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死んだはずの好きな人が目の前にいた時の心情を答えよ

「っ!? 私は……」


うーし、ニケが起きたな。今は話が通じそうだ。ちなみにニケは家に運びました。


「おはよう」

「え? なんだ夢か早く起きて剣を振らなきゃ」

「待て待て!? 自分で頭殴って無理やり意識切ろうとすんな!!」

「触るな!! 私の身体はもう……って触れるのか」

「ここは現実だ」

「それじゃあ……え? ちょっと待って……?本物のレヒト君?」

「ティーアの料理を食って見せれば良いか?」

「そんなことしなくても良い」


あれ? なんか反応が薄いぞ、あんまり驚いてない感じ?


「あの……一旦出てもらって良い? そして少しだけ待って欲しいんだけど……」

「ん? まあ良いけど」


今からあの修行モードに戻るとも思えないし。


「じゃあまた」

「うん」


扉を閉めた。


「うわああああああああああああこんな姿見られたらもらって貰えなくなるうううううううう!!!」


声がでかすぎて丸聞こえだ……


「早く早く整えないと!! 死んでるとは思ってなかったけどもっと遅い再会だと思ってたよ!!」


ああ、お前は俺が生きてることを信じてくれてたんだな。


「変な声も聞こえてくるし!! なんなの世界を救えって!! 世界を救うなんてことよりも私を救ってくれた人の方が大事だよ!!」


変な声!?


「ニケ!!」

「キャアアアアアアア!!? まだ入ってこないで!!」

「あ、すまん」


着替え中のニケの裸に興味はないがマナー的なやつは守らなくちゃな。


「どうぞ……」


さっきまでとは比べものにならない控えめな声だな、その音量で絶叫すれば俺には聞こえなかっただろうに。


「見覚えがある姿になったな」

「はは……見苦しいとこと見せちゃった……」

「いやいや俺は嬉しかったぞ、ニケが強くなること以上に良いことなんてない」


シナリオ的に負ける場所はあるにしても、野垂れ死ぬなんてことは絶対にあってはならないからな。


「え……それって」

「だからと言ってニケを所有するつもりはないからどこからともなく契約書を出すな」

「そんなぁ」

「話を変えよう、ちらっと聞こえてきたんだが声が聞こえるって言ったな」

「え!? 聞いてたの!?」

「安心しろ、そこ以外は聞こえてない」


全部聞こえてましたーって言ったらそれはそれでこの場で卒倒されそうな気がするから余計なことは言わない。


「うう……まあそうだけど」

「どんな声だ?」

「なんか頭の中で世界を救えるのはお前だけだからお前が救うんだって何度も言ってる」

「その声に聞き覚えは?」

「ううん、ないよ。でもなんかそうしなきゃいけないような気がしてきてるからちょっと怖いかな」


この世界でそれは預言者になりかけてるってことで良いのか? でもウンターの感じだともっとぎっちり魂レベルで縛られてる感じだったが……言われたことを完遂するための行動しかできないような……


「世界を救うってどういう事だと思う?」

「分かんない、おっきすぎて全然想像できない」

「そうだよなあ」


俺はストーリーを知ってるからどうすれば良いかは知ってる。でも世界を救え=魔王を倒せって言ってこないあたりは不自然だな。


「それ以外のことは言ってこないのか?」

「うん、ずーとそれだけ言ってるからもう聞き流してるよ」

「……四六時中言われてるのか!?」

「うん、起きてる時も寝てる時もずーっと言うからうるさいんだよこれ」

「よく耐えられるな……俺だったら発狂するかもしれない」

「レヒト君が消えてからだからね、それからは空っぽだったから別になんとも思わなかった」

「そ、そうか」


預言者システムってえげつねえなとは思ってたけど想像以上かもしれねえな……まずは精神を破壊してから傀儡にするのかも……


「ニケが大丈夫なら良いんだけどな」

「へへ……心配されちゃった」


なんだ可愛いじゃないか、ぶっ飛んだ方向性の好意と主人公っていう役割がなければなあ。いや、俺はティーアの責任を取らなきゃいけないからそれはないな。


「それでレヒト君はどうするの? 戻ってきたってことは旅立ちの準備でもするの?」

「正式な旅立ちはまだ先だからできることをやっておこうかと思ってるけど……ニケはどうするつもりなんだ?」

「レヒト君についていきたい」


うぐっ、それを言われると困るんだよな。万が一死なれたら世界が終わるのとできればニケに俺の手の内を見せたくないってのがあるんだが……


「って言いたいけど力不足だからやめておくよ。私はもっと力をつけてレヒト君から必要とされるようになる」

「ニケ……」

「あ、でもでも。今すぐ欲しいって言うんならこれにサインをしてくれたら……」

「ニケ?」

「あ、うん。分かってる……でもね、なんか予感がするんだ。私が力をつけたらそれでいつかレヒト君を助けてあげられる日が来るって」


助けてあげられる日か……そんな日は来るかな……


「そうか……楽しみにしてるぞ。でもな、我を忘れるまでの訓練は禁止だ。あれは良くない、ちゃんと師匠に教わるんだ」

「師匠なんてこの村には……」

「あれ? 村長の話を知らない? そうじゃなくても戦える人は実はこの村に結構いるから話してみると良いぞ」

「そうだったんだ……」


隠し要素みたいなもんで戦えるけど結構終盤でも苦戦するレベルだからかなり良い師匠になると思う。きっとすげえことになるぞ。


「ふふ……楽しみだ……」





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