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思い出は武器にはなるかもしれないけど攻撃力にはならない

 フラメルを見送った後に唐突にある事実に気づいた。


「あれ? 俺……武器なくね?」


 愛用してた棒はなんかエモいフレーバー溢れる牙になっちまってもう武器としては使えないからな……呪われてる上にあんなに使いやすい武器はそうそうないぞ……困ったな。


「流石に丸腰で冒険に出るわけにもいかないよなあ……素手っていう選択肢はないわけじゃないが……」


 それこそ素ステが物を言う戦い方だからバフをかけられない俺はちょっと厳しい……覚える技は魅力的だが俺には合わないな。


「どっかに呪われてて使いやすい武器なんて落ちてねえかな……」


 我ながらデタラメな条件を出したものだと思う。まずもって呪われた装備なんてものがほぼ存在しないうえに使いやすいなんていう条件までつけちゃったらそんなもん存在しねえよ自分で作れって言われるのがオチになるに決まってる。


「自分で作る……」


 一から鍛冶を覚えるのは論外だから流石にプロに頼るとして……どんな形でどんな能力のものが欲しいかっていうのを考えておくのはアリだな……


「スタンダードに片手剣が良いか……棒も言わば片手剣カテゴリだったからな……でも使い方はほぼブーメランだったぞ……じゃあブーメランか?」


 ……産廃ができる気しかしない、なんだよ主武器ブーメランって……ふざけてんのか。


「いやいや、ブーメランの勇者だっているかもしれないし馬鹿にはできないか……」


 聞いたことねえけど……可能性はゼロじゃないからな……呪われたブーメラン……弱そうだな……やっぱ却下だわ。


「うーん、どうするか……」


 プレイしてた時はでっかくて重くて長い武器をぶん回してたけどな……そんなものをこの身体で使えるなんて思えないからな……いっそのことなんか奇抜な武器を使ってやろうか。


「トンファー? キックしかできる気がしない。かぎ爪? あんなのどう使ったら良いんだ。ムチ? 無理だろあんな精密武器。双剣……は使いこなせそうにないな。いっそのこと盾を武器に……なんだそれ?」


 駄目だ……迷走してきた……何を使ったら良いんだろうなあ……


「コーン!!」

「ん? どうしたプラチナ。あんまり勝手に動くと爆発しちゃうぞ?」

「コンコン!!」

「……杖?」


 プラチナが鼻先で突っついてんのは少し長めの杖だ……杖か……基本的には魔法の触媒なんだが……武器にできないこともないか……魔術師と思わせてバリバリ近接攻撃してくるとかいうハッタリをかませるのか……うん……悪くないな。


「杖か……仕込み杖とかならロマンもあるな……」


 中から刀が出てくる仕込み武器……かっこよくない? 刀も扱える気がしないからやらないけど……でもちょっと憧れるよな……


「コン?」

「危ね!?」


 杖が倒れてきてプラチナに当たりそうになった、咄嗟に受け止めたけどなんか杖の奥に隠れてたみたいだな……何があったんだ……


「なんだこれ……ボール?」


 なんか少し大きめのボールがあるな……俺の手に収まらないサイズだけど両手で持つならまあ投げられるかな……ドッジボール的な大きさか……


「おっも……鉄球かよ……何に使うんだこれ……」


 試しに持ち上げようとしてみたけど全然持ち上がんねえ……見た目ただの黒い玉だけど中身ぎっしり鉄なのかこれ……マジで用途が分からんなこれ……


「まあいいや……とりあえず杖かな」


 短くして槌にするのもいいし、長くして槍みたいにしてもまあ良いだろう。


「能力はまあ……呪いでいくらでも付加できるしな……なんの呪いかによるけどな」


 呪いに関してはウンターの呪いしか成長したのないからなんとも言えない部分が多い、他の呪いも進化するのかは要検証だな、


「やることが多くて楽しいぜ……まったく」


 不確定要素が多すぎて困るな……なんか一つでも規則性があれば良いんだけど……まあそんなもんすぐに見つかるわけもない。


「はぁ……ん?」


 なんか手に当たったな。


「プラチナか? ごめんな、まだここから移動できないんだ。フラメルの二枚舌が俺に肩書きを持ってくるのを待たなきゃいけないんだよ」

「コン?」


 あれ? プラチナはあっちにいるな……じゃあ何が俺の手に当たったんだ?


「んー、嫌な予感がする」

「コンコン!!」

「お前もかプラチナ……俺は手元を見るのが怖いよ」


 まあ見るんですけど。


「……動いてるね確実に、さっきまで有った場所にないもんね」


 俺の手に当たったのは謎の鉄球だった、ただのボールなら別にこれは問題じゃない。クソ重くて動かせもしなかった鉄球が俺の所まで来てるのが問題だ。


「え? なに? これもしかしてあれなの? この玉……呪われてる? 見たくないなあ……でも見なきゃなあ……」


『揺らぎの球』

ー 球である、ただそれだけだ。しかし、何の球なのかそれが問題だ ー


【呪いの卵】

ー 何かの要因によって呪われかけている、それは殺害手段になったのかもしれないし呪いの温床に放置されたのかもしれない。いずれにせよ早めに解呪した方が良い。卵であるのと中身が出てきたのでは全く別物なのだから ー


【揺らぎ】

ー 不安定な存在であることを示す、その材質が次の瞬間には全く別のものになるかもしれない。形を決める力に対する抵抗力があるとも言えるだろう ー


「……見なかったことにしようかな、どう頑張っても使えそうにないし」

「コンコン!!」

「なんだいプラチナ、そんなに慌てて」


 球の方を見てなんか伝えようとしてるのかな?


「ははっ大丈夫だよ、これはただの鉄球……じゃねえ!?」


 なんかすげえ光ってるんですけど!? まるで自爆する寸前のような……


「おいおいおいおい!!? 爆発すんの!?」

「コン!」


 なんか水晶的なものをプラチナがなで始めた……何か意味があるのか?


「……これをなでろって言うのか?」

「コン!!」

「……触りたくねえ」


 でもやらなきゃたぶん爆発するしな……やるしかねえか……


「触って大丈夫なやつこれ……うう……」


 恐る恐る触れてなでる……ああスベスベしてる……


「プラチナ!? なんでそんな離れてるの!?」

「コン……」


 え? なにその諦めたような顔……


「ちょっ……これそのまま爆発するんじゃ」


 俺のすぐ近くでものすごい衝撃が発生した気がする……死んだわ俺。


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