表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

118/126

魔王の手足

「意気込んでみたは良いものの、止まったぞあいつら」


 なんか横並びで待機姿勢になってるな、え? 何しに来たの? 見せびらかしに来たの? それならもう見たんで帰っていただきたいところなんだが。


「貴様らに告ぐ、これより一昼夜の間にこの男を差し出せば我々は何もせずに帰ろう。そうでなければ地図上からこの国が消えると思え。これは神託である、繰り返す、これは神託である」


 そーきたかー、見えやすい驚異とそれを避ける手段の提示で俺の味方を根こそぎ刈ろうって魂胆かよ。良い性格してんじゃねえか。喋ってんのは先頭の巨大聖騎士だな? 倒す時はお前からだからな覚悟しやがれ。


「サー・レヒト、警戒を。どこから襲われてもおかしくない」

「確かにな、次の魔王がブレインじゃなかったらそうする必要があったと思うぜ」

「サー・レヒト? どういうことだ?」


 くけけ、俺も予想外だったがもうすでにブレインは魔王になってんだよ。だからあいつが一声かければ俺に対する攻撃なんざ来ねえ。ブレインの信頼得ておいてよかったぁ。


「まあ見てろって、今から来るぞきっと」

「な、なんて事だ。あのオーラはまさか……魔王の親衛隊が全員動いたのか!?」

「おー、すげえすげえ。四天王そろい踏みじゃねえか」


 魔王四天王とか呼ばれるが本来の名前は獅子心隊(ライオンハート)だ。そのメンバーはもう化け物しかいねえ。言わずもがな第一席のアームズ。そしてお色気女幹部枠の二席であるフィスト・リア、巨大化するのに全然それが負けフラグじゃないので有名になった巨漢の三席モモ、んでもって存在感がなさすぎたのに出てきていきなり主人公を蹴散らす負けイベントをぶち込んでくる四席ソール。どいつもこいつもえげつねえ強さだった。


「んでもって、そいつらを従えてるのが魔王ブレインだよな」


 獅子心隊が道を作りその間をブレインが歩いてきた、速攻でなったわりには似合ってんじゃねえか魔王の格好。俺としちゃあ慣れてるから違和感がねえが、本人的には居心地悪そうだな。


「これが先生の言っていたことなんですね」

「まあそうだな、ちょっと形は違ったみたいだが。でどうする? 俺をこいつらに突き出すか?」

「はい」

「そうだよなそうだよな、俺を差し出すなんてまねしないよなって。今なんて?」


 聞き間違いであってくれよ。


「おお、此度の魔王は優秀らしい」

「アームズ様、じゃなくて、アームズ。目の前の罪人を早く始末しろ」

「え? しかも最初からアームズ!? 容赦なさすぎじゃねえの!?」


 ちょ、まずいまずいまずい!! この距離のアームズとかマジで瞬きしたら死ぬレベルの相手だぞ!? 対応なんてできるわけねえ!!


「くそがっ……!!」


 ん? 風を切る音が通り抜けて行ったぞ。どういうことだ、攻撃されたのもわからない攻撃をされたってことか。いや、違うな。俺の背後に攻撃をしたのか?


「今更お前達の言葉に従うとでも思ったか? 神を騙るグレーゴリの傀儡ども。ここは僕たちの国だ、何を選ぶかは自分たちで決める。神じゃない、神託なんていらない。恥を知れ紛い物、一昼夜なぞいらぬ。今、ここで貴様らは滅ぶのだ」

「馬鹿が、これで滅びは確定したぞ……」


 重く大きいものが崩れ落ちる音、巨大聖騎士が倒れた音だ。アームズがぶった切ったのか!! 流石だぜ第一席!!


「さあ始めよう我が手足。不遜なる聖騎士を一切の例外なく叩きのめし、そして、跪かせよ」

仰せのままに我が主君(イエスマイロード)


 やっべええええ、無茶苦茶カッコいいぞこの魔王軍。俺もなんかいい感じのこと言いてえ、なんかねえか? なんかネタはねえか? 思いつかねえ、


「ああ、そうか。今やれと言うのか。今を逃せばこれ以上の好機は訪れないとオレの魂が叫んでいる!!」


 え? ビクテロなんかあんの?


「我が身に宿りし黄金の力、今こそ見せよう。ツァラトゥストラの最終兵器の名は」


 待って待って待って、お前だけなんか格好いいことしようとすんな、ずるいぞ!! 考えろ、考えるんだ、必殺技的なあれがないのか俺は!!


黄金の勝利(ビクトリア)


 うわあああああ、ここで使うのかあああ!! 名前だけ出てきてた奴じゃーん!!


「うおおおおおおおおおおおお!!! 変形!! 合体!!」


 金ピカの巨大ロボットじゃねえか!! ツァラトゥストラから飛んできやがったな!! くそ、先を越された!!


「殺生石、変生(へんじょう)


 プラチナまで!? 何その変身!! みたいなやつは!!! ダッキに変身できるアイテムだったのか殺生石ってええええ!! なんか裏切られた気分なんですけど!!


「コォオオオオオオオン!!!」


 くそう、もう俺とユーホしか残ってないじゃんか。ユーホはこういうのに乗っからないだろうから取り残されるってことはないだろうけど。


「……(ちらっとこっち見てにやりと笑う)」


 なんて邪悪な笑みなんだ、まさかこいつ……!?


「奥の手だったのだけれどね」


 お前までなんかやる気なのか!?


強化魔法(エンハンス)身体魔法化(マギカナイザー)


 えー、マジかよ。ここに来て俺だけ取り残される

の? 


「それじゃあお先に」


 あー、行っちゃった。


「えっと、み、みんなー、がんばえー……」


 悲しみが目から溢れそうだ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ