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足の確保は一苦労

質問がありましたので回答します、ウンターは犬のような見た目でしたが中身は別物でしたので反転した呪いの効果は発揮されませんでした。ですが今は人狼として実体を持って動いているので少なからず影響を受けます。

「ふう……ビクテロが軽くて助かった」

「なんだ、ただの町ではないか。ここからどうするのだ。もしや時間稼ぎではあるまいな」

「まあ待てって、徒歩じゃ限界があるだろ……」


最初のダンジョンの最寄りの町であるここの名前はラムサール。沼周辺のものを利用して暮らす町で、確か移動手段が手に入ったはずだ。


「まあ、なんにせよ医者に見せるのが先だな」

「いしゃ? いしゃとは何だ?」

「傷を治す人だよ」

「そんなものすぐに勝手に治るだろうに」

「そんなのモンスターでもそうそう居ねえからな」


ゲーム内だと医者兼ヒーラーみたいな奴が病院みたいな場所にいるはずだ。そこなら今のビクテロがどういう状態か正確に分かるだろう。


「すみませーん」

「ようこそ治療院へ、何かお困りですか?」


ここはほとんど変わってないみたいだな……さっさとビクテロを見てもらおう。


「この患者を診ていただきたいのですが」

「分かりました、それでは前金をお願いします」

「え?」

「え?」


今なんて?


「前金?」

「ええ、もしやご存じない?」

「は、はい」

「それはまた……幸運な人生を送ってらっしゃいますね。今まで治療院に来たことがなかったのですから」


そんな制度あったか? 待てよ……ここは病院みたいなものだって自分で言ったじゃねえか……つまり金がかかるってことか……ここもゲームとの差異だな……


「あー……すみません。前金っておいくらですか?」

「はい、1500というのが相場ですが貴方は初めての利用ということで1000にしておきましょう」

「……ちょっと待ってください」


まずいぞ……手持ちのなんてまるでない。着の身着のままこっちに放り出されたのもあるがもともと子供だから手持ちなんてほぼ0だ……


「ふーむ、実は最近この辺りでモンスターが出ましてね。駆除しようにも手が空いてる者がいないのですよ。そこで相談なのですが……」


治療院のお願いイベント……一回だけそれをやることで治療院からの施しを受けられる。だが今やることじゃねえ……金を稼ぐ必要があるな……


「いえ大丈夫です!! こいつは頑丈なのできっと無事でしょう!! それではまた!!」

「あっ、ちょっと!?」


あっぶねぇ……貴重なイベントを消化するところだった。ビクテロはまあ……少しだけ待ってもらおう。序盤で1000稼ぐのは楽じゃねえが……何とかしよう。


「とりあえず掲示板だ……そこに大体の情報がある」


張り紙から何かしらのクエストやらイベントやらが始まることも結構あったはずだ……そこで知識を活かしてさっさと稼いでやる……


「ない……だと……!?」


どういうことだゲームではたしかに掲示板が……


「2年前だからか!? そんな新しいもんだったのかあの掲示板!!」


くそ!! これじゃあ……ってあれ? よく考えたら10歳前後の俺に依頼をするような奴って常識的に考えているか?


「いやいねえよ……そういや正式な旅立ちとかしてないからただの難民じゃん……うわあ……気付きたくないことに気づいてしまった……!!」

「ぶつぶつと気持ち悪い奴だな……不味そうな顔色だぞ、どこか痛むのか」

「ある意味致命傷だよ……今の俺ってばこの社会で一人前に扱ってもらえないことに気づいたんだ」

「……それで? よもや諦めるとは言うまいな」

「諦める? まさか」


そんなことで諦めてたらRPGなんてやってられっかよ!!


「子供なら子供らしい稼ぎ方をするまでだぜ……宝探しだ!!」


子供でもできてそこそこ金になるミニゲーム的な要素っていうのはこのゲームにもあるんだからな!!


「これもこれもゲットだぜ!! もういっちょ!!」

「何をやっているのだ……そんなゴミを集めて何をする気だ」

「ああん? 口の利き方に気をつけなあ!! こいつぁゴミなんかじゃねえ……宝の山なんだからよ!!」

「口の利き方に気をつけるのはお前だぞ罪人……」

「ぎゃあ!?」


関節を極めてきやがった!?


「流石に慣れてきた……どこをどう動かせばお前が痛みに悶え苦しむのかも分かってきたぞ」

「ギブ!! ギブギブ!! 謝るから放してくれ!!」

「ふふふ……どうしてくれようか……肩の一つでも外しても良いのだぞ?」

「分かった!! 肉をやるから放してくれ!!」

「良い心がけだな……今回はそれで手を打ってやろうではないか」

「いってえ……」


なんで見たこともないサブミッションアーツを使えんだよこいつ……戦闘センスありすぎだろ……化け物かよ……


「モンスターだったわ……」

「何か言ったか?」

「なんでもないでーす……今からお前の言うゴミの力を見せてやるからついてこいよ」

「ふん、肉の約束がなかったらもう一度やってるところだぞ」

「そいつはありがたいことで……」


ウンターがゴミと呼んだ塊には使い道がある、この村にはいるんだよなぁ……この塊を集めてる変り者のおっさんが……


「確か家はここだったはず……すみませーん!! サビイロカネ持ってきたんですけどー!!」

「ぬぁんだってぇ!!?」


凄い勢いで扉をぶち破った筋肉ムキムキのおっさんは最高に良い笑顔だった。


「やあ少年!! 突然で悪いんだがそのサビイロカネを僕に売ってくれないか!!」

「もちろん、いくらで買ってくれるんですか?」

「そうだなあ……一個100でどうだい?」


俺が見つけたサビイロカネは3つ、まるで足りない。


「じゃあこれはいくらですか?」

「そ、それは……ハイイロカネじゃないか!? なんで君がそんな……いやそれは聞くまい。それなら一個1000で買おうじゃないか」


巨人の身体の破片を拾っておいて良かった、まさかとは思ったが希少鉱物の塊だったとはな……


「もう一声欲しいなあ」

「むう……商売上手だな君は……まどろっこしいことは抜きで2000出そう。良いね?」

「うん!! ありがとうダロスおじさん!! じゃあね!!」

「いやいや感謝するのはこっちの…… 名前をなんで知ってるんだ……?」


ようし、ダロスの建設イベントを進めつつ金ゲット……これでビクテロを診てもらえる。


「あ、ビクテロどこに置いてきたっけ」

「馬鹿か貴様は、こいつの為に動いていると言うのに置いていってどうする」

「……お前もしかして良い奴なの?」

「噛み殺すぞ」

「すみませんでした……」

















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