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踊る、踊れば、踊るられ

「随分独創的な舞だな」

「で、あろう。あれこそがゲイシャになれぬ理由なのだ!!」


 絶対あれ日本舞踊じゃない、もっとアクロバティックだしなんならブレイクダンスだぞ。あれでゲイシャとやらになるつもりだったの。優雅って何かをまず学んだほうが良いと思うぞ、待ってこれ本当に俺にデバフかかるのかな。


「はっ!」


 あ、終わった。なんか決めポーズしたな。それもまあ多分日本舞踊のポーズじゃないけどな、腕組みじゃねえか。絶対帽子被ってダボダボの服着て踊った方が良いぞ。


「如何でしたか?」

「凄かったぞ、毛色は思ってたのとは違うけどな」


 なんか身体が楽になったような気がするし、きっとデバフもかかってる。それなら一周回って俺にとってはプラスになるな。デバフ要員が大いに超したことはないし。それにシラヌイはもともと仲間にする予定だったから。


「そんじゃ、残った分も回収しますかね」


 もう他のところがいきなり動いたりしないだろうな、足とか思いっきりぶっ飛んできたら今度は守れる気がしない。身体ごと貫かれてしまうなきっと。


「でもやっぱ来るよな!!」

「二度目はない、止めさせてもらう」


 ナイス将軍!! 止めてくれたな!!


「無理に動くでない、傷が。塞がっておるな、何故だ? むしろ傷の治りは遅くなるはずだが」

「ちょっと特異体質なんだ」

「そうか、不思議なこともあるものだな」


 さてさて、回収回収っと。うわなんだこれ、足に羽が生えてるんだけど。ものすげえ気持ち悪いな。翼の聖人の能力ってこれか? 死なないのは別の力か?


「これで全部か、良し」


『十二番目の聖痕』

ー あと一歩、あと一歩だったんだ。この手が、この足のどれかが届けばそれは叶った、でも届かなかった。それが事実だ、それが確定した事象だった。それはとても、とても抱えきれないことだった、そんなことは許容できない、認められない、あと少しだけだったんだ。もしも翼があったなら、そう思った。終わったことだと分かっていてもそれを願ってしまった。そして手に入れた翼は全くの無意味だった。守りたい者はもうない、守りたい物ももうない、ただ神の為に飛ぶ翼になんの意味がある、ああ、叶うならば、翼をむしり、永久の眠りを、どうかあの子達の待つ場所へ ー


「相も変わらず重たい」


 聖痕ってゲットする度にこれ見なきゃいけないの? 


「うおっ!?」


 なんかムズムズする、背中のあたりが熱い、いや、肩甲骨が痛い、なんだこれ!?


「いってえええええええええええ!!?」


 なんか身体から出てるぞ!?


「んだ、これ、羽根か」


 取り込んだ聖痕のせい翼が生えたとでも言うのかよ!? 冗談じゃねえぞ、この翼は神の下僕の証じゃねえか!?


「身体が、勝手に」


 くっそ、翼に乗っ取られる、身体の使用権を奪われるのか!? なんだこれ、グリンの時は無かったぞ、呪いで食い切ったからか!? まずい、身体が浮いた。


「くそがあああああああああああああ!! 今すぐこの翼切り落とせ!!」

「承知」


 軽い衝撃、一気に戻ってくる身体の感覚、痛みはさほどない、もともと無かった部位がなくなったところで特に不便もない。翼が欲しいだなんて俺は思わねえ、誰が願うかそんなもん。翼をくださいだなんて歌の中だけで十分だろうが。


「あっぶねえ、あのままだと翼に持って行かれるところだった」

「ふうむ、因果な身体と使命を背負っているのだな其処元は」

「まあな、危なかったぜ」


 まさか聖痕の影響を受けるとは思っていなかったがな、つまりこれから呪いなしで取り込む時は何かしらの対処が必要になるんだな。確かに大いなる呪いとかも勝手に俺の身体に干渉してきやがったわ。ダイアモンドコーティング能力とかも俺の意思じゃなかったしな。


「あー、まだ背中突っ張ってる気がする」

「ほう、その齢とは思えぬほど磨き上げられた背の肉よ」

「え?」


【折れた翼(反転)】

ー おお呪いあれ、神の恩寵たる翼を折りし者よ、貴様の腕は萎え二度と何かを掴むことはないと知るが良い ー


「もしかして、あれか、これ初めて攻撃力が上がったんじゃね」

「ううむ、見れば見るほど見事な肉よ。これならば十人引きの強弓も問題なく射ることができるだろう」

「本当か?」

「ああ、どうだ其処元が望むなら弓の稽古をしていくか?」

「やる」


 これはもうけもんだぞ、身体強化に加えてサムライ式の弓術まで教えてもらえるとか。半端ないことになるな。ツァラトゥストラに置いてきた仲間には悪いがしばらくサムライの村に滞在することになりそうだ。きっとここで修行するのは必要なことだ。


「うむ、仕込めるだけのものは仕込もうではないか」

「よろしく頼む」


 できればシラヌイにももう少しデバフ舞を覚えて欲しいところだ、できればゲイシャの稽古もつけてやって欲しいところだな。


「シラヌイの舞の稽古はしてもらえないか」

「ぬう、それは奥の機嫌次第だな」

「おく?」

「母親だ、シラヌイの」


 おくって言うのか? 知らない名前だな、将軍以外の名前は出てこなかったから分かんないのも仕方ないんだが。


「どでかい音がしてるじゃないかい、今日は祭の日だったのかね」


 あ、あれがおくか、一目で分かる花魁っぷりだな。


 

 









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