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助けられるもの

「んん!! それでお願いしたい事とはなんだ?」


無理やりキャラを戻しやがった……その方がやりやすいから良いけどな。


「実は大樹セフィロトに用があって……」

「あんなところにはなにもないぞ? 御神木とか言われてるがただの大きな木だ」

「確認したいことがあるんです」


大樹セフィロトはこの世界に一定の間隔で生えている。確かに今はただの木かもしれないが、あとあと重要になる部分だ。ぶっちゃけハッピーエンドの条件に何本守れたかがあるかくらいには重要だ。


「何かおかしな事が起こる気がして」

「そうなのか……お前も組織の一員。天啓を受けることもある……か」


天啓……そういうことにしておこうかな。一から十まで説明する気はないし。


「そうなんです……嫌な夢を見て……」

「予知夢か、オレも見たことがあるから分かるぞ」


そんな事実はない……が、ビクテロの夢となると話は別だ。何でか知らんがビクテロの夢が引き金になるイベントが存在するからだ。


「それはどんな夢ですか?」

「そうだなあ……オレに雷が落ちてくる光景を見た次の日は大体そうなる」

「……そういえば雷落ちてましたけど大丈夫だったんですか」

「何を言うか同士、オレが起こした災厄がオレに傷をつけられる訳ないだろ」

「なるほど……」


混乱でもしていない限り自分の攻撃で自分が傷つかないっていうのはシステム上のルールみたいなこともんだし、夢の内容も別にフラグじゃなさそうだから無視でいいな。


「お前の夢はどんなのだ?」

「あの木の中に何か居て、それに接触しないと世界が危機に陥ると言う夢です」

「それは大変だな……確かにオレの力が要る案件だろう」

「はい、お願いします」

「ふふふふふ……任せておくがいい。このサー・ビクテロが付いているのだ、敗北はあり得ないぞ」


よーし、これで素直に着いてきてくれるな。


「では行きましょう」

「いや待て、いつまでも同士と呼ぶのもおかしいだろう。真名を教えてくれないか?」


あー、どうすっかな、それっぽい名前で答えた方が喜ぶだろうけど……ここは普通に名乗るか。その方が後で訂正せずに済むし。


「レヒトと言います」

「良い名だサー・レヒトか……これからはそう呼ぶとしよう」


そんで沼地を突っ切ってセフィロトに向かうことになった。


「生贄賛歌!! 生贄賛歌!! 生贄賛歌!!」


出てきた敵はビクテロが雷とか地割れとかに巻き込まれながら倒してくれた。マジで攻撃能力半端ないなこいつ……俺はこいつが起こす災害のパターン知ってるから避けられるけど知らなかったらまともに巻き込まれて死ぬだろこれ。


「他愛ないな……しかしサー・レヒト、まるで見たことがあるかのようにオレの攻撃を避けるな」

「知っていると言ったでしょう、あなたのことを探していたのですからこれくらいできます」

「そ、そうか。一緒に居てくれる者がいるのは良い者だな……今までオレの戦いを見た者は二度と一緒に戦ってくれなかったからな」


そりゃそうだろうよ、俺も初見だったら絶対に近寄らないわ。自分ごと攻撃してる自殺志願者にしか見えないし。


「それで、着いたがどうするのだ?」


セフィロトに着いたらやることは二個、一つ目は道をこじ開けることでもう一つはそこを通る権利を得ることだ。


「少し見ていてくださいね」


確か……印はこうで良かったか?


「幹から光が……よしよし合ってたな」


そんで……次はこう。


「申し上げる、我が身は不浄なれど資格を所望する。試練を受けることを許されたし」


お、出てきたな……序盤の鬼門の一つ。難しすぎるジグソーパズル。


「まあ……馬鹿正直に解く必要もない」


これが難しいのは完成形を全く想像できないからだ、本来なら湿地を駆けずり回ってヒントを探すんだが俺には必要ない。だって完成形を知ってるから。


「ほいほいっと……」


ちゃちゃっとパズルを完成させるとそれは鍵の形になる。


「これで通れますよ」

「……オレはお前が怖くなってきた」

「どうしてです?」

「動きに淀みがなさすぎる、その割にこの湿地に来たのは初めてっぽい。まさか預言者じゃないだろうな」


預言者、それは神からの言葉を預かった代行者。神の言葉を受け取ったことで人間の限界を超えた化け物になる。それはある種の災厄として恐れられる……だったかな?


「まさか……この身が預言者なら自分でここまで来てますよ」

「……それもそうか」

「早く行きましょう」


この先にいるのは精霊の長の一人であるジンだったはず……本来はダンジョン攻略前に木と一緒に死んでるはずだが今なら助けられる。


「待て、そこをどけ雑魚共」


背後から声、でもさっきまでは俺とビクテロしか……瞬間移動できるやつなんてあいつしかいないぞ!?


「マジかよ……」


振り向いた先には場合によってはラスボスよりも強いと言われる魔王の右腕がいた。





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