表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
テイマーなのに獣人ばかりにモテすぎて困ってます!~彼女はまだツンデレ獣人に番認定されたことに気付いてない~  作者: しましまにゃんこ
第二章 ロルフとリリアの危険な冒険!?

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

30/32

第22話 意地悪なお姉様?

 

 ◇◇◇


 ――大きい。

 それが、リリアが最初に抱いた感想だった。

 王都の森を抜けた先に現れたのは、想像していた「獣人の里」なんてものとは似ても似つかない、白い石造りの巨大な屋敷だった。高くそびえる外壁。重厚な鉄門。門の左右には、獣を象った威圧感のある石像が睨みを利かせている。

「……ここ、ほんとにロルフの家?」

 思わずそう口にすると、ロルフは少し気まずそうに視線を逸らした。

「ああ。まあ……うん。そうだ」


 そうだ、じゃない。

 どう見ても、城だ。しかも、王都の貴族街にも立派な邸宅があるらしいのだが、こちらが本邸らしい。一体いくつ家があるんだろう。リリアは考えただけで頭が痛くなってきた。


 手入れの行き届いた庭園から漂ってくる高級そうな花の香りに、リリアはごくりと喉を鳴らした。

(む、無理……)

 さっきまでの決意が、音を立てて崩れていく。

(やっぱり、私なんかが来る場所じゃない……)

 ドレスも持っていない。礼儀作法も知らない。冒険者としても半人前。神獣の巫女だなんて言われても、実感なんてまるでない。

「……帰ろうかな」

 小さく呟いたその瞬間だった。


 ズドンッ!

 地面が揺れた。

「……え?」

 次の瞬間、森の奥から、血の匂いと共に現れたのは、匂い立つような艶やかな美女だった。

 露出度の高い戦装束に、引き締まった肢体。白い肌には赤黒い血が飛び散り、肩には――大の男でも持ち上げるのに苦労しそうな、巨大なモーニングスターが無造作に担がれている。

 先端の棘から、ぽたり、と血が滴った。


「…………」

 リリアは、声を失った。

 美女は気だるげに首を回し、こちらを見ると、一瞬きょとんとした顔をする。

「あれ?」

 そして、次の瞬間。

「あ、ロルフじゃん」

「――――げっ」

 ロルフが、心底嫌そうな声を出した。

「姉貴……なんでこっちにいるんだよ」

「なんでって、ここ私の家なんだけど?」

 あっけらかんと笑う美女。

 それから、ようやくリリアの存在に気づいたらしく、じっと見つめてくる。金色がかった瞳が、獲物を見定めるように細められた。


「……へえ」

 その視線に、リリアの背筋がぞくりと粟立つ。

「この子、面白いね。紹介してくれないの?」

「……紹介する。姉のアデイラだ。……アリシア王国公爵家長女で、今はSランクの冒険者をやってる」

「よろしく。アデイラよ」

「あ、リリアです!王都で冒険者をやっていて、ロルフさんとは、パーティーを組ませていただいています!」

 アデイラは悪戯っぽく目を細める。

「それだけじゃないわよね?……あなた、ロルフの番でしょ?」

 アデイラは、リリアを上から下までじっくりと眺めたあと、楽しそうに口角を上げた。

「なるほどね。ロルフが夢中になるのも分かるわ」


 アデイラの不躾な態度にロルフが頭を抱えた。

「……だから嫌だったんだよ。姉貴は王都の屋敷で淑女ぶってるときに紹介しようと思ってたのに」

 ブツブツと文句を言うロルフを無視して、リリアににっこり微笑みかけるアデイラ。


「リリアちゃん、せっかくだから、腕試しでもする?」

 そう言って、モーニングスターを地面にドンと下ろす。

「ようこそ、公爵家へ。──さぁ、やろうか?」

「ひぃっ……!?」

 リリアの悲鳴が、広大な庭園に響いた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
恋する辺境伯シリーズ
高嶺の令嬢と諦めてたけど馬鹿王子がいらないっていうから貰うことにした。今からは俺の溺愛ターンだから覚悟して?
ロイター辺境伯シリーズ~子ども世代~
俺の婚約者が可愛くない
最新作
亡くなった夫の不義の子だと言われた子どもを引き取ったら亡くなった婚約者の子どもでした~この子は私が育てます。私は貴方を愛してるわ~
しましまにゃんこさん累計ポイントランキング
総合評価:29,248 pt
ジャンル:異世界 〔恋愛〕
短編(全1話) 9,089文字
あらすじ等
わがまま姫と評判の公爵令嬢が選んだ結婚相手は貧乏伯爵家の三男坊!? 激高する王子に突きつけた婚約破棄の真相とはっ!? 婚約破棄からはじまる正統派ラブストーリー! 作品はすべて、カクヨム、アルファポリス、エブリスタ、ノベルアップ+さんでも掲載中、または掲載予定です。
キーワード: 身分差 ヒストリカル ラブコメ 貴族 騎士 わがまま令嬢 溺愛 ハッピーエンド 婚約破棄 ざまあ キルタイム異世界大賞 貴族学園 アイリスIF3大賞
投稿日:2021年4月12日
最終更新日:2021年4月12日
総合評価:26,324 pt
ジャンル:異世界 〔恋愛〕
短編(全1話) 1,683文字
あらすじ等
冤罪で王子から婚約破棄され、屈強な男でも三日と持たないと言われるほど過酷な炭鉱送りになった悪役令嬢のリリアナ。 ───三ヶ月後、彼女は最愛の父に近況を書いた手紙をしたためる。その驚きの中身とは? チートな爆炎魔法を使える悪役令嬢が、過酷な環境もなんのその、ちゃっかり幸せを掴むお話です。手紙形式になっています。 シリーズ化しました! 「リリアナちゃんとゆかいな仲間たち」 作品はすべて、カクヨム、アルファポリス、エブリスタ、ノベルアップ+さんでも掲載中、または掲載予定です。
キーワード: 異類婚姻譚 身分差 ヒストリカル 悪役令嬢 日常 ラブコメ 女主人公 溺愛 獣人 ハッピーエンド 婚約破棄 追放 ほのぼの キルタイム異世界大賞 リリアナちゃん アイリスIF3大賞
投稿日:2022年5月2日
最終更新日:2022年5月2日
総合評価:14,060 pt
ジャンル:異世界 〔恋愛〕
短編(全1話) 2,631文字
あらすじ等
貴族学園の入学を祝うパーティーの席で、いきなり婚約者である第三王子に突き付けられた婚約破棄! 「お前のような野暮ったい女と結婚するくらいなら、生涯独身のほうがまだマシだっ!」 「承知しましたわ。今日からは、自由の身です!」 学園生活が始まる前に婚約破棄されちゃった公爵令嬢が、したたかにミラクルチェンジしてハートをズッキュンするお話です。 作品はすべて、カクヨム、アルファポリス、エブリスタ、ノベルアップ+さんでも掲載中、または掲載予定です。
キーワード: ヒストリカル スクールラブ ラブコメ 婚約破棄 地味令嬢 華麗に変身 美少女 ほのぼの ハッピーエンド 学園 ギャップ萌え 女主人公 ネトコン11感想 異世界恋愛 【短編】
投稿日:2022年4月4日
最終更新日:2022年4月4日
総合評価:13,832 pt
ジャンル:異世界 〔恋愛〕
短編(全1話) 4,632文字
あらすじ等
ダイナー公爵令嬢シルフィーは、聖女ユリアナを殺そうとしたという無実の罪を着せられ、投獄の上一族そろって処刑されてしまう。死の間際、シルフィーは自分と家族を殺した者たちに復讐を誓い、もし生まれ変われるなら、復讐を果たす力が欲しいと神に願う。 だがシルフィーは、虐げられる薄汚い孤児として転生していた。前世の記憶を取り戻し、力のない現状を嘆くシルフィー。しかし、そのとき彼女の胸に、聖女の紋章が浮かび上がる。 「ふふ、あはははははは!」 力を得た彼女の復讐が、今ここに幕を開けるのだった。 作品はすべて、カクヨム、アルファポリス、エブリスタ、ノベルアップ+さんでも掲載中、または掲載予定です。 ...
キーワード: 身分差 悲恋 ヒストリカル 悪役令嬢 ネトコン11感想 冤罪/処刑 聖女/復讐 婚約破棄 ざまぁ ハッピーエンド
投稿日:2023年7月22日
最終更新日:2023年7月22日
総合評価:13,712 pt
ジャンル:異世界 〔恋愛〕
完結済(全8話) 10,193文字
あらすじ等
賑やかなパーティー会場から離れ、一人バルコニーに佇むエリーゼ。 公爵令嬢である彼女は、今日も浮気な婚約者に悩まされていた。 エリーゼに見せつけるように、他の令嬢と戯れるアルバート。 本来勝気なエリーゼは、自分よりも身分の低い婚約者に対して黙っているようなタイプではなかった。しかし、エリーゼは不実な態度を取り続ける婚約者に対して強気な態度をとれないでいた。 なぜなら、うっかり聞いてしまった友人たちとの本音トークに、自分自身の足りなさを知ってしまったから。 胸元にそっと手を置き嘆くエリーゼ。 「いいわね、見せつけるものがある人は……」 女の価値は胸の大きさにあると豪語する婚約者の言葉に、すっか...
キーワード: 貴族令嬢 婚約破棄 浮気 コンプレックス 溺愛 ざまぁ ハッピーエンド イケメン王子 女主人公 真実の愛 ネトコン11感想 貴族学園
投稿日:2022年10月20日
最終更新日:2022年10月20日
新作
無実の罪で投獄され殺された公爵令嬢は私です。今から復讐するから覚悟してくださいね。
公爵閣下!私の愛人になって下さい!〜没落令嬢の期間限定恋人契約〜
公爵閣下の溺愛花嫁~好色な王の側室になりたくないので国で一番強い公爵閣下に求婚したら、秒で溺愛生活がスタートしました~
王太子殿下に優しくしてたら公爵令嬢と婚約破棄をすると言い出したのでちょっと待ってほしい
初夜に「別にあなたに愛されたいなんて思っていない」と告げたところ、夫が豹変して怖い
裏切られ捨てられた竜騎士は天使な美少女に恋をする〜ねぇ、これって運命の恋だと思わない?〜
意地悪な大聖女の姉と美しいだけで役立たずの妹~本物の聖女は隣国で王太子殿下に溺愛されているというのは内緒~
ヘッダ
新着順① 総合評価②順 エッセイ③ 詩④ 異世界⑤ 貴族学園⑥ リリアナちゃん⑦ つよつよ短編⑧
フッダ


ヘッダ
わがまま

わがままはお好き?
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ