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要塞攻略のすゝめ 地形編

「次にやることは地形の把握です!! 情報を制するものは戦いを制するというのは真実ですからね」

「レヒト君……たまに馬鹿になるよね」

「なにおう!? 情報戦は基本だぞ!?」

「うん。その通りだよね。だから地形が分かるようなものってそう簡単に手に入るわけないよね?」

「確かに!?」


 マップとか標準装備だったから失念してた!! 地図とか最高軍事機密に決まってんじゃん!! 俺が知ってるマップとの差異一つで1発アウトになるんだぞ!!


「あー!! それじゃあ作戦立てられないじゃないか!!」

「まあ待てサー・レヒト、諦めるのはまだ早いぞ? 情報収集に必要なのは斥候だ、誰か優秀な斥候に心当たりはないか?」


 斥候……シーフとかスカウトとかって呼ばれる奴らか……でも状況が悪すぎるな……


「心当たりがないとは言いませんが……内乱の真っ最中に突っ込んでくれとは言えませんね」

「むう……確かにそれは命を捨ててくれと言っているようなものだからな……」

「そうですよねえ……」


 しかも俺が知ってる奴は普通にニケのメンバー候補だから俺の仲間にするわけにはいかない……主人公パーティを弱体化させたら本末転倒だ。


「どうしますかね……策無しで突っ込むには流石に厳しいですからね」

「そうだな……要塞城イヴに乗り込むとなったら生半な準備ではどうにもならないだろう」

「うん、手詰まりです。なので外部の助けを借ります」


 クワイエット・ベルディアがいる今となっては陸路で行ける場所は大幅に時短して着くことができる。だからパラケルススに行くにもひとっ走りさ!!


「助けてフラえもん!!!」

「誰がフラえもんだ……僕はフラメルだ。そうじゃなかったらせめて教授と呼べ」

「じゃあフラメル、ちょっと空から要塞城イヴのスパイして欲しいんだけど」


 こいつは平然と飛竜に乗っていた、空から見た地形をちゃんと紙面に落とし込むこともこいつならできるだろう。


「……とうとう気が触れたか、僕がそんなことをする意味がどこにある」

「まあ聞けって、これはお前にもいい話のはずだ。俺は今から要塞城イヴの内乱を止めに行く、その後にどうなるかはまだはっきりとは分からないが……あの辺りの地域の実地調査が自由にできるようになるとしたらお前はどうする?」

「悪くない、あのあたりは警備が厳重でうまく入り込めない地域だ。そこの調査によって重大な発見があるかもしれないか……だがまだ弱いな。僕が命をかけるには足りないぞ? 分かってるだろう、そんなことをすれば下手すれば命を落とすと」

「……これは噂でしかないが、要塞城イヴには時の止まった花があるそうだ。城ができたときからずっと城の中心で咲いているらしい」

「お前……それは……!?」


 まあ、それは噂に過ぎないのは知ってるんだけど。こいつのイベント的にこれはキーになる情報だからこれで食いつくだろう。


「……ずるい奴だ。その情報の真偽を確かめるためにはお前に協力しなければならないというわけか」

「まあそうなるな」

「お前僕よりもシーザー派に向いてるかもな」

「嬉しくないなその評価……詐欺師の適正あるってことだろ……」

「お前がシーザー派をなんだと思ってるかは良く分かった……が、それを差し引いたとしても僕が命をかけるに足ると判断した。良いだろうやってやろうじゃないか……それはそれとしてオリハル狐は連れてきたんだろうな?」

「ん? ああ、プラチナおいで」

「はーい!!」

「今すぐに狐に戻れ……人型のオリハル狐など僕は認めないからな……」


 まあこう言われるの分かって人型で連れてきたんだけど、ちょっとした嫌がらせだな。こいつの性格的にスパイをNOと言われる可能性も十分あったからな……そのための第二の手札だったが必要なかったか。


「さあ……今度こそ……」


 んで、何を見たか知らないがぶっ倒れるフラメルをたたき起こして要塞城イヴへと向かわせた。


「お、おまえ、鬼か……!?」

「はは、何を言ってるんですか教授。ちょっと時間ないんでなる早でお願いしまーす」

「くそっ……覚えてろよ……」


 よーし行ったな、フラメルなら撃墜されることないだろ。


「ふんふふーん、なんか隠してるものないかなー?」

「ご主人様!! あての勘が言っています!! この箱に何かとんでもないものが!!」

「なんだって!? こ、この箱は!?」

「な、中身は!?」

「……化石?」

「すんすん、これ糞です」

「なんてもん見つけてんだ!?」

「えへへ~、何か臭うと思ったらそういう……」


 暇をもてあましてフラメルの研究室をあさって時間を潰していると羽ばたきの音が聞こえてきた。


「戻って来たか、無事だったみたいだな」

「……地上戦のまっただ中だったから空中の僕に気づく奴なんていなかったな。ほらこれが地図だ、それとサービスで城の外観と予想される間取りも書いてきた」

「サービス……!? お前誰だ!?」


 シーザー派のこいつがサービスなんてするはずがない!!


「お前……とことんだな……良いから受けとれ。これでも僕はお前が協力してくれてることに感謝してるってことだよ」

「お、おう……ありがとう」


 何はともあれこれで地形も分かったわけだな。










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