、はじめまして。」

思ってたより大きい。

「どーも、可愛い子猫ちゃん。」

顎はつままれてあげられた。

え?この人男相手に何してんの。

「まだ緊張してたか、ごめんよ。」

いや、そういう問題じゃねーよ。俺はノンケなんだが。

「写真より可愛かったからつい、な。」

もしかしてプロフの文そういうことかよ。最初の連絡はナンパ目的。なおかつこのおっさん両刀使いかよ。

「あの、今日はそうじゃなくて、アプリのこととか色々聞きたくて。それに俺ノーマルなんで。」

「釣れないと思ってたら、そういうことか。いいぜ。俺様はマッチングアプリすべてコンプリートしてるからな!」

まじでこの人なに言ってるんだろう。


俺ら喫茶店に入った。

「お子様なのに、ブラックコーヒーなんて飲めるんだな。」

年上じゃなったらこの場で殴り飛ばしてたと自分でも思う。

「アプリのことだったか?これは忠告だ。ガキが手出すもんじゃねぇ。相手はまじもんの殺人鬼だ。交際相手も何人も死んでる。一人は子宮を抉られてた。一人は証拠も残さず消えた。一人は、赤ちゃんと一緒に水死体に」

さっきとは違い、真剣な表情で語る。事実なのだろう。

「津島さんはどうして退会してないんですか?」

「してないんじゃない。できないんだよ。」

「どういうことですか?受付の天理さんはいつでも辞められるって!」

「やっぱ、ガキだなお前。マッチングした時点で相手に情報が行く。気に入れば、あいつらは死ぬ気で追いかけてくる。おかげで俺様も逃亡中。お前は紹介されてないよな?」

俺は冷や汗が止まらない。連絡はしてないでも、すでに案内された人がいる。

「じゃあなんでここに?現実じゃなくて大丈夫なんですか?」

「逃亡って言っただろ?戻れないんだよ。ここは電脳世界なのか、地球のどこかなのかはわからん。だけど、あの殺人鬼がいた空間から入ったということは、体もここにあるということだろう。」

「わかることは、ここで死んだら現実でも死ぬ。遺体だけが強制送還されるということだけだ。」


「んじゃ、なにかあればまた呼んでくれや。」

そう言って津島という男は足早に帰って行った。






「あなたが、瀬戸ミノルくん?あなた意外とかわいいわね。食べちゃいたいくらいに。」

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