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予想外の結果

「おらああああああああ!!!」


出し惜しみは無しだ!! 毒まで入った爆弾矢をくらいやがれ!!


「狙いは中心部!! 飛距離は足りなくても爆発には巻き込める!!」


狙い通りに飛んだ矢はモンスターの大群の上空で光を放つ。


「吹き飛べえええ!!!」


できれば一割くらい削れてくれないものか、そう願った矢は思った以上の効果を発揮した。


「うおっ!? なんか前より爆発デカくねえか!?」


あれだとビクテロまで巻き混んでる可能性があるぞ!?


「毒ガス地帯ができてるな……あんなところに居たら死ぬぞ……」


割と本格的にビクテロの生死がかかってきたな……


「うあああああああああ!?」

「あ、ビクテロだ」


漫画みたいに爆風に吹き飛ばされてこっちに戻ってきやがったな。それならもう懸念はない。


「絨毯爆撃だなこりゃ」


上がったステータスをフルに活用して連続で矢を放つ、もちろん最初に撃った矢と同じ奴だ。次々と大爆発を起こす矢はモンスターを悉くなぎ払った。ここまでの大破壊はゲームが変わったレベルの所業だが今回は目をつぶって欲しいところだ。だって普通のプレイじゃ100体以上のモンスターなんて出てこないし。


「モンスターがゴミのようだ!!」


そろそろモンスター側の動きが見えないくらいになってしまったので一旦撃つのをやめよう。


「サー・レヒト、その弩はやっぱり凄まじいな」

「私もびっくりですけどね」

「ご主人様!! あての耳だともう動く音が聞こえないよ」

「え? それじゃあもう終わり?」


まさかそんな……


「うわお……マジだ」


ガスが晴れた先にあったのはクレーターと屍の山だけだった。動くものなんて一体もいない。


「呆気ないなあ……あっさり過ぎない?」

「それほどの武器があればこんなものなのだな……正直に言うと死を覚悟していたんだが」

「ご主人様かっこよかった!!」


武器なんてなんでも良いって言ってたやつをぶん殴りたいな、武器超重要じゃん。


「これで経験値制だったらなあ……」


このゲームにはモンスターの経験値は存在しない。あるのは魔法のレベルとスキルツリーでそれを上げるとステータスが底上げされていく感じだ。だから魔法を使っていかないと駄目なんだけど。


「魔法……どうやったら使えるんだろうなあ」


ぶっちゃけ魔法の片鱗すらも感じられない、バフが全部反転する体質のせいだろうか。


「もしかしてもともと俺に魔法が使えるように設定されてない可能性が……」


序盤で死ぬ奴に魔法を使えるようにプログラムする必要なんて全くないしな……素質がまったくないってことも覚悟しなきゃいけないか。


「死体の山をどうしましょうかね」

「焼いてしまうのが一番だがこの数だとそれも大変になるだろうな」

「あてが狐火を使えれば……」

「大丈夫だプラチナ、焼けないなら吹き飛ばせば良い」


どうせ残せないなら全部吹き飛ばしても良いだろ。


「待て、何か変だ」

「何かありましたか?」


もう動くやつなんていないはずだけど……


「死体に惹かれて出てきたか……死神!!」

「うわっ……掃除屋か」


死体の山の中心に出現したのはデッド・スイーパー。通称掃除屋と呼ばれる特殊モンスターで何度も同じ場所で連戦してると確率で現れる奴なんだが見た目はまんまステレオタイプの死神だ。黒いローブと鎌のあれ。


「この距離ならいけるか……この状況なら余裕かも……」

「死神に手を出す気か!? やめたほうがいい!! あれは関わり合いになる相手じゃない!!」

「まあ見ててくださいって」


掃除屋には一つだけ欠陥がある、それはまずは魂に収集を行うという事だ。それも倒したモンスターの数だけやる。その代わりにそれが終わったら全体即死攻撃が飛んでくるんだけど……


「千体分やるんなら余裕で爆殺できますから」

「そ、そうなのか!? いつでも逃げる準備はしておくからな!!」


これが2、3体なら話は別で逃げの一手しかないけど、こんだけいるんなら話は別だ。距離も取ってるしいけるだろ。ダメージが可視化されてないから確定とは言えないまでも多分余裕。


「本当に掃除してるみたいだな……」


魂の回収方法が鎌と別の手に持ってる袋に魂を吸い込むってやり方なんだが、掃除機かけてるみたいなんだよな。


「矢が足りなくなったら補充お願いしますね」


こいつは体力値だけなら作中トップクラスだ、タイムアタックに使われたくらい体力は多いが他のステータスは低い。設計としては魂集め終わった次の瞬間に即死攻撃しかしないからステータスが低くても問題なかったんだろうな。


「掃除屋が倒せるならこれから攻撃力で困ることはなくなるはずだ」


今の火力を図るのにちょうど良い的だ。


「……100発で死んだか」


てことは大体ノーマル爆発矢は一発一万ダメージになってるのか。え? 強くね? 流石に極まったワンパンには遠く及ばないけど中盤の攻撃くらいには匹敵するな……


「まさか本当に倒すとは……身体に変化はないか? 死神を倒したなんて話は聞いたことがないが何か後遺症とかあったりするんじゃないのか!?」

「ないですよ、大丈夫です。それじゃあ戦利品を回収に行きましょう」


掃除屋を倒すとドロップがある、それは数少ない呪われた装備だったはずだ。本当ならイベントで段階的に解除して最強クラスの装備になる奴だけど俺には今の状態で問題ない。


「何が落ちたかな?」


俺的には靴か手甲が良い。速さか器用さが上がれば戦いやすくなるしな。


「……なんですかこれ?」

「鐘だな」


防具ですらないし、こんなドロップ品知らん……武器なの? アクセサリーなの?


「もう一体出てこないかな……」

「流石に冗談でも笑えないぞサー・レヒト」














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