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フラメル教授のワクワク動物実験2

「ふふふ……協力していただけますね?」

「くそっ……約束は約束だ……要求を受け入れよう」


 よーし、こいつの約束は守るところ好きよ。


「お前預言者じゃないだろうな……?」

「同じ事を聞かれたことがありますけど答えはノーですよ」

「まあそうだろうな、預言者なら僕に助けを乞う必要などないはずだ」


 預言者……ねえ、ゲーム中ではなりそこないの奴だけと戦えたけど相当強かったぞ。本当の預言者なんていたら俺なんかよりよっぽど化け物だろうさ。


「それじゃあウンターのことを戻してもらえますね?」

「ああ、それじゃあ僕の研究室にまで来てもらおうか。ここじゃあできないことは分かるだろう?」

「地下ですか、それともパラケルススの研究室ですか」

「まあ……地下でも十分だろう」


 そう言ってまた地下に潜っていってしまった。


「じゃあ行きますか」

「おお……本当に底が知れないなサー・レヒトは……」

「はは、買いかぶりですよ」


 俺のは前知識を全力で振り回してるだけだからな、最大限利用はするが別に自分が凄いわけでもない。


「なるほど……これが地下研究室ですか」

「ようこそ僕の城へ、その辺のものに勝手に触るなよ。さっきも言ったが「向こう百年の発展ですよね? 触りませんよ」なんだ分かってるじゃないか、分かってるなら良い」


 向こう百年の発展はこいつの口癖だからな。本当にこいつの研究で百年分の発展に貢献してるのかは分からない。


「さあ、そこの人狼をこの魔方陣の内側へ」

「ウンター、そこの中心に行くんだ」

「罪人、これでお前と話すのも最後になると思うが何か我に言っておくことはあるか?」


 ん? なんでそんなに湿っぽい感じなんだ? 耳も尻尾もぺたーんってなってるぞ……嬉しいんじゃないのか?


「うーん、殺さないで欲しいかな」

「それは無理だ、我はそういうものとして運命づけられている。お前と戦い、そして相討ちになる。それだけが我の居る意味なのだ」

「あ、それなんだけどな。今のお前と相討ちとか絶対に無理なんだけどそれはどうするんだ?」

「は? 何を言っている? 我は我を倒した罪人の力と同程度になるように力を持っている筈だが」


 ティーアの料理のマックス時なら確かに良い勝負になるかもだけどな……それだって一瞬だしな。常にあの強度で動くウンターを相手にどうにかできる訳がない。


「普通に瞬殺されるよ? 一撃で」

「そん……な……そんな馬鹿なことがあるか!?」

「あるんだよなこれが……」

「お前を一方的に殺してしまっては我の立場はどうなるのだ!?」

「いやそんなこと言われても……」


 お前の立場とかそれこそ俺にどうしろと?


「一応言っておくが我が人狼から戻った瞬間にお前に襲いかかるだろう、それでお前は死ぬのか? お前だけが……!?」

「ああ……死ぬな多分」

「我だけ生き残ってどうしろと言うのだ!? 相討ちにならねば意味がないのだぞ!?」

「んなこと言ってもなあ……俺だって死にたくはねえけど……お前が強すぎるのが悪い」

「それで同格になるほどの力で我を撃破したのは罪人だろう!! なんで同じ事ができない!?」

「状況が違うんだよ。ビクテロの逆十字も良いけどティーアの最大状態には流石に及ばないからなあ……そのぶん持続時間は長いけどさ……」

「ぬぅううう……どうすれば良いのだ……!!」

「どうすれば良いんだろうねえ」

「他人事のように言いおってからに……!!」

「じゃあ待ってくれないか、俺とお前が対等になるまで」

「それは無理だ……我は戻った瞬間に自動的にお前を襲う」

「じゃあ戻らなければ良いんじゃないか?」

「それも駄目だ!!」


 えー? なんだよ優柔不断だなあ。


「……まだか? 僕は待つのがそこまで得意じゃないんだけどな」

「すみません教授、もう少しだけ待ってください」


 ほらー、決まらないからイライラしてるじゃーん。ぶっちゃけ今襲われたら即死するから戻られると凄く困るんだけど……いつまでもウンターを連れ回す訳にもいかないしな。流石にビクテロ以上の爆弾を放置するのは怖いし。


「どうやったら決着が着くんだ? その……運命的なものに」

「我はお前と相討ちにならねばならぬ……絶対にだ……」

「相討ち……ちなみに今は俺を殺したい?」

「殺意とかそういうものではない、そうしなければならないからするのだ」

「……ウンターにダメージを与えられるとは思えないんだけど」

「恐らく我を殺したその武器ならば我に傷を負わせることはできようが……今の我の大きさでは致命傷には足りぬな……」

「だよなあ……まず当てられないしなあ……」


 マジで今のウンターにダメージを負わせられる気がしない……なんかデバフでもあれば話は別だけどなあ……


「あ、お前って何か呪いとかかけれないの? 俺に直接かける奴」

「呪い? それならお前の武器に宿っているだろう。同じ呪いを二度かけることなどできない」

「じゃあデバフは?」

「でばふ?」

「ええっと……俺の能力値を下げるようなスキルはないのかってこと」

「あるぞ、罪人の力を削ぐものならいくつかな」

「それだ、それを俺にかければ少しは差が埋まる」

「……?」

「いいからやれ、良いな?」

「分かった……それで一方的な死合にならぬと言うのならそうしようではないか」


 まだ足りないな多分……できればもっとデバフを重ねたい……


「教授、能力を下げる薬って持ってませんか?」

「……あるにはあるが、そんなものどうするんだ?」

「飲みます、そういう効果が反転する体質なので」

「特異体質か……お前も研究対象に加えて良いのならその薬品を提供しよう」

「……分かりました、痛いのは嫌ですよ」

「善処しよう」


 薬はもらった……あとできるのは……ビクテロかな。


「サー・ビクテロは逆十字を発動させてください、それがないと恐らく3秒持ちません」

「わ、分かったけど……サー・レヒト、なんで死ぬような目に合うのが分かってるのに人狼を元に戻すんだ? 戻さなければ良いじゃないか」

「そういう約束でしたし、いつか向き合うことになる問題なので」

「そうか……死ぬなよ」

「ええ、死ぬ気はありません」


 まあ、今できるのはこれくらいかな……死んだらまあそんときだ……襲われるならタイミングが分かってる今のほうがまだマシだろうし。


「それじゃあ、お前の人狼を退化させるぞ」

「はい、お願いします」


『惜別の人狼ウンターを退化させますか?』


 ああ、それで良い。


『退化後にウンターはテイム状態から外れる可能性があります。それでも良いですか?』


 承知の上だ。


『惜別の人狼ウンターを縛られし執行者へと退化させます』


『数秒後戦闘が開始されます』














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