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魔王の右腕 第一席 アームズ

「やっぱりアームズかよ……」


「最強の副官」「実質ラスボス」「最後の壁」 「一人軍隊」とかいう物騒な渾名で呼ばれるのがこいつだ。黒い鎧に身を包んで目の位置に怪しい紫色の光が揺らめいている、そしてこいつの周りには黒いオーラが漂っていた。


「雑魚、私はどけと言ったぞ」


すっげえ威圧感……ここで戦うという選択肢はないがこんなところでこいつに会うっていうのがまずおかしい。何が目的だ。


「っぁあああああああ!!!」

「ビクテロ!?」


なんで攻撃を!? 一目で勝てないことは分かるだろう!! お前は中二病でも馬鹿じゃないはず……まさか……


「逃げろレヒト!! こいつは駄目だ!! オレには分かる!! 少しでも時間を稼ぐからお前だけでも!!」


くっそ……なんでこういう時ばっかり英雄らしいことするんだ……だから厄ネタでもお前はそこそこ人気があるんだよ。


「愚かな、歯向かわなければ命を散らすこともなかっただろうに」

「生贄賛歌!!」


ビクテロめがけて雷が落ちる。


「面白い。自らへ神鳴りを落とすか。だがそんな者で私を傷つけられると思うな」

「生贄賛歌!!」


ビクテロを中心に地面にヒビが入り大地が割れる。


「ほう、曲芸としては良い」


それも容易く躱された。やっぱり今の状態じゃアームズに傷一つ付けられないか……レベル差がありすぎるんだ。


「ビクテロ!! 逆十字だ!!」

「逆十字……そんな技はないぞ!?」


は? そんなわけ……待てよ……こいつは仲間との戦闘経験がほぼない。そして逆十字は仲間がいないと使えない……そりゃあ使う機会も発動する機会もないだろう。


「大丈夫だ!! お前ならできる!! 俺に続けて言葉を紡げ!!」


大丈夫だ。習得を早めるくらいなら問題はない筈だ……たぶん。


「音に聞こえし逆十字、吊られた愚者はそれでも笑う、聞け、これより愚か者の時間だ」

「お、音に聞こえし逆十字、吊られた愚者はそれでも笑う、聞け、これより愚か者の時間だ」


よし、ビクテロの身体に何かが集まっていくエフェクトが出始めた。これで発動した筈だ。


「サー・レヒト!? これなんだ!?」

「大丈夫だ、今からお前は強くなる。それでも勝てるかどうかは分からないが今よりはマシになる!!」

「おおっ!! 確かに!? 今なら目の前の奴に届くかもしれない」


どーかなー、勢いで発動させたけどアームズに通じるかどうかはまた別の問題なんだよな。


「よし、きっちりデバフもかかっ……あれ?」


【逆十字(反転)】【庇護対象・弟】


「なんか変な状態まで追加されてんだけど……なんだこれ」

「うおおおおおおおおおお!!! 裂けよ天!! 割れよ大地!! 我が災厄に咽び泣け!!」


おいおいおいおい……!? なんだこれ、規模が半端じゃねえぞ!?


「墜ちよ星!!」

「待て待て待て!? メテオとかそんな規模じゃないぞ!?」

「見ろサー・レヒト!! これがお前が引き出してくれたオレの力だ!!」

「馬鹿お前ここら一帯吹き飛ばす気か!?」


空を赤く染めながら落ちてきたのは隕石、それも地球崩壊を引き起こすかのように巨大な。


「まあなんとかなる!! 少なくともオレとお前は生き残る筈だ。そんな気がする」

「それじゃ意味ないだろ!!? セフィロトまで折ってどうすんだ!!?」

「あ」

「あ、じゃねええええええ!!」


ビクテロは自分で起こした災害を止められない、この隕石は確実に落ちる。


「児戯というには少しやりすぎだな……」


アームズ? あいつ何を……?


「天より来たる石などで砕けると思うな」


え? 腰の剣を抜いて、抜刀?


「はあああああああああああ!!!」


なんか斬撃が飛んでる……飛ぶ斬撃ってことは飛燕斬か?


「……マジかよ」

「サー・レヒト、オレは今自分の失敗を悔やんでいる。隕石を呼び寄せたことではない、あれに戦いを挑んだことをだ」


一太刀であれを砕くかね……駄目だこりゃ、強すぎる。今からでも降伏すれば命だけでも助けてもらえっかな?


「先ほどの技もしやアームズ様……ですか」

「ん? 私の名前を知っているだと、誰だお前は?」

「レヒトと申します、こちらは仲間のビクテロです。先ほどの無礼をどうかお許しください」

「……なぜ私の名を知っている、しかも第一席ではなく本名でだ。返答によっては今すぐに首が落ちると思え」

「実は……その……」

「なんだ、早く言え」


やっべ、こいつの名前分かんの終盤だった。しかも認めた相手にしか名前を教えないとかいうポリシーを持ってるんだった。


「実は……先代の魔王様から聞きまして」

「戯言を……その首がいらないか」

「こちらをご覧ください」


テレレテッテレ〜、先代魔王の呪いがついたハンカチ〜


「っ!? それは確かに先代魔王ナックル様の……なぜお前がそんなものを」

「それは分かりません、ですが知識だけが頭の中に残されたのです」

「聞いたことがあるぞ……魔王様の一族は肉体が朽ち果てようとも魂の復活を果たすと……まさかお前……いやあなた様は……!!」


何その設定、俺そんなの知らないんだけど。











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