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なんか違うからチェンジで


城に入り込んだは良いが思った以上に警備が厳重だぞ、ビクテロの陽動にそこまで効果がなかったか。


「それになんかイメージと違うな」


城の構造が外から見たのと入ってみたのでは全然違う。外から見た構造ではありえない位置に道があったする。


「これじゃむしろ俺の知ってる伽藍城のマップだ」


もしかしたら魔法かなんかで見えてる城と実際の城が違うようになっていたのかもしれないな。


「それだったらあれが使えるかもしれないな」

「あれって?」

「抜け道だよ」


なんか王族しか知らない系の抜け道があるんだよこの城。


「確かこの井戸だったよな」


城の外れの井戸には水が入っていない、そもそも抜け道として作られてるからな。


「うん、行けそうだ」

「なんでそんな事知ってるのレヒト君」

「えーっと、城の形を見て推理したんだ」


苦しいけどまあ納得してもらうしかない。


「ふーん……」

「早くしないと見つかるから行くぞ」

「まあいっか」


ゴリ押したけど後でなんか聞かれるなこりゃ、良い感じの言い訳考えておこう。抜け道は石の通路だ、しばらく使われていないらしく埃だらけだがそれは誰も通ってないことを意味してる。


「勝手に出たりはしてないみたいだな」


この抜け道はユーホのいる部屋に繋がっているから、このまま行けばユーホに会えるだろう。


「けほっけほっ」

「大丈夫かティーア?」

「ちょっと埃っぽくて、私胸が悪いから咳が出るの」

「初めて聞いたぞそんな話」


そんな設定ないはずだ、ティーアは健康優良児のはずだけど。


「大丈夫だから、気にしないで」

「無理だけはしないでくれよ、お前が倒れたら俺はどうしたらいいか分からなくなる」

「うん、分かってる」


ユーホに接触する前になんか重大なフラグが立ってしまった気がするな。病気のイベントなんて主人公側はあっても仲間の側のなんてなかった。


「光が見えてきた、もうすぐだ。鐘も鳴ってるし確定だろ」


抜け道を塞いでいる木の板は薄いからすぐに壊せる、ユーホを驚かせるかもしれないけどこればっかりは仕方がない。


「せーの、うお!?」


俺が壊す前に板が粉砕されたんだけど、何事だこれ?


「ああっ、やっと来てくれた。あなたがわたくしの騎士になる方ですね!!」


俺の腕が掴まれた、そのまま引きずり出される。 思ったより力強いな、デバフなしの俺だと力負けするぞ。


「わたくしの部屋へようこそ」


なんというか、お姫様の部屋というか、魔女のねぐらって感じの部屋だな。まあ無理もない、ユーホは仲間になるキャラの中でも一番攻撃魔法に長けた奴で見た目も白髪赤目に黒ローブ、ねじれた三角帽子と見事に魔女だもんな。そりゃあ部屋もそんな風になるさ。


「あら? なんだか想像と違いますわね。あなたみたいなお子ちゃまに助けて欲しいわけじゃないのでチェンジで」

「チェンジとかないからお姫様」

「お姫様ですって、わたくしをお姫様だなんて呼んだのはあなたが初めてですわよ」

「いやお姫様でしょ、ここの」


ユーホはたしかに姫のはずだが、何か食い違ったか。いやいやどう見てもユーホだろ。白ローブに黒髪青目に顔を隠す薄いベール。あれ?


「誰だお前!?」

「誰だとは酷い言い草ですこと、わたくしはユーホ様の影ユーイーですわ」


影、 影ってなんだ、そんなのいたのか?


「影?」

「そう、ユーホ様に万が一がないようにあらゆる苦難を引き受ける影ですわ」

「影武者ってことか、そんな奴が居たとは知らなかった」

「知ってていらしたのではなくて、 そうじゃなければわたくしではなくユーホ様に会いに行くでしょう?」


おかしいな、ここはたしかにユーホの部屋のはず。ここは影の部屋でユーホの部屋は別なのか。


「この鐘はお前のものか?」

「ああっ、それこそわたくしの騎士に贈る鐘ですわ!!」


でも2年後に鐘を鳴らしていたのはユーホだった、どういうことだ、ユーホが鐘を鳴らす意味なんてないじゃないか。


「川に投げ込んだこれがこうして戻ってくるのはもう運命としか言いようがありません。少々の不足は大目に見ましょう」

「少々の不足ってお前なぁ」


聞きたいことがあるが、ここで切り出しても良いものか。もしかしたらとんでもない事実にたどり着くかもしれないぞこれは。


「影と言ったが万が一お前が生き残ってユーホが死んだらどうなるんだ」

「そんなの決まってますわ、わたくしがユーホ様になるのです。この身体はすぐさまそのようになるでしょう。それが影の呪いなのですから」

「なるほど……」


この城ぶっ飛んだのは正解だったな、スペアの人間を用意しなきゃならないような状態ならそれが間違ってるのは確実だろうに。

分かったことは2年後のユーホはユーイーだってこと、そして城がぶっ飛ぶのに合わせて本物のユーホは死ぬことだ。


「さあ、わたくしの騎士。わたくしをここから連れ去ってください。もう嫌なのです、誰かの身代わりとして生きるのは」

「分かった、だけど俺からも頼みがある。ユーホの居場所を教えてくれ」


取りこぼさないで済む命なら、それに手を伸ばそう。2年前という時間はそのためのはずだ。









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